ドイツ最高峰「ツークシュピッツェ山」
モンブランやマッターホルンをはじめ、数々の名峰が連なるヨーロッパのアルプス山脈。そのなかのドイツ最高峰が、標高2,962mの「ツークシュピッツェ(Zugspitze)」です。頂上付近には3つの氷河や周辺の山々を見渡す絶景が広がるポイントが多数。
登頂するには、登山鉄道とロープウェイを利用する方法、もしくは2017年に開通したロープウェイ「ザイルバーン ツークシュピッツェ(Seilbahn Zugspitze)」を使えば、麓から約10分で山頂の展望台まで行くことができます。今回はこのロープウェイで山頂を目指しました。
いざロープウェイで山頂へ!
標高差1,945mの高さを1区間だけで結ぶロープウェイというのは、ここが世界一なのだそう。ロープの傾斜もいささか強いように見えます。120人乗りという大きなロープウェイで、四方は全面ガラス張り。360度のパノラマを楽しみながら、ゆっくりと上昇していきます。麓の美しい湖「アイプゼー湖(Eibsee)」を見るなら、上るときの進行方向右側か後方がおすすめです。
山頂まで岩山を上る人たちの姿も
いよいよ山頂駅に到着。展望テラスからは、手の届きそうな距離にツークシュピッツェ山頂を見ることができます。よく見ると、山頂にあるゴールドの十字架に向かって岩を上っていく人の姿も。
山頂ポイントまでの岩山は、展望テラスの下からアクセスできるそうなのですが、高所恐怖症にとっては見ているだけで足がすくむ思いです。挑戦した人は、頂上に到達したという実感がさらに強く味わえそうですね。
360度さまざまな角度で絶景を満喫
展望テラスはかなり広く、360度さまざまな角度から絶景を楽しめるようになっています。下の階にはレストランもあるので、食事をしながらゆっくりできるのもいいですね。
標高2,600m地点の氷河が見えるポイントへ
ツークシュピッツェ山の楽しみは山頂だけではありません。山頂駅から今度は違う方向に降りるロープウェイ「グレッチャーバーン(Gletscherbahn)」に乗り、標高2,600m地点の「ツークシュピッツェプラット(Zugspitzeplatt)」へと足を運ぶこともできます。ここは登山電車の山頂駅でもあり、スキー場のゲレンデの一角にもなっているのです。
開放的な景色が広がる「ツークシュピッツェプラット」
こちらは先ほどの展望テラスとは違い、山肌をダイレクトに感じることができる開放的な雰囲気。目の前に広がる勾配をハイキング感覚で上っていくと、間近に氷河の絶景が広がります。
5月上旬はまだ冬に積もった雪が残っていましたが、夏になると雪は少なくなり山肌がさらに見えてくるので、天然雪や氷河がもっと分かりやすくなるそうですよ。
絶景に囲まれてランチを
こちらの地点には、山小屋風の建物と近代的なガラス張りの建物が2カ所あり、それぞれで食事やお茶が楽しめます。冬はスキー場となる場所に建つこちらのレストランは、トレーに好きな小鉢などの料理をのせていく食堂スタイル。
会計を済ませれば、そのままトレーを持ち出して好きなテーブルを選べる気軽さもいいですね。絶景を見渡せるテラスで食事を楽しむのもおすすめです。
ロープウェイの山麓駅近くに佇む「アイプゼー湖」
さて、山頂駅と氷河の景色を十分に満喫したら、最初に乗った一番長いロープウェイ「ザイルバーン ツークシュピッツェ」で、麓のアイプゼー湖まで戻ります。この湖は、ロープウェイの駅から歩いて5分くらいで訪れることができるので、時間が許せば足を延ばしておきたいところ。
太陽の光や見る角度によって青やエメラルドグリーンに見える水面は、近くに寄ってみると透明度が高く神秘的な雰囲気。山に囲まれた地には、独特の静けさと新鮮な空気が漂います。足漕ぎボートやカヤックをしたり、湖畔ではワーケーションをしている人の姿もありましたよ。思い思いに好きなことを楽しむ、自由な時間が流れていました。
ドイツ最高峰のツークシュピッツェ山は、山頂の展望テラスから望む神々しい景色だけではありませんでした。氷河が見える「ツークシュピッツェプラット」の周辺を歩いてみたり、麓のアイプゼー湖まで足を延ばしてみたりと、記憶に残る絶景を気軽に楽しめるポイントが多数あります。時間の許す限り、アルプスの自然の空気に浸っていたくなる癒しスポットでした。
[all photos by minacono]
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[参照]
・Bayerische Zugspitzbahn Bergbahn(日本語): https://zugspitze.de/ja
取材協力:ドイツ観光局
minacono ライター
日本とカナダで観光業界に勤務。旅行会社、現地ツアーオペレーター、航空会社、観光局、いろんな分野で旅と関わってきました。現在はフランス在住。美味しい食べ物とお酒がうまく出会った時すぐ感動する。犬好き。でも猫みたいな性格に憧れる。
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