通年無料見学OK「グリコピア CHIBA」
1919年創業以来、お菓子や飲料、バランス栄養食にいたるまで製造している「江崎グリコ」。最寄り駅の東武野田線「愛宕駅」から車で約7分の地にあるアイス工場見学施設「グリコピア CHIBA」を訪問しました。自家用車で訪問する方が多いですが、筆者は駅前のタクシーを利用して出発しました。
施設に入ると、栄養菓子「グリコ」のロゴマークのゴールインマークがドーンとお出迎え。他にも、ポッキーやプリッツの巨大オブジェの撮影スポットもいっぱいで、テンションもアップします!
こちらでは、パキッと半分こできるアイスでお馴染みの「パピコ」や自動販売機アイス「セブンティーンアイス」(写真)などの製造ライン見学や試食ができる「入場無料の工場見学(完全予約制)」が大人気。1日に5回開催(1回約70分/1つの時間帯につき定員30名)され、空き状況はHP内の施設カレンダーで確認ができ、ネットと電話で予約できます。土日の予約は特に、開始後すぐに埋まるほど人気です。
他にも「アイス作りの体験(有料)」もできて、物販エリアも充実し、お菓子の博物館のような楽しさであふれています!
約70分の工場見学へGO
まずは1階のシアタールームへ。江崎グリコの歴史や、キャラメルの栄養菓子「グリコ」の誕生秘話、アイスの歴史と製造工程などについて映像を観て学んだら、いよいよおいしいツアーがスタートです!
「アイスクリームのエイジング(熟成)・充填・パッケージング」までを巡る約70分間のツアー。同行のスタッフさんが、「パピコ」や「セブンティーンアイス」の製造から出荷まで丁寧にお話してくれます。子どもも大人も興味津々!
「クリーンルーム」でエアシャワーを全身に浴びて、体についた塵や埃を払います。ゴォーッという予想外に豪快なエアーシャワーにドキドキ!
一面ガラス張りで、工場内ではリズムよく機械が動き、スタッフさんは鋭い眼光で商品をチェックしていました。
まず、アイスクリームのもと(アイスクリームミックス)を作ったら84度以上で18秒間かけて殺菌し、アイスの口当たりがなめらかになるように脂肪の粒を小さく整えて均質化。イラストでも説明があり分かりやすいです。
10トンもある巨大な「エージングタンク」でアイスクリームミックスを12〜24時間ねかせて、よりなめらかになるよう熟成。すばやく冷やして空気をふくませると、ソフトクリームのようにフワフワの状態に! 1つのタンクから「パピコ」72,500袋分ができあがるそう!
いつまでも眺めていたくなった「充填」コーナー。1分間に約400本という早さで「パピコ」の容器にアイスクリームを入れていき、モニター越しにその様子を見学できます。働くロボットをカメラでズームして見学ができる「ロボットウォッチ」(手前の機械)を操作したら、自分の見たいところを追えるのでちょっとパイロット気分。
その後、アイスは52メートルもの高さのある螺旋階段のような冷凍トンネルの中で、-3℃から-10℃にまで温度を下げて35分かけて均等に冷やされていきます。-10℃まで温度が下がるアイスの急速冷凍の様子を再現した「冷凍庫内」も徒歩で通過! アトラクションのようなひんやり体験!
製造工程も最終段階へ。「パピコ」は、1分間に133袋(1回手叩く瞬間に4袋)の早さで包装され、異物混入・重さの検査をして箱詰めし、各所へ旅立っていくのです。
最後の「保管・出荷」コーナーで「パピコ」の試食をしてツアーは終了。「チョココーヒー・ホワイトサワー・大人のショコラ」の3種から1本を選べます。長い工程を経て出荷されるアイスたち。つい、心の中で「行ってらっしゃい…」と呟いてしまいます。
氷の粒子が細かくて、なめらかで、口当たりには本当に驚きました! ロングセラーのアイスも、日々おいしさが追求されていることを実感。
貴重な歴史に触れる展示物
帰る前には、1階の広々としたワンフロアをゆっくり見学。創業当時の歴史や歴代のお菓子のパッケージなどを一部展示し、お菓子やアイスもてんこ盛りに販売しています。
大正時代に誕生した看板商品のキャラメル「グリコ」。カキの煮汁から採取したグリコーゲンをキャラメルの中に入れた栄養菓子が誕生の始まりで、角のない口あたりのよさと、人々の健康を想う気持ちをハート型で表現。当時の技術では成型が難しかったため、自社で「ハート型ローラー」(1931年〜1942年頃)を開発したのだそう!
