竹富島の集落がホテルに。島民のように滞在する「星のや竹富島」
石垣島から船で約10分、竹富港から送迎のバスに揺られ到着したのは「星のや竹富島」。
こちらはホテルのエントランス。赤瓦に青空がよく似合います。
エントランスを入ってすぐのレセプションにて、ウェルカムドリンクと沖縄では目にすることが多い月桃(げっとう)の羊羹をいただき、長旅の疲れがふっとほどける瞬間。月桃の羊羹はちょっともちもちとした食感と香りが楽しめます。
レセプションは送迎車で到着したゲストが一番最初に立ち寄るスペースで、ホテルのフロントは別にあります。「ゆんたくラウンジ」やショップと一緒になったスペースは、宿泊客が思い思いにくつろぎのひとときを過ごしていました。
ゆんたくラウンジには、ネスプレッソのコーヒーや、さんぴん茶などのドリンク、お菓子が用意されており、滞在中は自由に楽しめるようになっています。
到着後、ゆんたくラウンジでは、「島のひととき」を楽しむ、島に馴染みのあるおやつをいただけます。訪れたこの日は、沖縄を代表する地豆、落花生の豆腐「ジーマミー豆腐」を、ひんやりとしたアイス、キャラメルソース、黒糖ピーナッツとともに楽しみました。
時間:14:00~16:00
場所:ゆんたくラウンジ
料金:無料
ショップには、島の職人によって作られたものや、環境にやさしいもの、コラボ商品などが並びます。沖縄の焼きものであるやちむんや、シーサーなども販売されています。
ラウンジの前には大きなプールも広がっており、とても開放的な雰囲気ながら、星のやならではの落ち着いた空気が流れています。
プールの周りには、くつろげるスペースがたくさん設けられているため、混み合う心配もありません。ラウンジの前にはプールで使うタオルや、子ども用のライフジャケットなども用意されています。
一瞬、「本物!?」と驚いたふくろうの置き物。頭の部分が動くので、遠目から見るとまるで本当のふくろうかと思ってしまいました。
敷地内を歩いていて目を楽しませてくれるのが、沖縄ならではの植栽の数々。咲き乱れるハイビスカスは、南国感を感じさせてくれます。
竹富島の集落を歩いているかのような気分を味わいながら、客室へ向かいます。赤瓦の屋根にシーサー、白砂の小径、そしてグック(石垣)は、竹富島の集落そのもの。まるで島民になったかのような気分を味わえます。グックはサンゴの石を使い積み上げられたもので、固定されているわけではありません。この積み方は「野面積み」というものなんだとか。お城の石垣にも用いられている積み方で、まさに先人の知恵からできたものなんですね。
敷地内に続く道は、まるで迷路のよう。迷わないのか不安に思っていると、ホテルのスタッフに「もし迷ったらプールに向かってくださいね」と言われました。
そして、いよいよ客室へ。
島に暮らすように泊まる。快適な滞在空間
入口には魔物除けの壁であるヒンプンが設けられており、一般的に左側から中に入ります。右側は神様の通り道とされているためですが、住宅の場合は客人は右側から家に招き入れるのだそう。
国の重要文化財にも指定されている「旧与那国家住宅」をモデルに、現代風にアレンジしたという客室は、全部で48室。2名または3名で宿泊できる客室があります。筆者が宿泊したのは2名で泊まるフローリングタイプのお部屋「ガジョーニ」です。充分すぎるくらいに、広々ゆったりと使える造りになっています。客室そのものが1棟独立型になっているため、プライベート感がたっぷりで、ほかの宿泊客の気配を感じることがありません。
バスタブもこの通り。オープンなスペースに配されたバスタブと、窓から見える緑が美しいです。夜だけでなく、昼間の明るい時間にバスタブに浸かりながら緑を眺めるのも、また乙ですよ。
南側は全面窓。星のや竹富島の客室では、大きく開け放てる窓を南側に配置しており、海からくる心地よい風が通り抜ける造りにしているのだとか。
寝室は心地よい眠りに誘われるよう、天井は低め、照明も暗めに設定されています。
アメニティはクレンジング、洗顔フォーム、化粧水、美容液、保湿クリームのパウチが2回分セットされたものが2名分用意されています。沖縄では日焼け止めを塗ってプールや海を楽しむ機会も多く、シャワーを浴びることも多いので、クレンジングや洗顔フォームも2セットずつ用意されているのは本当にありがたい! 星のやオリジナルの琉球バスソルトもあります。こちらは1名につき1袋使用するのがおすすめだそう。
もちろんパジャマを持参する必要もありません。就寝時のパジャマと、館内着の作務衣もそろっています。星のや竹富島のマークが入った手提げ袋は、館内での移動に使えるのはもちろん、滞在の思い出として持ち帰ることができますよ。
客室で使うグラスも、もちろん沖縄のもの。並べるだけで絵になります。
夕凪の唄に酔いしれるひととき
夕方には、ゆんたくラウンジにて島の演者による古謡や三線の演奏が楽しめます。この日の演者さんはご夫婦なんだそう。
沖縄ならではの唄と三線の音色に癒やされるひととき。その場にいた人たちみんなが、夕凪の唄に聞き入っていました。まるで子守歌のように、心地よい眠気に襲われます……。演者さんは日によって変わるので、それぞれ異なる演奏を楽しんでみてはいかがでしょうか。
時間:16:45~17:15
場所:ゆんたくラウンジ
料金:無料
沖縄の素材を活かしたフレンチで表現「琉球ヌーヴェル」
