【実は日本が世界一】6年連続販売シェアNo.1!最も売れている日本の市販薬とは?

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Sep 28th, 2022

意外な日本の世界一を紹介するTABIZINEの連載。今回は、6年連続で世界シェアNo.1に輝く、ある商品について紹介します。

湿布薬


 

販売シェア世界No.1

旅で肩こり
旅行をしていて、足腰が痛くなった、疲れたとなったら、どうしますか? 入浴したり、マッサージしたり、ストレッチしたりと、いろいろな対処法がそれぞれにあると思います。

中には、旅のかばんに湿布薬を入れておいて、痛みが出たところや疲れを感じる部位に貼る人もいるかもしれません。

この湿布薬の中で、世界で最も売れている市販薬(OTC医薬品)といったら、どこの会社のどの商品になると思いますか?

答えは、「久光製薬株式会社」(佐賀市)の有名な『サロンパス』です。

英国のグローバル市場調査会社ユーロモニター社の調査によると、同商品が2022年(令和4年)には6年連続で、市販薬(OET医薬品)市場の鎮痛消炎貼付剤カテゴリーにおいて販売シェア世界No.1に輝いたのだとか。すごいですよね。

6年連続の世界一

湿布薬を貼っている人
英国のグローバル市場調査会社ユーロモニター社の調査とは、どのような調査なのでしょうか?

調査の対象国は13の国と地域で、具体的には、中国・日本・米国・イタリア・台湾・インドネシア・ドイツ・タイ・ブラジル・ベトナム・マレーシア・フィリピン・インドになります。

世界の小売店販売額の70%を占めるこれらの国と地域にあるメーカー・卸会社・小売店を調査し、国とブランド別で湿布薬(貼付剤)の売り上げを集計して、最終的には販売シェアを計算したとの話。

現在の湿布薬の形状は日本で開発された

湿布薬のイメージ
もちろん湿布薬は、世界中で使われる医薬品ではないとの意見もあるはずです。

その発祥は、紀元前のギリシアとされており、現在のような湿布薬の形状も、アメリカでつくられた泥状のパップ剤(厚いタイプの湿布)が元となって、1970年代に日本で開発されたそうですが、本家である欧米では現在、一般的に湿布薬を使わないそうです。

日本で一般に期待されるような湿布薬の効果を証明するエビデンスがほとんどないからですね。

その意味で、日常的に使われる医薬品を世界各国の企業がリリースし、それぞれがしのぎを削る厳しいマーケットで世界一に輝いているという話ではないようです。しかし、6年連続の世界一は、やはりすごいことではないでしょうか。

海外旅行先で、何かの拍子に腰痛や足腰の痛みの話題になったら、湿布を使うかどうか、試しに現地の人にも聞いてみると会話が盛り上がりそうですね。

[参考]
Salonpas®が 6 年連続で販売シェア世界 No.1 ブランド※1 に認定
英グローバル調査会社・ユーロモニター社※2 における調査結果 – 久光製薬
Systematic review of topical capsaicin for the treatment of chronic pain – National Library of Medicine
Topical NSAID therapy for musculoskeletal pain – National Library of Medicine
サロンパス®の効果的な貼り方 5つの貼り方で、きもちいい。 – 久光製薬
医薬品の適正使用の推進① – 厚生労働省
湿布薬を多用する日本人、海外の人から驚かれる – NEWSポストセブン
ヨーロッパで定着する「ヨーロッパ以外」の健康法 – Foresight
しっぷのおはなし – テイコクファルマケア
シップは世界のどこでも手に入るわけではない・・・ – 民間医局コネクト
Salonpas(R) Named the World’s No. 1 OTC Topical Analgesic Pa – Bloomberg

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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