【世界の謎】AIでも不可能!?地球に残る未解読文字5選│「ヴォイニッチ手稿」「ロンゴロンゴ」などに隠された秘密とは?

Posted by: あやみ

掲載日: Oct 16th, 2024

世界には完全に解読できない「未解読文字」がいくつもあります。言語は解読されているものの文字が未解読だったり、言語も文字も未解読だったりするのです。1912年にイタリアで再発見された「ヴォイニッチ手稿」も、そのひとつ。今回は、完全に解読できない古代文字や文章を5つご紹介します。

未解読文字 トップ画像

解読不能! 6つの項目からなると考えられている「ヴォイニッチ手稿」

ヴォイニッチ手稿

中世に書かれた「ヴォイニッチ手稿」は、“世界で最も不可解な書物”と呼ばれるほど謎に包まれた手稿です。1912年に、米国の古書商ヴォイニッチによって、ローマ近郊にあるイエズス会系大学の図書館で再発見されました。

現在残っているページ数は246。そこに暗号化された文字が書かれているとされています。また植物、惑星のほか、城やドラゴンなどのイラストも描かれており、「草本」「天文」「生物学」「宇宙」「薬学」「処方」の6つの項目が関係していると、研究者は考えているとのこと。

残念ながら、「ヴォイニッチ手稿」は現在のAI技術を用いても解読不能。決め手となる暗号体系は、いまだ見つかっていません。

讃美歌や呪文が刻まれているという説がある「ファイストスの円盤」

ファイストスの円盤

ギリシャ・クレタ島のイラクリオン考古学博物館に収蔵されている「ファイストスの円盤」は、粘土でつくられた謎多き円盤です。1908年7月3日に、イタリア人の考古学者ルイジ・ペルニエルによって、ファイストス宮殿の遺跡から発見されました。

この円盤の両面には、人や鳥、植物、船など全部で242の象形文字が刻まれています。文字は45種類で構成され、61の区画に分かれていることは判明しています。しかし、同じような文字が描かれた工芸品などは見つかっておらず、不明な点が多いため、内容は明らかになっていません。

なお、ファイストスの円盤は紀元前2700年から1450年ごろに栄えたミノア文明のものとされています。同文明は突然終焉を迎え、宮殿などが破壊されており、この理由についても明らかになっていません。

文字の意味の解読は進んでいるが、発音がほとんどわかっていない「マヤ象形文字」

マヤ象形文字

「マヤ象形文字」は3世紀頃、中央アメリカのマヤ族によって発明された文字です。神殿の壁面、石碑、祭壇、絵文書などに記されており、約850の象形文字があるとされています。

スペインの征服以来、解読が進められ、現在約70%の文字の意味は解読済みとされていますが、文字の発音についてはほとんどわかっていません。

ちなみに文字は上から下へ、左から右へ2列が対になって読まれるそうです。

モアイ以外にも謎があった! イースター島で発見された「ロンゴロンゴ」

ロンゴロンゴ

©️Robert Szymanski / Shutterstock.com

「ロンゴロンゴ」は、モアイ像で有名なイースター島で発見された木板や石に刻まれた文字です。1864年にフランス人修道士によって発見されました。この文字が刻まれた現存する木板は20点ほどで、世界中の博物館に散在。

文字は人や動物、植物などを表していると考えられていますが、ヨーロッパの書記体系や図形的、構造的に類似点がなく、独自に開発された言語である可能性があります。

その一方でロンゴロンゴは文字ではなく、踊りの振り付けや系図、農業といった知識を記憶するための記号という説も!

どの言語にも似ていない独特の書記体系で解読が難しい「シンガポール・ストーン」

シンガポール国立博物館に展示されている「シンガポール・ストーン」は、1819年にシンガポール川の河口で発見されました。石板が作られたのは10~13世紀と考えられています。

この石板は、かつて3m×3mの大きさで、約50行の文章が刻まれた石板でした。1843年にイギリス軍が砦を建築するために、この石板を爆破。そして、スコットランド軍将校のジェームズ・ロー中佐により3つの破片がカルカッタにある王立アジア協会の博物館に送られました。

1918年、シンガポールのラッフルズ博物館はカルカッタに破片の返還を要請。ひとつの破片のみ返還されたのです。

しかし、独特の書記体系で、どの言語とも似ておらず、解読に至っていません。

とはいえ、この石板を爆破する前に、政治家のウィリアム・ブランドと言語学者のジェームズ・プリンセップによって石板の文字が模写されていました。文字の解読はテキストが多ければ多いほど良く、比較、頻度分析、パターン認識に役立つとか。

現在、西安交通リバプール大学の研究チームが人工知能プログラム「Read-y Grammarian」を開発中です。このAIの開発により、シンガポール・ストーンの文字が解読されるのでしょうか。少し期待しながら結果を待ちたいですね。

そのほかの解読できていない古代文字

  • 線文字A
  • ギリシャのクレタ島で発見された粘土板や印章などに記された文字

  • ワディ・エル・ホル刻文
  • 紀元前30世紀ごろのエラム地方(現在のイラン)の古代文字で未解読

  • インダス文字
  • インダス文明で使用された文字で、現在約400の文字が発見されているものの解読が難しい

上記以外にも、まだ完全に解読できない文字は複数存在します。近い将来、AI技術の発展などにより、どれかひとつでも解読される日が来るのでしょうか。もしかしたらこれらの文字を残した人々は、遠い未来に解読ができるAIを想定したのかもしれません。

[参考]
ナショナルジオグラフィック|全く未解読の写本「ボイニッチ手稿」 AIが謎に挑戦
ナショナルジオグラフィック|ファイストス、イースター島、マヤ 謎の古代文字3選
日経サイエンス|ヴォイニッチ手稿の謎
nature italy|Reading between the lines on an ancient island script
The Singapore Stone’s carvings have been undeciphered for centuries – now we’re trying to crack the puzzle

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

あやみ

Ayami ライター

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

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