高台に建立する「堀出神社」と「ほしいも神社」
明治時代から干し芋作りが始まり、いまでは「干し芋の生産量日本一」としても知られる茨城県ひたちなか市。いま話題のスポットが登場しています。その名も「ほしいも神社」!
ひたちなか海浜鉄道湊線の終着駅・阿字ヶ浦駅の改札を出てすぐ、太平洋を望む高台に位置しているので眺めも最高の神社です!
2019年(令和元年)に建立した「ほしいも神社」は、元々この土地を守ってきた「堀出神社」の境内に建立しています。立派な木々に囲まれた穏やかな雰囲気で不思議と心が落ち着きます。
境内はペット同伴OKで、駐車場・駐輪場を設置しているためバイク・自転車・車でも参拝可能。地域の大学生のクリスマスイベントにも協力するなど、すべての人を隔たりなく迎える神社です。
まずは「堀出神社」に参拝を
まずは、ほしいも神社の参拝の前に「堀出神社」にご挨拶を。
1663年(寛文3年)創建、徳川光圀公によって掘り起こされた神鏡が御神体として祀られている歴史ある神社です。社名は「掘って出た」ことに由来し、御祭神は源氏の氏神である「誉田天皇(ほむたのすめらみこと)」、「学問の神様、厄除け」の八幡様として信仰されています。
新宮「ほしいも神社」
海側の開けた場所に建立された「ほしいも神社」。「干し芋」と「欲しいもの」をかけ、「(参拝者の)『ほしいもの』がすべて手に入りますように」という思いと、「干し芋を通して生産者や町が受けた恩恵や、今後も末永く干し芋作りが続くように」という願いが込められた新しい神社です。
“歩くパワースポット”と呼ばれる湘南乃風のSHOCK EYEさんなど数々の有名人が参拝し、国内外のメディアでも紹介されて話題を呼んでいます。社務所に飾られているサインや写真も見どころです!
ほしいも神社でまず目を引くのは、何と言っても金色の鳥居とバイク! 早朝には鳥居の向こう側から太陽が昇ることから、陽光によって鳥居が一層パワフルに輝くそうです。
鳥居の先には、干し芋の創始者・小池吉兵衛など5名を干し芋の神様としてお祀りし、「縁結び・夫婦円満・子孫繁栄・長寿」など御利益のある御神木が鎮座。境内は至る所がキラキラ。海からの爽やかな風も相まって気持ちがパーッと明るくなります!
ちなみに「写真撮ろうか?どこから来たの?」と参拝者に気軽に声をかけているのは宮司の宮本さん。最近は参拝者が増えたことで毎日神社にいらっしゃるそう。宮本さん自身もパワースポットのように、交流された皆さんが笑顔になっている様子も印象的でした。
金色のフォトスポットだらけ!
神社のコンセプトやデザインは、NHK教育テレビ『デザインあ』の総合指導を務めたデザイナーの佐藤卓さんが手掛けています。境内は金色のフォトスポットだらけ!
2025年4月現在、奉納された鳥居は60本を目前に、今も増え続けているそう。鳥居は毎日夜中0時までライトアップもされています。
宮本さんの愛車「ほしいも号」には、参拝記念に乗って写真撮影もOK!
海側にも鳥居とオブジェがあります。朝から夜まで刻々と変化する海と空の表情が参拝者を魅了しています。
鳥居の奥には「日本一小さないも畑」も。訪れた2024年春には、青くて可愛らしいネモフィラが咲き誇っていましたが、6月からはサツマイモの苗が植えられます。
こちらは奉納された金色のチェーンソーアートとジェットスキー。ジェットスキーには、先ほどのバイクのように乗って撮影OK!
サツマイモの葉っぱ形をしたハートのオブジェ、清らかな音を響かせる平和の鐘などなど……。今後も新しいオブジェが増える予定とのこと。訪れるたびに新しい金色の写真撮影を楽しめそう!
御朱印・御守り
堀出神社の社務所では御守りや御朱印を授与できます。こちらも佐藤卓さんがデザインされたものが多く、中でも干し芋モチーフは大好評!
おいもの形や色をした可愛らしいデザイン、ステッカー・カードタイプの御守り、ほしいも神社の神札、黄金色の長寿箸、交通安全・金運・厄除けの御守り、ペット御守りなど種類豊富(初穂料500円〜)。
ほかの神社では見かけない「特大御守り」(初穂料2,000円)!
バイクや自転車で参拝に訪れた方には社務所にて、旅の安全を祈願した「参拝記念・交通安全シール」を無料で配布しています。旅人たちに大好評!
「堀出神社」と「ほしいも神社」の御朱印(初穂料500円)は、数量限定で書き置きのみ。「御朱印帳にのりで貼り付ける時によれてしまう」という参拝者の声に応えて、なんと裏面がシールになっています。御朱印帳に直接きれいに貼れるという大発明!
