チェンナイから南へ約60km、バスで約2時間の先には、まだ見ぬインドの姿があります。ベンガル湾を臨むマハーバリプラム(旧名ママラプラム)は、多くの日本人が抱くインドのイメージとは少し異なる遺跡の街です。4世紀から9世紀にかけて、時の支配者パッラヴァ朝のマーマッラ王とその後裔により残された彫刻や石窟寺院の数々は、今でもこの地を訪れる旅人を魅了しています。その摩訶不思議な世界を覗いてみましょう。
クリシュナのバターボール
ユネスコ世界遺産にも登録されている、クリシュナのバターボール。今にも転がり落ちていきそうな巨大な岩がピタリと止まっている様子は、まるで時が止まってしまったかのようです。
インドの神様クリシュナの好物からバターボールと名付けられたとか。今では、市民の憩いの場にもなっています ©Nickolay Stanev/Shutterstock.com
海岸寺院
海を一望するように建つ、マハーバリプラムのシンボル海岸寺院。外国人にも一般開放されているので、いつも見学する人で賑わっています。間近に見れば、そのしっかりとした造りに驚くこと間違いありません。
夕日を背にした姿も幻想的。海岸寺院は、時間帯によって様々な姿を見せてくれます ©Sae
アルジュナの苦行
世界最大のレリーフとも言われるアルジュナの苦行は、なんと幅27m、高さ9mの岩山に彫られています。彫られているのは、古代インドの神話的叙事詩「マハーバーラタ」の一場面であるアルジュナの苦行であるという説が有力です。目をこらせば、そこには猫や猿や神様が生き生きと表現されています。
バックパッカーが沈没する街
遺跡の街マハーバリプラムには、海辺を中心に多くのゲストハウスがあります。小さな街なので、チェンナイからの日帰り旅行をする人も多くいますが、街の魅力はそれだけではありません。こじんまりとした海へ続くストリートには、石屋さんがたくさん。オーナーに頼めば、ストーンカービング(石彫り)を学ぶこともできます。もちろん、安くて美味しいレストランもあるので、ゆっくりと南インドを満喫するにはもってこいの穴場なのです。
こんなに大きな象の石像にも、ひとつひとつ丁寧に模様が施されていきます ©Sae
マハーバリプラムには美味しいレストランが沢山。お気に入りを見つけましょう ©Sae
インドに来たら、ビリヤーニは外せません。バナナの葉でサーブするのが南インド流 ©Sae
人と牛で溢れかえる喧噪の国。そんなインドのイメージを壊してくれる、渋い街マハーバリプラム。徒歩でも主要スポットを回ることができますが、レンタルバイクを借りれば、暑い日中でも快適に旅をすることができるのでオススメです。
[Lonely Planet]
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