【実は日本が世界一】幅3m長さ21m!最大の水平電動シャッターはつくばエクスプレスの施設にあった

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Jul 19th, 2023

日本にいながら、意外と知らない日本の「世界一」。いつも何気なく目にしているものから、知られざる自然の世界、そして努力や技術の賜物まで、日本には世界に誇れる「世界No.1」がたくさんあるんです。そんな「実は日本が世界一」、今回は、鉄道車両の整備工場にある世界一を紹介します。

つくばエクスプレス
 


 

水平引きシャッターってなんだ?

シャッターのイメージ
突然ですが、皆さんの周りにあるシャッターを思い浮かべてください。

<金属製の巻き上げ式扉>(『精選版 日本国語大辞典』)

と辞書にも書いてあるように、巻き「上げ」式が基本ですから、垂直方向へ上下に移動する扉といった印象がありますよね。

しかし、世の中には、水平引きシャッターもあるようです。地面と水平方向に開閉するシャッターで、床や天井が開閉するようなイメージと言えばいいでしょうか。

「そんなのどこで使うの?」と筆者も思いましたが、例えば、鉄道車両の屋根を補修したり、部品を交換したりする工場で使われています。

工場に電車を収容し、車両の屋根に沿って、2階フロアの床を長方形に切れば、2階にいながら作業員が屋根を修繕できるようになります。作業のないときには、水平引きシャッターを閉めてしまえば、2階フロアの長方形の穴から作業員が、1階に落ちてしまうリスクも回避できます。

長さ約21mのシャッター

この水平引きシャッター業界において、ギネス世界記録に登録される世界最大のシャッターが茨城県にあります

具体的には、つくばエクスプレスを運営する首都圏新都市鉄道のつくばエクスプレス総合基地(TX総合基地)内にあるのです。

つくばエクスプレスの車両を補修し、部品などを交換する「車体更新場」に2017年(平成29年)、幅約3m、長さ約21m、面積にして69.29平方メートルの電動水平引きシャッターが設置されます。

上述のとおり、目的は2階で作業するスタッフの落下を防ぐためです。その巨大なシャッターを、首都圏新都市鉄道がギネス記録に申請し、2017年(平成29年)9月29日に認定され、現在も世界一の巨大さを誇っているのですね。

つくばエクスプレスは、東京の秋葉原と茨城県のつくば市を結ぶ鉄道です。その路線上では守谷駅近くに、TX総合基地があります。

TX総合基地では過去に、見学&撮影会ツアーを開催したケースもあったそう。鉄道業界はもちろん、世界最大のシャッターにも興味がある方は継続的に、リリース情報をチェックしてみるといいかもしれませんね。

[参考]
Largest horizontal roller shutter – Guinness World Records
つくばエクスプレス車両基地のシャッター、ギネス世界記録に – レスポンス
「世界一大きな水平引きシャッター」公開 – 毎日新聞
つくばエクスプレス「車体更新場」新設公開 10月2日稼働 巨大電動シャッターもギネス記録認定へ – 産経新聞
駅情報・路線図 – つくばエキスプレス
つくばエクスプレスTX総合基地見学&撮影会ツアー – 京成トラベル
TX「車体更新場」 巨大電動シャッターをギネス認定へ – SankeiNews

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

SHARE

  • Facebook