©︎ 青森県
イエス・キリストの生涯を簡単に紹介
©︎ Shutterstock.com
イエス・キリストは、「新約聖書」の四福音書によると、ナザレ村の大工ヨセフのいいなづけ、処女のマリアが聖霊によって身ごもり、ベツレヘムの馬小屋で誕生しました。
少年期はナザレで過ごし、30歳頃に洗礼者ヨハネから洗礼を受け、荒野でサタンと戦い打ち勝ちます。その後、ガリラヤの野で多くの奇跡を起こし、神の国の近いことを訴え、宣教を開始。ペテロなど12人の弟子と活動を続けていましたが、弟子のひとりであるユダに裏切られ、ゴルゴダの丘で十字架にかけられました。
そして、預言通り死後3日目に復活を果たし、40日を経て弟子たちの目の前で昇天しました。
そんなイエス・キリストのお墓がなぜ青森にあるのでしょうか? すべての発端は、「竹内古文書」でした。
竹内氏がキリストの墓を発見!?
イスラエルから友好のために寄贈された記念石 ウィキ太郎(Wiki Taro), CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
1935年(昭和10年)、茨城県磯原町(現・北茨城市)にある皇祖皇大神宮の竹内家に伝わる竹内古文書から、「キリストが日本に逃れ、新郷村(旧戸来村)に渡来し106歳の生涯を閉じた」という説が突如、出てきました。
そこで、竹内巨麿(きよまろ)氏が自ら新郷村を訪れ、キリストの墓を発見したとか。さらに、1936年に考古学者の一団が「キリストの遺書」を発見したり、考古学・地質学者の山根キク氏が著書で取り上げたりしたことで、新郷村は神秘の村として注目を集めるようになりました。
神秘に包まれたキリストの墓
ウィキ太郎(Wiki Taro), CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
キリストの墓は、新郷村のキリストの里公園の一角、丘の上のこんもりとした盛り土にあり、木製の十字架がそびえ立っています。隣には弟のイスキリの墓も!
ヘブライ語が語源!? 新郷村のミステリー
©︎ Shutterstock.com
有名なのは、青森県三戸郡新郷村のかつての村名「戸来(へらい)」は、ヘブライ語が語源という説です。さらに、この村には下記のような不思議な伝承の数々があった(ある)といいます。
- 父親をアヤまたはダダ、母親をアパまたはガガという
- 子どもを初めて野外に出すとき額に墨で十字を書く
- 足がしびれたとき額に十字を書く
- ダビデの星を代々家紋とする家がある
- 「ナニヤドヤラー、ナニヤドナサレノ」という意味不明の節回しの祭唄が伝えられている
加えて、キリストの墓を掘り起こそうとした人が病気になった、病気の女性がキリストの墓に花輪をささげたら治ったといった話も!
とはいえ、いずれも真偽は定かではありません。イエスが復活を遂げた後、密かに日本に渡っていたら世界がひっくり返ってしまいますよね。
キリストの墓について詳しく知りたいなら「キリストの里伝承館」へ!
©︎ 青森県
キリストの里公園にある「キリストの里伝承館」では、キリスト渡来伝説の発端となった竹内古文書の謎はもちろん、墓発見に至るまでを豊富な資料や地図、動画でわかりやすく解説しています。
また、不思議好きにはたまらない古代ピラミッドの謎コーナー、長慶天皇行幸伝説コーナーも用意。ここでしか買えないオリジナルのお土産も必見です。
住所:青森県三戸郡新郷村大字戸来字野月33-1
電話:0178-78-3741
開館時間:9:00〜17:00
休館日:毎週水曜日(夏休み期間中は無休・11月上旬~4月下旬は冬季休館)
入館料:高校生以上200円、小・中学生100円
アクセス:JR「八戸駅」から車で約60分
公式サイト:http://www.vill.shingo.aomori.jp/sight/sight_main/kankou/sight-christ/
「キリストの墓」は、とてもロマンがある話で、調べれば調べるほどワクワクしてきました。しかし、2015年当時、人口約2,000人のこの村にキリスト教徒はいなかったとか(笑)。それも含めて興味深いですよね。