卵の消費量・世界第2位
最初は卵の消費量。国際鶏卵委員会(IEC)によると、国民1人当たりが1年で消費する卵の数は、日本が世界で2番目に多いのだとか。その数は年間で平均して338個。確かに言われてみると、日本人は卵を本当にたくさん食べますよね?
例えば朝食に目玉焼きやゆで卵を日課のように食べる人は少なくないはずです。お弁当に卵焼き、夜ご飯のうどんやすき焼きに卵を使う人も多いはず。気が付けば1日1個は卵を食べている気がしませんか?確かにそのペースで行けば、年間で338個は簡単に食べてしまいます。
日本人には当たり前でも、その食べるペースは世界的に見て突出していて、1位のメキシコ(372個)、3位のロシア(306個)とともに、世界でも数少ない年間300個オーバーの消費国に入っているのですね。
ちなみに同調査によると、例えばイギリスは年間で197個、スイスは184個、ポルトガルは159個など、ヨーロッパでも少ない国々と比べると、日本人は倍近くは食べている計算になります。
平均寿命の長さ・世界第1位
WHO(世界保健機関)のホームページ上では、さまざまなデータが見られます。その中で、「あと何年生きられるか」を示すlife expectancey(平均余命)が国別に公開されています。生まれた時点で、あと何年生きられるか、その平均の年数を最新版のデータで見ると、日本人は世界で最も寿命が長い国だとわかります。
世界全体の平均が73歳のところ、日本人は84.26歳と、世界の平均よりも10年以上は長生きできるとされています。2位はスイス、3位は韓国、4位がスペインで、5位がシンガポールです。逆に最も短い国は、アフリカ南部にあるレソト王国で50.75歳。レソトとは、南アフリカの中に「離れ小島」のように囲まれて存在する小国ですね。
日本人の50歳といえば、一般的には会社で管理職になっているころで、住宅ローンもまだまだ残っているようなイメージでしょうか。子どもが大学に通っていて、人生の終わりや衰えを確かに感じているものの、まだまだ死が現実には目の前にない時期とも言えるかもしれません。50歳で亡くなったら、周りは「こんなに早く」ときっと嘆きますよね。
ちなみに男女別でみると、女性は長寿世界1位、男性は長寿世界第2位でした。その合計で、日本人が世界で最も長寿の可能性が高い国民とされているのですね。
海岸線の長さ・世界第6位
日本人はメルカトル図法の地図を見る機会が多いと多いと思います。メルカトル図法の場合、北極と南極に近い国が極端に拡大されて見えるため、ロシア、カナダなどの国土が、異常に大きく見えます。そのロシアやカナダと比べて、日本はあまりにも小さいため、世界の中で日本は、とてもちっぽけな存在だと思ってしまいがち。
しかし、地球儀を見てみましょう。地球儀上でも、ロシアやカナダは十分に大きいのですが、地図で見るよりも思ったほどではないと感じるはずです。逆に日本の意外な大きさに気付くかもしれません。
しかも島国なので、海岸線に注目すると、かなり長いとわかります。実際にその長さは世界でもトップクラスで、3万5,000キロメートルを誇ります。その長さは世界第6位。世界第1位のカナダだけが20万2,000キロメートルと突出していますが、2位以下のインドネシア、グリーンランドなどと、言うほどの差はありません。
さらに200海里水域(排他的経済水域)の面積では、日本は同じく世界第6位(447万平方キロメートル)に位置しています。国土の広さでも、海岸線の長さでも太刀打ちできなかったカナダ(第5位)に、ほぼ並ぶのですね。解体前の旧ソ連(449万平方キロメートル)にすら、肩を並べるくらいです。
あるテレビ番組の取材で、建築家の安藤忠雄さんが若い建築家に「地球儀を持っているか?」と聞いていました。建築家には世界的に物事を発想するスケール感が必要なのかもしれませんが、世界規模で動き回る筋金入りの旅人にも、国土の大きさと距離感を正確に自分の中に刻み込むために、地球儀は必須のアイテムだと言えそうです。
ちなみに排他的経済水域の広さで言えば、アメリカ(762万平方キロメートル)が1位、オーストラリア(701万平方キロメートル)が2位、3位がインドネシア(541万平方キロメートル)、4位がニュージーラン(483万平方キロメートル)となっています。その次に、カナダ、日本と続くのですね。
外国人観光客の数・世界第12位
最後はおまけ、海外から訪れる外国人観光客の多さランキングです。新型コロナウイルス感染症の影響が出る前の2019年の段階で、日本は世界第12位でした。アジアの中では第4位。
世界第1位は、観光大国フランスで年間8,932万人、2位はスペインの8,359万人、3位は米国の7,925万人、4位はイタリアの6,451万人で、5位は同じアジアの中国で6,290万人でした。日本はオーストラリア(3,188.4万人)、ギリシャ(3,134万人)とデッドヒートを繰り広げる3,188.2万人。この数字は、近年驚くような右肩上がりを見せていました。2020年の目標である4,000万人が仮に実現していたら、世界トップ10に仲間入りしていたはずです。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で、一転して海外旅行にブレーキがかかり、結果として2020年は合計で411万人が訪れただけだったといいます。しかもこの数字は1月、2月がほとんどで、その後はほぼ0が続きました。
TABIZINEの読者は、旅を愛する人たちばかり。皆で引き続き、世の中の変化に注目していきたいですね。
[参考]
※【無断転載禁止】鶏鳴新聞2020年9月15日号 IECの2019年各国データ(上) 1人当たり鶏卵消費量 日本は338個で2位 – JA全農たまご株式会社 ※ Life expectancy at birth (years) – WHO ※ わが国200海里水域面積447万km²の世界ランキングの検証 : 世界6位、ただし各国の海外領土分を含めた順位では8位 ※ 世界各国・地域への外国人訪問者数ランキング – JNTO ※【図解】2020年の訪日外国人数は年間411万人、12月は5.9万人(直近10年の推移グラフ付き) – トラベルボイス
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Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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