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「Smart Check-in」の導入
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成田空港がこの夏から順次導入スタートするのは、自動チェックイン機と自動手荷物預け機を利用したセルフサービス型の搭乗手続き「Smart Check-in」。自動手荷物預け機は、既に第1ターミナル北ウィングにおいて実証実験を行って、実際に運用が可能なのか検証を行ってきたのだそう。その結果、利用者の待ち時間短縮、チェックインカウンター周辺の混雑緩和などに大きな効果がもたらされるのではという結論に至ったと発表されました。第1ターミナル南ウィングを皮切りに、最終的には全ターミナルに合計72台を本格導入予定なのだとか。
国土交通省が2018年に発表した「世界最高水準の空港サービスの実現~FAST TRAVELの推進~」(PDFファイル)計画の中にも「成田空港は2020年までに、手続の各段階(手荷物預入、保安検査、搭乗手続等)における本人確認、パスポートや搭乗券などの確認を、一気通貫で顔認証により一元化する運用(One ID)を導入する」という記述があるので、これは国を挙げてのプロジェクトなのですね。
それもそのはず、日本は2020年には「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」というビッグイベントを控えています。大会後は、海外から観戦に訪れた観光客たちが一斉に空港に訪れるのではないでしょうか。その際に、効率的な出国システムが必要になるのは想像できますよね。
「Smart Check-in」で短縮される時間は?
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では、この「Smart Check-in」でどれくらい時間が短縮できるのでしょうか。成田空港の実証実験によると、「有人カウンターの対応と比較して、1.5倍程度のスピード」になるのだそう。従来の有人カウンターでスタッフによる手続きの所要時間が約2分のところ、この自動手荷物預け機なら約90秒で手続きが済むのです。大勢の利用者が押し寄せてくる時期に、この時間短縮は貴重なのではないでしょうか。
ちなみに他国のデータですが、カナダのハリファックススタンフィールド国際空港は、自動手荷物預け機を導入後に従来の処理能力が「毎時スーツケース600個」から「毎時2千個」にアップしたのだとか。1時間の処理能力が3倍以上になっていますね! 成田空港の処理速度も、人々が自動手荷物預け機に慣れていったら、もっと早くなるのではないでしょうか。
「Smart Check-in」ゾーン
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成田空港では、自動手荷物預け機の本格導入にによる「自動チェックイン機と自動手荷物預け機を集中的に配置するエリア」のこと「Smart Check-inゾーン」と呼ぶことになりました。今後は、案内表示のリニューアルも行い、空港利用者の動きをスムーズにしていくのだそう。
そして、「Smart Check-in」を利用できる航空会社を今後拡大していくプランもあるのだとか。これからは、自動手荷物預け機をはじめとした「セルフ搭乗」が当たり前の時代になるかもしれませんね。ますます旅がスマートで手軽なものになりそうです。
[成田空港の全てのターミナルで『Smart Check-in』が今夏より順次スタート!~自動手荷物預け機の本格導入により、ファストトラベルを推進~]
[Automated Self-Serve Bag Drop Saves Travelers Time & Increases Airline Efficiency Halifax Int’l]