大阪・北浜に本店を構える大人気洋菓子店「五感」。お米をはじめとする国産素材を取り入れた「日本人の心に響く洋菓子」づくりが支持されています。
北浜本館は、大正時代に建てられた歴史的建造物。かつての銀行の執務室を利用した2階のティーサロンでは、上質な空間でフレッシュなスイーツが楽しめます。
「日本人の心に響く洋菓子」を目指して
2003年、大阪に創業した大人気スイーツ店「五感」。日本の農業を生かすことを大切に考え、お米をはじめとする和素材を取り入れた「日本人の心に響く洋菓子」を目指しています。
ケーキやプリンなどの生菓子から、マドレーヌやバウムクーヘン、クッキーなどの焼き菓子まで、幅広いラインナップ。いずれも、こだわりの素材を使った手づくりの温もりあふれる味わいです。
大正レトロ香る「五感 北浜本館」
西洋風のレトロ建築が点在する大阪・北浜エリア。現在「五感 北浜本館」がある新井ビルは、1922年に建てられた歴史的建造物。登録有形文化財にも指定されており、かつては旧報徳銀行大阪支店として使われていました。
北浜の雰囲気や新井ビルの風格に惚れ込んだ社長自らが、ビルのオーナーに直談判。その想いが通じ、ここに「五感 北浜本館」がオープンする運びとなったのです。
重厚なエントランスをくぐって店内に入ると、そこは、店の厨房で作られる色とりどりのお菓子が並ぶ非日常空間。いつも、入れ代わり立ち代わりやって来るお客さんで賑わっています。
銀行の執務室だったティーサロン
「五感 北浜本館」の2階には、かつて銀行の執務室として使われていた部屋を利用したティーサロンがあります。コンセプトは「紳士淑女の寛ぎ」。
部屋ごとに表情の異なる小部屋がいくつもあり、大正時代の西洋建築ならではのレトロな空間で、優雅なひとときが楽しめます。
部屋に飾られている絵画や調度品にも注目。日本を代表する版画家・棟方志功のデザインが施されたガラス板もあります。これは銀行時代からあったものなのだそう。
看板商品は「お米の純生ルーロ」
五感の看板商品が、「お米の純生ルーロ」。新潟県胎内産コシヒカリ100パーセントの米粉生地で、カスタードクリームと国産の黒豆を包んだ和を感じるロールケーキです。
フワッとしていながら、お米からできているだけあってしっかりした弾力が楽しめます。中のクリームは甘さ控えめで上品な味わい。どこかなつかしい風味のカスタードクリームに心癒されます。
はじめは「ロールケーキに黒豆?」と思ってしまいましたが、この豆の食感がアクセントになり、ケーキ全体に見事なバランスが生まれています。
「お米の純生ルーロ」は、テイクアウトも可能ですが、ティーサロンでいただくと、季節のアイスクリームが付いてきます。このアイスクリームが予想以上においしいのです。
本物のフルーツを使った自家製のアイスクリームは、驚くほど香り高くフルーティー。アイスクリームショップではないにもかかわらず、期待を超える本格的な味わいに感動です。
レトロ感漂う優雅な空間で、国産素材を使ったスイーツが味わえる「五感 北浜本館」。和の食材の素晴らしさに改めて気付く体験が待っています。
[All Photos by Haruna Akamatsu]