万葉集の歌枕としても有名な「佐保川の桜並木」
ご近所の方が毎日のお散歩に歩く「佐保川」。桜が咲き始めると花見客と観光客も集まって、多くの人の心を春で包んでいます。南北に5km以上に及ぶ「佐保川の桜並木」。江戸時代末期、奈良の名奉行・川路聖謨(かわじとしあきら)が山林整備や東大寺周辺の植樹などの一環でこちらにも植樹させたと伝わっています。
桜並木の北側には、地元の方々に大切に守られている樹齢170年程のソメイヨシノ「川路桜」が数本残っています。ソメイヨシノに続き、シダレザクラも咲き揺れて私たちを楽しませてくれます。「近鉄新大宮駅」が最寄り駅ですが、「近鉄奈良駅」「JR奈良駅」からも散歩がてらに歩いて行けます。
佐保川沿いには所々に川縁があり、人々は石段に座って静かにお花見。とくに水が流れる場所は子どもたちに大人気!
のんびりお散歩する方だけでなく、本格的なカメラを手にもつカメラマンは急ぎ足でベストスポットを探していました。
風に吹かれ花が散ると花筏が現れて風流・・・。
近鉄新大宮駅北側の「大宮橋」から「大仏鉄道記念公園」近くのエリアまでは、ライトアップや灯篭流しなどの「桜まつり」も開催され、昼間では見られない幽玄な桜世界になるようです。
並木道の先にも続く桜の景色
上流側の並木の終わりには、大きな枝垂桜が咲く「大仏鉄道記念公園」があります。車道に挟まれているので、車に気をつけて観賞。人々は道を挟んで眺めたり、公園の中に入ったりと、小さな公園の雄大なシダレザクラに見とれています。
大仏鉄道記念公園から徒歩約17分の「鴻ノ池運動公園」にも桜が咲いています。お花見しながらの運動はきっと良い汗でしょうね。さらに、公園の中の小さめな公園では子どもは遊具遊びにかけっこに元気いっぱい、桜の下で大人は憩っていました。
公園の高台からは奈良の景色が見えて心地よく、姪と遊んだからこそ出会えた風景です。
地元感ある平和な南側
近鉄新大宮駅から南側に下るにつれ、人も少なく地元感がでてきます。
三笠中学校周辺にも川縁の広場があります。飛び石で向こう岸に渡れたり、大きな岩に登ったり、子どもには良いアスレチックです!大人は石段に腰掛けのんびり。絵に描いたような平和なひととき。
佐保川には橋が所々に架かっているので、あっちの桜こっちの桜と両岸を移動しやすいです。錆びた橋の欄干さえも画になりますね。
恋の窪周辺の佐保川沿いにも小さな公園があり、こちらも並木道の桜が見えて桜一色。
桜色に菜の花の黄色も映え、
タンポポの綿毛もふわふわと春を運び、
雨の日は水たまりに桜の絨毯が浮かび、趣があります。
4月に入ると新芽も生え、だんだん葉桜となり花は散り、夢のような春は終わりを告げます。
寄り道しながら佐保川の桜散歩
佐保川沿いには小さなカフェやパン屋さんも所々にあるので、奈良のおいしいお店を探す散歩を兼ねてもいいですね。
桜の開花前は涼しげな佐保川。その年の気候によりますが3月末~4月初旬頃のが見頃のよう。開花状況やイベントの情報は奈良市観光協会のサイトをご参考ください。
観光名所の桜にも劣らない風情ある桜並木。川の流れに沿って途切れることなく、どこから歩き始めても、桜が美しさを披露する。春が来るたび想い出す、1度は見てほしい万葉の春の川です。
住所: 奈良県奈良市芝辻町4丁目
交通:「近鉄新大宮駅」から徒歩約5分「近鉄奈良駅」徒歩約15分
佐保川桜まつり燈火会 https://narashikanko.or.jp/event/sahogawasakuramatsuritokae/
[All photos by kurisencho]