海外でスマホを使いたいとき、現地のSIMカードを使うのが最も経済的と言われています。日本より携帯電話料金の安い国であればなおさらです。しかし、単に現地でSIMカードを入れ替えるだけでは済まないので注意が必要です。どんな手続きが必要なのでしょうか?
SIMカードとは?海外でのスマホ利用事情
SIMカードとは、携帯電話に内蔵されている小さなICカードで、携帯番号を特定するIDが登録されているものです。携帯電話という機器の中に、SIMカードを入れることで、はじめて電話番号を持って通信できるようになります。
手持ちの携帯電話を日本の電話番号のまま海外で使うこともできますが、以前より安くなっているとはいえそれなりの金額がかかります。たとえば、事前申込みしてパケット定額で1日980円とか。ポケットWi-Fiをレンタルするのも、荷物が増えますし、それほど安くはありません。
筆者は昨年イギリスに滞在の際、日本のスマホを家と公共のWi-Fiで利用し、緊急用に現地のガラケーを使っていました。スマホがSIMロック解除に対応していない古い機種だったからです。日本よりWi-fiが使えるポイントは多いものの、待ち合わせのときはWi-Fiスポットに近い場所で集合するようにしていました。しかし、いつもそこの電波状況がいいわけではないし、不便を感じてたのが事実です。
今回は、スマホを買い替えて新しい機種に。後は現地でSIMを交換するだけだと思い込んでいたところ、SIMロック解除手続きをしなければいけないという事実を知りました。筆者の携帯会社はドコモなので、ドコモを例に話を進めていきますが、auもソフトバンクもほぼ同じ手続き内容のようです。
まずは携帯電話の機種をチェック
最初にするのは、携帯電話会社を購入した会社のホームページで、SIMロック解除の手続きのページにアクセスすることです。そこでは、手持ちの携帯にSIMロック解除機能がついているかどうかが確認できます。また、以下のような受付条件が表記されています。
2.契約者ご本人の購入履歴がある機種であること
3.購入日から100日経過した機種であること
4.既にドコモを解約済の方は、解約日から100日経過していないこと
(引用:ドコモホームページ)
この中で、筆者が目を疑ったのは、3でした。海外に行く直前に機種変更ができてよかったとホッとしていたのに、こんなトラップがあったとは!
購入日から100日経過していない場合の対処法
ただ、これには、例外がありました。以下を満たせば即時にSIMロック解除ができるというのです。
2.当該機種を一括払いでご購入、または分割払いでご購入され、その分割支払金/分割払金のご精算をされた場合
(いずれも端末購入サポートを利用されている場合は、端末購入サポートの解除料をお支払いいただくことが必要です。)
※4 回線契約期間中に受付したSIMロック解除が対象です。
(引用:ドコモホームページ)
この2つのなかで可能性があるのは2番のみ。筆者は24回の分割払いで購入していました。「月々サポート」という割引サービスを受けることになり、月々数千円のバックにより端末代が安くなってラッキーと思っていた矢先です。これはいわゆる端末購入サポートにあたるのでは?と考え、それが解除される上に、解除料を支払うなんてすごい損だとがっくり。
しかし、何か活路があるかもと思い、電話で問い合わせてみました。すると、この分割払いの端末の料金の残額を店舗で一括清算すれば、SIMロック解除ができるということでした。しかも、月々サポートは消えず、24回の支払いに渡って割引されていくとのこと。
携帯電話会社の文章はちょっと難しいので、思い違いをすることもあります。問い合わせてみるに限ると実感しました。
いざSIMロック解除手続きへ
SIMロック解除手続きの申込は、来店と電話と、会員サイトのMy docomoから行うことができます。電話とドコモショップから申込むと、解除手数料が税抜で3000円かかります(キッズケータイやらくらくホンを除く)。
一方、My docomoからの手続きは無料です。しかしここにもまたトラップがあります。SIMロック解除手続きのページが、PC用画面からしか表示されないのです。スマホのページには出てこないので要注意です。
SIMロック解除手続きに申込むと、ドコモからメールで連絡が来ます。そこには、SIMロック解除の手続きはこれで完了ではなく、まだやることがあると書いてあります。こういった確認メールが携帯会社から来るまで、数日かかることもあるそうです。
その後の作業は、iPhoneの場合2種類あります。
・iPhoneのバックアップ作成・消去・復元をする
ドコモショップのスタッフによると、これらの作業のどちらかを日本国内ですべきとのこと。海外では動作確認が取れていないのだそうです。そのため、出国前に余裕をもってSIMロック解除の申込みをしなければなりません。
また、SIMロック解除にあたり、データのバックアップをしっかり取ることと、アプリのパスワードなどを設定し直す場合があるので確認しておくことが必要です。
そのほかの方法 :セカンド携帯を持つ
今回紹介したような手続きが取れない場合、面倒な場合は、もともとロックされていないSIMフリーの携帯電話を海外用として購入するのも手です。
Amazonでは、1万円以下で売っている中国製のスマホもあります。レビューをみていると、重いけれどお値段以上のクオリティとあったりします。
いずれにしても、海外に行く前に、かなり余裕をもって準備するのが大切のようです。
参考
[NTT docomo]
[Apple]
[All Photos by shutterstock.com]
海外旅行準備の豆知識については、『【保存版】海外旅行前の要チェック項目!30日前から当日まで。これで大丈夫!』をぜひ一度ご参考に。