江の島誕生の物語を伝える「光の絵巻」が圧巻
「江の島灯籠2024」が開催中
2024年7月20日~8月31日に開催されている「江の島灯籠2024」。
江島神社(瑞心門・辺津宮・中津宮・奥津宮)、江の島サムエル・コッキング苑、江の島シーキャンドル、御岩屋道通り、江の島岩屋を主な会場とし、1,000基の灯籠や光のインスタレーションが展開されます。
江島神社の入り口から華やかにライトアップ!「端心門」
江の島大橋から一直線で繋がる、弁財天仲見世通りを通って江の島灯籠の舞台、江島神社の境内へ。
まず出迎えてくれるのは、天女が降臨して島ができたという江の島誕生の伝承「江の島縁起」をモチーフにしたインスタレーション「光の絵巻」。
江島神社の玄関口である「瑞心門」から「辺津宮」までを舞台に、1400年以上前の欽明天皇の時代(552年)に遡る物語が幕を開けます。
「朱の鳥居」と、階段の上に続く竜宮城を模した「瑞心門」がライトアップされ、非常に華やか!
映し出される光は天女や龍、波や魚の模様など、色や形を変えながら鮮やかに展開。鎌倉の地で悪さをしていた五頭龍が天女(弁財天)に恋をし改心して夫婦となり、この地と人々を守った、という江の島縁起にちなんでいます。
石段・鳥居・門・周囲の木々と何層にも重なる光に、和を感じられる幻想的な音楽も加わり、圧巻の空間演出でした。
まるで海中のような「辺津宮」
キラキラと細かな光が躍る石段を登って、天女(弁財天)の祀られる「辺津宮」へ。
こちらは青や紫を中心として、まるで海の中にいるかのようなライトアップ。石畳に映る波間の揺らめきが幻想的です。
天女と五頭龍の夫婦のエピソードだけでなく、2つの根がついたイチョウ「結びの樹」や、恋愛成就の「むすび絵馬」など、縁結びにゆかりの深い辺津宮。ライトアップも、恋愛成就を願ったものになっているそうです。
1,000基の灯籠が照らす島内を巡る
インスタレーション「光の絵巻」は辺津宮までですが、江の島灯籠2024では「中津宮」や「奥津宮」をはじめ、島内のいたるところが幻想的な明かりによって照らされて、この時期だけの表情を見せていますよ!
朱色が鮮やかな「中津宮」から伸びる一直線の参道は、両脇に並んだ灯籠が壮観です。
「奥津宮」周辺にも灯籠が灯るほか、龍神を祀る「龍宮(わだつみのみや)」は迫力のあるライトアップとなっていました。
アップダウンの激しい江の島で嬉しいエスカレーター「江の島エスカー」の1区では、江島縁起に由来する映像作品が上映。
エスカーの中は、夏季には冷房が効いていてさらに快適! 移動中もイベントを楽しむことができますよ(全区間大人:360円/小人:180円)。
「江の島サムエル・コッキング苑」「シーキャンドル」もライトアップ!
「夜灯りの夢庭」
江の島の貿易商サムエル・コッキング氏が1882(明治15)年から造成した和洋折衷の庭園跡「江の島サムエル・コッキング苑」。南洋や四季の草花をはじめ、園内にある展望灯台「江の島シーキャンドル」からの展望も楽しめる、江の島の見どころの1つです。
こちらも江の島灯籠の期間中は、「夜灯りの夢庭」として、ライトアップが行われています! 入場は有料(夜間入場料:大人500円/子人:250円)ですが、ぜひ訪れたいスポットです。
苑内入口には、無数の光が宙に浮かぶような美麗なオブジェが出迎え。江島神社の社紋である「向い波の中の三つの鱗」があしらわれた灯籠は、和風の意匠ながらも多角形でアート作品のよう。
その近くには、江の島縁起の物語を伝える、どこか懐かしい影絵が描かれた照明がありました。
また、かつて植物園だったレンガの遺構が残る一角には、障子越しにシルエットの写真が撮れるフォトスポットも! ここでしか撮れない1枚は、夏の思い出になりそうです。
夜空を照らす幻想的な光景
シーキャンドルへ至る道は、まさに幻想的な光景! 灯籠が足元を照らし、苑内の木々や風になびくカラフルな薄布が、柔らかに光を反射します。
苑内の灯籠は、“廻り灯籠”と呼ばれる、中の絵柄が回転して、周囲に漏れる光の模様も変化するもの。優しい灯りに包まれて、時間を忘れて写真を撮ってしまいます。
