豪華絢爛な国宝の本殿も! 天満宮・天神社の総本山「北野天満宮」(京都府京都市)
菅原道真(以下「菅公」という)を祀る最初の天満宮であり、日本全国に約1万2,000社ある天満宮・天神社の総本山です。古来「北野の天神さま」として親しまれています。
北野天満宮は、947年に創立。神様のお告げにより平安京の天門(北西)にあたる北野の地に菅公を祀ったのがはじまりとされています。
北野天満宮の一番の見どころは、豪華絢爛な桃山建築を代表する国宝の本殿。石の間、楽の間を連結した日本最古の八棟造(権現造)です。唐破風や黄金色の装飾、精緻な彫刻には目を見張るものがあります。
また、全国屈指の景勝地としても知られ、春には梅苑「花の庭」、秋にはもみじ苑を公開。境内には梅が約1,500本あり、例年2月から3月にかけて見頃を迎えます。菅公が梅を愛していたことから、北野天満宮は「梅の名所」としても有名なのです。
境内に点在する「牛像」にも注目を! 菅公が丑年に生まれ、墓所を決めたのが牛だったなど、牛にまつわる伝説が数多く残っているため、牛は「天神さんのお使い」とされているのです。牛像は通称「なで牛」と呼ばれ、頭をなでると学業成就などのご利益があるといわれています。
住所:京都市上京区馬喰町
電話:075-461-0005
参拝時間:7:00~17:00 ※時期によって変動
交通アクセス:JR「京都駅」から市バス50・101系統に乗車「北野天満宮前」下車すぐ
公式サイト:https://kitanotenmangu.or.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/kitano_tenmangu/?hl=ja
公式X:https://x.com/kitano_bunka
菅公の墓所の上に社殿が造営されたという「太宰府天満宮」(福岡県太宰府市)
「太宰府天満宮」は、天満宮の総本宮と称えられる、九州最大級の規模を誇る神社です。墓所として唯一無二の聖地「菅聖庿(かんせいびょう)」とされています。
菅公が亡くなったあと、大宰府の地に葬られることになり、牛車に奉戴(ほうたい)し東北の方角へ葬列を進めていたところ、にわかに牛が臥して動かなくなったそうです。これは菅公の思し召しに違いないと思った門弟である味酒安行(うまさけ やすゆき)は、その地に埋葬。919年、その上に社殿が造営されたといわれています。
その後、大宰府の役人として赴任した貴族たちによって建物や土地が寄進され、大寺院に発展。戦国時代には戦乱に巻き込まれ、一時的に荒廃しましたが、安土桃山時代から江戸時代にかけて復興を遂げました。
太宰府天満の見どころは、国の重要文化財に指定されている本殿(2024年11月現在は改修中)。現在の本殿は1591年に筑前国主の小早川隆景(こばやかわ たかかげ)によって造営されたものです。正面に6本の柱を用いた五間社流造で、檜皮葺の屋根、唐破風造りの向拝、細部まで施された彫刻が目を引きます。
また、慕い京より一夜にして梅が飛んできたという飛梅伝説をもとに、藤本壮介氏によって設計された「仮殿」も必見! この仮殿は、本殿の大改修が終わるまでの3年限定の建物です。そのため、式年大祭がある2027年までしか見ることができません。
楕円形の屋根に森がのっているようなデザインが特徴的で、屋根の曲面がそのまま、仮殿内部の天井の曲面になっているそうです。
さらに境内には飛梅伝説の「飛梅」も。色玉垣という極早咲の八重の品種で、毎年境内の梅に先駆けて開花するといいます。
そのほか、九州最古の「お稲荷さん」や「絵馬堂」、お菓子の神様である田道間守命(たじまもりのみこと)を祀る「中島神社」など気になる見どころが盛りだくさんです。
住所:福岡県太宰府市宰府4-7-1
電話:092-922-8225
開門時間:6:30〜19:00(季節・施設により異なります)
交通アクセス:西鉄「太宰府駅」から徒歩約5分
公式サイト:https://www.dazaifutenmangu.or.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/dazaifutenmangu.official/
公式X:https://x.com/dazaifutenmangu
菅公がここに居を置きたいと願ったという言い伝えが残る「防府天満宮」(山口県防府市)
「防府天満宮」は、904年に創建された菅公を祀る神社です。菅公は大宰府へ向かう途中、周防国(すおうのくに)の国府の置かれた現在の防府市の勝間浦(かつまのうら)に寄港した際、「この地は都から離れていない、できればここに居を置きたい」と願ったそうです。しかし、その願いは叶わず、大宰府で薨去されました。
薨去されたその日、勝間浦の港にはるか西の空から五色の光が射し、天神山の空には紫色の雲が現れるという不思議な現象が起こったとか。そのため、国司や里人たちはこれを菅公の魂が光となり、紫色の雲となって帰ってきたのだと悟り、酒垂山に祠を建立。これが防府天満宮のはじまりとされています。
これにより、防府天満宮は日本で最初に創建された天神さまと称しているのです。
見どころは威厳ある佇まいの本殿。銅板茸入母屋造りで、平安時代の優麗繊細な様式であるものの、彩色や彫刻などの装飾を避け、豪華な重層楼門との対象美を鑑賞できます。
また、山口県最古といわれる山陽道に面して建つ高さ6m近い大鳥居も要チェックです。1629年に萩藩初代藩主である毛利秀就により寄進されたといわれています。長い石畳の表参道は、両側には大きな灯籠が並び、荘厳な雰囲気です。
1873年に完成した「春風楼」からの景色も見逃せません。眼下に防府の町並みを望むことができます。
古来、子供の夜泣き封じにご神徳があるとされる「須賀社」、子孫繁栄・夫婦和合・五穀豊穣のご神徳あるといわれる「老松社・若松社」、御食い初めの際に使う石で、歯固めの儀を行う「歯固めの石奉納所」といった子どもにまつわる社も点在していますので、気になる方はぜひ参拝してくださいね。
住所:山口県防府市松崎町14-1
電話:0835-23-7700
開門時間:6:00〜20:00
交通アクセス:JR山陽本線「防府駅」から徒歩約15分
公式サイト:https://www.hofutenmangu.com/
公式Instagram:https://www.instagram.com/hofutenmangu_official/
公式X:https://x.com/hofutenmangu904
今回ご紹介した3つの天満宮は、中学・高校・大学の受験生はもちろん、国家試験などを受験予定の方もぜひ訪れたいスポットだといえますね。
[参考]
そうだ 京都、行こう。
ふらっと太宰府 歴史探訪の旅
クロスロードふくおか|福岡県観光WEB
たびたびほうふ|防府市観光情報ポータル
防府市
[Photos by Shutterstock.com]