季節限定の御朱印も授与できます(なくなり次第終了)。春は季節の花「ネモフィラ」をモチーフにした青い御朱印が登場していました。
干し芋の色と形をした「ほしいも絵馬」(初穂料1,000円)。
木製ほしいも型ステッカー守付き「ほしいもみくじ」(初穂料300円)。「金(金運上昇)、赤(対人上昇)、白(学業仕事)、緑(健康厄除)、青(大願成就)」の全5色。ちなみに、貼ったステッカーが自然と剥がれたら願いが叶うかも……。という謂れが?!
絶景を一望できる「カフェ クイル」
参拝後は敷地内にあるカフェ「cafe kuil(カフェ クイル)」へGO。地平線を望みながらテラス席でこだわりのコーヒーをおともに休憩ができます。カフェもペットOK。
カフェスタッフさんのお話によると、目の前の海では貨物船や豪華客船が航行することもあるそう。タイミングがよければ、海・船・金色の鳥居がコラボした絶景写真も撮影できそうですね!
ドリンクには、茨城県ひたちなか市に本店がある高品質なコーヒー豆と焙煎にこだわる「SAZA COFFEE(サザコーヒー)」を使っています。参拝者も「サザコーヒーだ!」と喜んでいました。
アメリカーノ、カフェラテ、エスプレッソ、キャラメルマキアート(税込600円)、カフェモカ(税込600円)、ココア(税込600円)、オレンジ・アップルジュース(税込400円〜)。
1日20個限定「自家製スイートポテト」、1日数量限定「ポテトパイ」、「アフォガード」といったお店自慢のデザート」(税込300円〜)もあり。午後には完売するほどの人気ぶり!
こちらはお店で焼いている「ポテトパイ」(税込500円)。繁忙期など時期にもよりますが、平日は4個、休日は10〜12個と数量限定で販売しています。
素材の甘みが広がるお芋のペーストと、濃厚なカスタードクリームがたっぷり入っていて、パイ生地はサクサクで香ばしい。1個は手のひらほどの大きめのサイズで、食べ応え満点です!
TEL:080-3203-9100
営業時間:10:00~16:00
定休日:不定休
カフェの隣には、干し芋やお芋のお菓子を販売する自動販売機を設置した休憩所もあります。茨城県の観光パンフレットも数多く並べてあるので、散策の参考になる情報をゲット!
阿字ヶ浦駅周辺の観光&お得なフリー切符
最後に、ほしいも神社の最寄り駅・阿字ヶ浦駅までのひたちなか海浜鉄道湊線のフリー切符、周辺のおでかけスポットについてもお伝えします。
阿字ヶ浦駅までは「ひたちなか海浜鉄道湊線1日フリー切符」(大人1,000円、小児500円)を利用するとよいでしょう。始発の勝田駅から湊線の11駅を1日自由に乗り降りできて、各駅の観光を楽しめます(2025年4月1日〜2026年3月31日まで割引販売中/大人600円、小児300円)。
終着駅・阿字ヶ浦駅には、鉄道ファンに人気の「ひたちなか開運鐡道神社」があり、駅からはネモフィラやコキアで有名な「国営ひたち海浜公園」行きの無料シャトルバスも運行しています。
駅周辺には、夏の海水浴や花火を楽しめる「阿字ヶ浦海水浴場」、お城のような外観が特徴的な「阿字ヶ浦温泉のぞみ」など、散策しがいのある魅力的なスポットもあり。
駅から徒歩5分の場所には、茨城県の干し芋の専門店「マルヒ」の直売所があり、干し芋やスイーツを販売しています。特に、平日限定「干し芋ソフトクリーム」(税込400円)は絶品。干し芋ペースト入りのクリーミーなソフトクリームで、チョコをまとった干し芋もトッピングしています。7〜8月の阿字ヶ浦海岸の海の家営業日には「南浜ビーチガーデン」「サーフサイド渚」で限定販売しているご当地スイーツです!
*マルヒの直売所の定休日は月によって変動します。詳細は公式サイトの営業カレンダーにてご確認ください。
公式サイト:https://www.maruhi.co.jp/
今回訪れた「ほしいも神社」と「堀出神社」をはじめ、歴史も絶景も楽しめる阿字ヶ浦。このローカル旅で心機一転した皆さんの元に「欲しいもの」が訪れることを願います!
住所:茨城県ひたちなか市阿字ヶ浦町172-2
TEL:029-265-9533
参拝時間:24時間
社務所(授与所):10:00〜16:00
交通:JR「勝田駅」からひたちなか海浜鉄道湊線に乗換えて「阿字ヶ浦駅」下車し徒歩約2分
公式サイト:https://horide-hachiman.com/
公式Instagram:@hoshiimo_jinja
[all photos by kurisencho]