シーキャンドルのライトアップは、夜空を背景に映えてとってもフォトジェニック! 足元の丸い灯りも可愛らしいです。
シーキャンドルの下に位置するステージでは、8月24日・25日の18:00から「影絵の夜」として、ライブや影絵のイベントも開催とのこと。また、浴衣または甚平を着てサムエル・コッキング苑を訪れた際には、オリジナル手ぬぐいももらえるそうですよ。
夜だけじゃない!絶景の夕日も要チェック
江の島信仰発祥の地「江の島岩屋」
夜が舞台の江の島灯籠ですが、明るい時間や夕暮れどきも、見逃せない魅力がたくさん。
江の島の最奥部にある「江の島岩屋」でもライトアップが行われているのですが、こちらの入場は18:00まで。夏の日没は19時前後ですから、その前にこちらに寄るのがおすすめです(入場料:大人(中学生以上):500円/小人(小学生):200円)。
古くは弘法大師や日蓮上人も修行したと伝わり、江の島信仰発祥の地として崇められてきた江の島岩屋。その暗闇を灯籠が美しく照らします。
龍神信仰にも縁が深い江の島にちなみ、最奥部には龍の彫像もありました。
2つに分かれた岩屋をすべて巡ると、所要時間は30分ほどです。
海に沈む夕日は絶景!
岩屋の周囲に広がるのは、「かながわの景勝50選」に選ばれる「稚児ヶ淵」。波が寄せては砕ける岩場から、海に溶け込む夕焼けを眺めることができます。
また、江の島シーキャンドルの上部・海抜100m以上の展望フロアからは、湘南の海岸から富士山、天気がよければ伊豆半島まで広がる絶景が見渡すことができますよ(料金:大人:500円/小人:250円)。
筆者訪問時は少々の曇りでしたが、屋外展望台に吹く風は涼しく、ちょうど富士山のあたりに沈む夕日はトワイライトタイムならではの楽しみでした。
ちなみに、苑内のシーキャンドルの近くには数十年に1度しか開花しないという“幻の花”リュウゼツランが咲いていました! (おそらく)2024年限りの激レアですので、明るいうちに江の島に来られた方は一見の価値ありですよ。
また、島内では夜になると営業を終了してしまうお店も多いので、お土産屋やお食事処、カフェなどを利用する際も、夕方までに巡るのがおすすめです。
「江の島灯籠2024」で夏の思い出を
気になるのは、夏の観光シーズンを迎えた湘南の混雑具合。筆者が江の島に到着した夕方頃は、やはり弁財天仲見世通りはなかなかの人の数。ただ日没後は少し落ち着き、ライトアップを楽しんだり、写真を撮影したりするのに支障はありませんでしたよ!
江の島のどこを巡っても美しく、光に溢れる美しい光景が広がっていた「江の島灯籠2024」。
開催期間は8月31日まで! 夜空の下で江の島を彩る幻想的な灯りは、夏の思い出になること間違いなしです。
会場:神奈川県藤沢市江の島
期間:2024年7月20日~8月31日
点灯スケジュール:18:00~20:30 まで点灯(荒天中止)
※土日祝および8/10~8/18:18:00~21:00(最終入場20:30)
電話番号:江ノ島電鉄株式会社:0466-25-3525(平日9:00~17:00)/藤沢市観光センター:0466-22-4141(8:30~17:00)
公式サイト:https://enoshima-seacandle.com/event/enoshimatourou/
施設営業時間
・江の島サムエル・コッキング苑:9:00~20:30 まで営業(荒天中止)
※土日祝および8/10(土)~8/18(日)9:00~21:00(最終入場20:30)
・江の島シーキャンドル:9:00~20:30 まで営業(荒天中止)
※土日祝および8/10(土)~8/18(日)9:00~21:00(最終入場20:30)
・江の島岩屋:9:00~18:00(最終入場)
料金
・江の島サムエル・コッキング苑:昼間無料
夜間イベント開催時17時以降出場:大人:500円/小人:250円
・江の島シーキャンドル:大人:500円/小人:250円
・江の島岩屋:大人(中学生以上):500 円/小人(小学生):200円
[Photos by ぶんめい]
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