フィレンツェで一番有名な庭園といえば、ピッティ宮殿にあるボーボリ庭園。それに押されるように、ガイドブックには小さくしか扱われていないのですが、とても美しく、またフィレンツェの町が一望できる、おすすめの庭園があります。
花に溢れた美しい中世の庭園、美しい眺望のある「バルディーニ庭園」をご紹介します。
中世の美しき庭と麗しの都フィレンツェ
バルディーニ庭園は、フィレンツェの中心を流れるアルノ川の南岸、丘の斜面に階段状に作られた中世の庭園です。
12世紀、モッツィ家の所有であったこの庭園は、現在バルディーニ家の所有となり、一般に公開されています。
中世バロック式の大階段と、草花が美しく植えられた庭園です。
中でもその美しさを誇っているのが藤の花のトンネル。
花の時期には、艶やかな薄紫色の花弁を薫風に揺らしながら、甘く華やかな香りを漂わせています。
藤の花のトンネルを抜けて上った先には、カフェテラスがあります。
この庭園のもうひとつの見所は、フィレンツェを望むこの眺め。美しい中世の庭から望む、中世の都はまた格別の美しさです。
ボーボリ庭園ほど大きくはありませんが、藤の後はバラなど、次々に花々が咲く、緑豊かな庭園です。庭の一番上にあるカフェでのんびりお茶をしながら、美しいフィレンツェの町並みを眺めると、なんとも贅沢な気分になりますよ。
[All Photos by Ryoko Fujihara]