【TABIZINE 現地特派員による寄稿】
ヒマラヤ杉の下で待ち合わせしよう。
やさしい時間が漂うカフェ「手紙舎」
調布には知る人ぞ知る素敵なカフェがあります。京王線のつつじヶ丘駅から徒歩10分少々。
昭和40年に建てられた団地の中にある公園の横に、ポツンと佇んでいるカフェ「手紙舎」。すぐ側に空高くそびえたつヒマラヤ杉が目印です。
中に入ると心地良い音楽が流れ、キッチン近くでは絵本を片手に幼い子供たちが母親に連れられ食事をしていた。席を囲むように並べられた本や食品は、どれも大切に選び抜かれた感じがする。
ご飯えらび。
私は「ごはんのプレート」を注文。今が旬の大根やゴボウ・・それに生姜も入ったスープが身体を温めてくれます。ストーブの上に乗せられたヤカンが時折、蒸気を上げて音を立てています。
食事のメニューは不定期ですが、数か月に一度変わるらしいです。直接、農家から仕入れたという野菜もやさしい気持ちにさせてくれます。
ちなみにこの場所から15分くらい歩いた柴崎駅の近くには「本とコーヒー tegamisha」が、その2階には雑貨と喫茶「手紙舎 2nd STORY」があります。
広いガラス張りのドアから公園で遊ぶ子供たちの姿が見えました。
時折、大きな笑い声も聞こえてきます。
デザートえらび。
午後3時。一番人気のシフォンケーキが売り切れのため、この日は冬場によく出るという「ショコラ」をチョイス。濃厚。
向いの女性が注文したのは「季節の果物の自家製シロップ」ソーダ割りでしょうか。黄色に、光の加減によってはオレンジ色に見えるグラスの中身は柚子レモンにちがいない。
午後3時をまわると、昼間の賑やかな躍動的な雰囲気から一気に静けさが増し、ゆっくりと時間が流れていきます。かすかに聞こえてくる音楽の音だけに耳を傾けている時間が心地良い。
常連のように見える30代くらいの女性が、席に着くなり「ホットチャイ」を注文しました。それから彼女は私と同じく大きな窓から見える外の世界をじっと眺めていました。
テーブルの角に座ったカップルはクリスマスを前に何を語るのでしょうか。小声で話す姿が微笑ましい。
優しい時間が漂う。
本に夢中になっていたら、いつの間にか外は少しずつ明るさを弱めていました。
室内は気づかないうちに、灯りがともされていました。
外の世界が明るさを消すごとに、室内の灯りが増す。
こんなにゆったりとした時間を過ごしたのは、「手紙舎」に漂う優しい時間のおかげかもしれません。
穏やかな気持ちのまま・・・今日は日が暮れる前に家に帰ろうと思います。
京王線のつつじヶ丘駅から徒歩10分
ゆったりとした時間を味わいたい方は、ぜひ「手紙舎」を訪れてみてください。
手紙舎本店 公式サイト「今日のお手紙」
http://tegamisha.com/shop#honten