時代に合わせて、ロゴマークのゴールインマークもパッケージも変化してきました。感慨深い…。
栄養菓子と心の健やかな発育に役立つとして、1927年からおもちゃもセットで登場。初代のものは今見ても可愛らしい。
2022年に「グリコ」発売100周年を記念し、建築家の隈研吾氏ら日本を代表するクリエイター10名がデザインし、世界的なフィギュアメーカーの海洋堂が造形製作を担当した数量限定特別版「クリエイターズグリコ」も展示されています。
新作・限定もいろいろ!
お菓子、アイス、飲み物など、新商品から限定商品まで種類豊富に販売していて「こんなお菓子があったんだ!」と発見の連続!
「プリッツ日本の味めぐり」も3年ぶりに復活。全国のご当地プリッツのミニサイズセットで旅行気分にもなれて、ユニークでお土産にもぴったり。
「パピコ」の見学をしたばかりなので、全種類制覇したくなりました!
おまけ・3日間限定夏休み自由研究ツアー
ちなみに、施設の初の試みとして、2023年8月21日(月)~2023年8月23日(水)までの3日間限定で、小学生を対象とした「アイスを科学するツアー〜不思議な氷のヒミツ〜」も開催されました(終了)。通常の工場見学に加え、自由研究プログラム「アイスの科学」を追加した約90分間の特別ツアーで、オリジナルの「自由研究ノート」付き。参考に、こちらにも少し触れておきます。
子どもたちは用意されたバンダナを頭に巻いて、ノートとチェキを携えて、「パピコ」のなめらか食感についての謎や、塩や砂糖を加えることでなぜ氷が冷たくなるのかを実験しながら学んでいました。
製氷機でそのまま凍らせたパピコ(左)と、氷に塩を入れたボウルで混ぜながら冷やし固めた手作りパピコ(右)を食べ比べ。左は明らかに氷のシャリシャリ感があるのに対し、右はスゥっと溶けるなめらかさがあり、その差は歴然。昔より今の「パピコ」は氷の結晶が小さくなっているのだそう。しばらく食べていないという方には、近所で購入して試してほしいものです!
デジタルで何でも知ることができる時代ですが、やはりその場で実際に見聞きし、協力して得た知識と体験は心身のいい栄養になるんだろうと、子どもたちの真剣な眼差しを見て感じました。今回の自由研究特別ツアーは今回で一旦終了ですが、長期休暇ごとに開催してほしい!
今後の展開予定
3日間限定の初企画「アイスを科学するツアー〜不思議な氷のヒミツ〜」は今後の予定は未定ですが、通常の工場見学は通年開催されています。大人も子ども時代に戻って、1年中自由研究のようなおいしい楽しさがあり、改めてハート型の原点の味「グリコ」をほおばってノスタルジーに浸りたくなりました。
住所:千葉県野田市蕃昌新田字溜台10番地
TEL:04-7127-3355
営業時間:9:30~16:00(完全予約制)
*グリコキッチンは有料(2人分1,500円)
見学開始時間:9:30、10:30、12:30、13:30、14:30
所要時間:約70分
工場体験料金:無料
定休日:金曜・お盆・年末年始・工場メンテナンス日
*スケジュールは公式サイトにてご確認ください。
交通:東武野田線「愛宕駅」から車で約7分、徒歩約30分
公式サイト:https://www.glico.com/jp/enjoy/experience/glicopia/chiba/
[all photos by kurisencho]