そうこうしている間に、夕食の時間に。夕食は、ゆんたくラウンジ横にあるダイニングで「琉球ヌーヴェル」をいただきます。
ドリンクは、ノンアルコールカクテル「グリーンスプラッシュ(シークヮーサー、トニックウォーター、ハーブ)」と、「ジンジャーノワール(ジンジャーエール、黒糖)」を。
カツオのタルティーヌ カチューユを添えて
スモークされたカツオが美味。カチューユは、島で風邪や二日酔いなどのときに飲むものだそう。カツオ節の味がほっこりと落ち着きます。
シェーブルのクスクスサラダ仕立て パッションの香り
見た目も美しい一品。ヤギのタルタルとともにいただきます。パッションフルーツの酸味がアクセント。
島人参のパイ包み焼き 車エビのポワレと共に
酸味のあるソース、ブールブランソースとともにいただきます。
青豆のブルーテ サザエと四角豆のフリカッセ
四角豆は沖縄では「うりずん豆」と呼ばれます。サザエの肝も入った、綺麗なグリーンのスープ。
シークヮーサー香るミーバイのコトリヤード
「コトリヤード」とは、フランス・ブルターニュ地方の郷土料理のこと。ミーバイのほかに、海ぶどう、アサリやタカセガイ、ムール貝も味わえる、海の幸をふんだんに使った贅沢な一皿。
メインは牛肉の包み焼きと豚ロース肉から選べます。筆者らは1つずつ注文しました。
牛肉の包み焼き 泡盛酒粕のクルート
間接的に火を通したという牛肉の包み焼き。泡盛酒粕の風味もしっかりと感じられます。
豚ロース肉のハーブコンフィ バナナのピュレを添えて
低温調理した豚ロース肉をさっぱりといただけます。
ジーマミーのヌガーグラッセ ハイビスカスの香りに包まれて
泡盛の古酒で香りづけされ、さっぱりとした味わいのデザート。ジーマミーがくせになります。
パイナップルのバシュラン仕立て ピパーツのアクセント
ピパーツは島こしょう。ヒバーチとも呼ばれます。ココナッツメレンゲのサクサク食感も楽しいデザート。
最後にはコーヒー、紅茶、ハーブティーから好きなドリンクと、お茶菓子をいただいてディナーは終了です。お腹も心も満たされる夕食となりました。
料金 :1名 14,520円(税・サービス料込、宿泊料別)
予約 :要予約。公式サイト(https://hoshinoya.com/taketomijima/)にて前日まで受付。
対象者:宿泊者
※メニューの内容、食材が一部変更になる場合があります
※記事内で紹介したものは2021年夏のメニューです
ラウンジで気軽に泡盛を楽しめる「宵のひととき」
ゆんたくラウンジでは、沖縄のお酒「泡盛」を楽しめるよう「泡盛カクテル」が楽しめます。複数種の泡盛とシロップを組み合わせ、日替わりでスタッフが作ってくれますよ。泡盛は6種類(請福/於茂登/玉の露/八重泉/白百合/与那国)、シロップは4種類(パッション&シークワーサー/ハイビスカス&ピパーツ/黒糖&アーモンド/ザクロ&島唐辛子)です。グラスを片手にのんびりと、宵のひとときを過ごしてみるのもいいですね。
星空の下で特別な時間を。ロマンチックすぎる「星降る夜のてぃんがーらピクニック」
©Hoshino Resorts Inc.
沖縄の離島に行けば必ず見たいのが星空。星のや竹富島には「星降る夜のてぃんがーらピクニック」という、星空を楽しむ夜のピクニックがあります。「てぃんがーら」とは、沖縄の方言で「天の川」を意味する言葉。
竹富島を含む八重山エリアは、日本初の星空保護区に認定されており、美しい星空と星空を見るための暗い環境が保たれています。そして、88星座のうち84星座が見られる恵まれた場所なのです。
星に詳しいスタッフが、ホテルから近いアイヤル浜へ案内してくれます。海辺に設けられたソファ席で、星や星座にまつわるあれこれを聞きながら、ピクニックプレートとシャンパンを楽しむというなんとも贅沢なもの。この日は雲も多かったので、星がきれいに見えるかどうか心配していましたが、バッチリ見ることができました。
©Hoshino Resorts Inc.
ロマンチックで特別な時間を過ごせるてぃんがーらピクニックは、カップルに最適。記念日にパートナーがこっそり予約してくれていたら、素敵な思い出になりそうですよね。
期間:~2022年8月31日(除外日:8月7日~16日)
時間:20:00~21:30
料金:15,730円/1名(税・サービス料込、宿泊料別)
含まれるもの:アイヤル浜での天の川鑑賞、ピクニックボックス、スパークリングワイン
定員:1日1組(1名~3名)
予約:公式サイトにて14日前までに予約
※7日前~100%のキャンセル料が必要となります
※天候により中止となる場合があります
※食材は仕入れ状況により変更になる場合があります
美しい星空を眺めて素敵な夜を過ごした後は、あっという間に心地よい眠りに誘われていきました。星のや竹富島での滞在は、後編に続きます。
住所:沖縄県八重山郡竹富町竹富
電話予約:0570-073-066(9:30〜18:00)
アクセス:石垣港離島ターミナルより、竹富港行きのフェリーに乗船ください
竹富港到着フェリーに合わせ、14時15分から専用車にて送迎があります
アクセスについての詳細はこちらでご確認ください。
HP:https://hoshinoya.com/
>>予約はこちらから
[Photos by Aya Yamaguchi]