ロードス島
古代ギリシャで最も背が高い像とされていた「ロードス島の巨像」
ロードス島の巨像は、紀元前280年ごろにギリシャのロードス島に建てられた巨大な銅像で、30m以上の高さだったとされています。このため、古代ギリシャで最も背の高い像とされました。
この像は、島の別の都市であるリンドスに住む彫刻家のカレスが、デメトリオス1世ポリオルケテスによるロドス島の1年間にわたる島の包囲戦の後、勝利を記念して制作。像は青銅の板で覆われており、内部は鉄骨と石で補強されていました。建設には12年もの歳月がかかったそうです。
ロードス島の巨像が崩壊するまでの道のり
戦争の戦利品として得られた武器や資材を売却し、その収益を元に建造された「ロードス島の巨像」ですが、約56年後に起こった大地震により倒壊。巨像の残骸は永らく放置されていましたが、654年(紀元後)のアラブ人の侵略により残骸は解体、金属部分は売却されました。破片の総量はラクダ900頭分以上あったとのだとか。
ロードス島の巨像はニューヨークの自由の女神に似ている?
フランスの彫刻家フレデリック・オーギュスト・バルトルディは、自由の女神像の制作をする際に、ロードス島の巨像にインスピレーションを得たといわれているのです。
記録によると、巨像はニューヨークの自由の女神像と同様に、光線を放つ太陽の冠をかぶっており、片手を空に上げていました。また、いずれの像も海路で街を訪れる際、訪問者を歓迎する役割を担っていたそうです。
しかし、2つの像の大きな違いは寿命。自由の女神が130年以上にわたりニューヨーク湾を見守っている一方、ロードス島の巨像はわずか半世紀ほどしか立ち続けることができませんでした。
実際に見てみたい! 世界のユニークな巨像3選
ここからは、世界のユニークな巨像3選をご紹介します。ロードス島の巨像の姿は、記録や伝説からしかイメージできませんが、これらは実際に見に行くことが可能です。
世界一の高さを誇る「統一の像」(インド)
インドのグジャラート州に位置する「統一の像(Statue of Unity)」は、高さ182m(基壇を含めると240m)を誇る世界で最も高い像です。この像は、インドの独立運動の指導者であり、初代副首相でもあったサルダール・ヴァッラブバーイー・パテールを記念して建設されました。
この像の足部分と人の大きさを比べると、その巨大さに圧倒されますね!
金色に輝く! 存在感抜群の「レイチュンセッチャー大仏」(ミャンマー)
ミャンマーのモンユワ近郊に立つ「レイチュンセッチャー大仏(Laykyun Sekkya Buddha)」は、高さ116m、基壇を含めると129mに達する仏像です。
金色に輝く立像で目を引きます。内部は階層構造になっており、仏教の教えを描いた壁画や展示。その規模と美しさで訪問者を魅了しています。
世界最大120mの青銅製大仏「牛久大仏」(茨城県)
日本の大きな像といえば、茨城県にある「牛久大仏」。120m(台座を含む)の高さを誇り、「青銅製仏像」としては世界一高いと、ギネスブックに登録されています。
この像は、阿弥陀如来を表し、浄土宗東本願寺派が1993年に建立。内部には5層の空間があり、仏教の歴史や教えを学べる展示や展望台も。また、像の足元には四季折々の花が咲く庭園があり、四季折々の自然を楽しめます。
[参考]
Britannica
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