【海の見える絶景駅おすすめランキング】人気鉄道写真家 櫻井寛さんに7つの駅を教えてもらいました!

Posted by: Miki D'Angelo Yamashita

掲載日: Mar 19th, 2024

鉄道オタクから神と崇められる人気鉄道写真家・櫻井寛さんによる写真展「列車で行こう!The Railway World」が品川キヤノンギャラリー S にて開催中です。今回は、写真展会場で櫻井さんにお話をうかがい、「海の見える絶景駅」「おいしくて映える駅弁」「ファン垂涎の鉄道レアグッズ」を3回シリーズで紹介します。 第1回目は、海の眺めが映える絶景駅を7駅選んでいただきました。海が見える駅は、ローカル線に多いとのこと。おすすめ順にランキングで紹介します。のんびり電車に揺られながら海岸沿いを走り、潮の香りを感じるホームに降り立ってみませんか?

【第1位】島原鉄道 大三東(おおみさき)駅

ホームの前一面に有明海が広がる日本で一番海に近い駅


「島原鉄道」は、「シマテツ」の愛称で長年愛されてきました。列車から降りるとその先はもう有明海。屋根や柵もない開放的なホームに立っていると波をかぶりそうなぐらいです。でも、内海なので、外洋とは違い大波はこないので安心してください。

晴れた日には真っ青な有明海と空に、黄色いベンチと飾られたハンカチが映えるSNSでも話題の人気駅です。

干満の差が日本一大きいといわれる有明海。干潮時と満潮時の景色は劇的に変貌します。干潮時には、遠浅の干潟が顔を出し、アーティスティックな模様を描き出します。

そんな海を見るために、「しまてつ カフェトレイン」は最長45分ほど停車してくれます。小さなホームには青い海に映える黄色いベンチが置かれ、そこではためいているのは、黄色いハンカチ。島原鉄道のイベントで集められたメッセージ入りの「幸せの黄色いハンカチ」です。

企画列車として運行されている「島鉄カフェトレイン」は、レトロなインテリアの列車内で、島原半島の食材を使ったスイーツや食事を満喫する極上のひと時を過ごすことができます。

島原半島情報WEBサイト
https://www.shimakanren.com/about/spot/detail.php?id=2062

島原鉄道 大三東(おおみさき)駅
長崎県島原市有明町大三東丙

【第2位】予讃線 下灘駅

目の前に広がる瀬戸内海の伊予灘に沈む夕日が絶景


松山駅から普通列車に乗り約1時間。予讃線(よさんせん)「伊予灘ものがたり」という名もワクワク感いっぱいの観光列車の駅です。

ホームに降りると、目の前は瀬戸内海。伊予灘に沈む夕日を見るには最適なロケーション。遮るものは何もなく、瀬戸内海が広がります。ホームでは、レトロな屋根の下に置かれたベンチに座り、夕陽に紅く染まる雄大な海の眺望を満喫することができます。

映画やドラマのロケにも使われたり、青春18キップのキャンペーンポスターの撮影場所として何度も登場したりしていますので、目に触れる機会も多い有名スポットです。

毎年9月には夕日をバックに「夕焼けプラットホームコンサート」が開催されていますので、この時期に訪れるのもおすすめです。

伊予市役所WEBサイト
https://www.city.iyo.lg.jp/machizukuri/kanko/guidemap/jrshimonada.html

予讃線 下灘駅
愛媛県伊予市双海町大久保

【第3位】北海道函館本線 森駅

噴火湾が広がる「いかめし」発祥の地


北海道森駅、森という名前ながらもホームに立つと目の前は海、噴火湾が広がります。函館本線の函館駅から約30分、特急も停まる駅です。

森駅から長万部までは、ずっと海辺を走るので、他の駅で降りても海は見えるのですが、ぜひ、途中下車してほしいのがこの森駅。というのも、この町は、有名な「いかめし」発祥の地なのです。

現在、「いかめし」は、駅舎内で販売されていないそうですが、1941年の誕生以来、親しまれてきたあべ商店の「森のいかめし」は駅前の柴田商店で購入できます。おいしさの秘密は、創業から受け継がれる秘伝のタレとイカの柔らかさ。町内のコンビニや道の駅でも、ほかの作り手の「いかめし」も買うことがでします。噴火湾を眺めながら味わうと格別のおいしさです。

森町商工労働観光課WEBサイト
https://mori-locationmatch.net/mori-eki/

北海道函館本線 森駅
北海道茅部郡森町本町

【第4位】JR北海道釧網(せんもう)本線 北浜駅

“流氷に一番近い駅”、オホーツク海を覆う一面の氷が迫力

釧路と網走を結ぶ釧網本線は、オホーツクブルーと呼ばれる真っ青な海と空を眺めながらの電車旅が楽しい路線。なかでも、オホーツク海の波打ち際から20メートルほどに立つ木造の駅舎、網走市北浜駅では、例年、2月下旬から3月上旬に流氷のピーク時に、海一面氷に覆われた絶景を眺めることができます。駅のホームから直接流氷の上に乗ることもできるくらい間近なのですが、もちろん、危険ですからおすすめはできません。

駅から少し歩いて浜辺に出れば、流氷に触れることもできますし、流氷同士がぶつかり、ひゅーひゅーと鳴る“流氷鳴り”を聞くこともできます。展望台もすぐ隣にありますので、高台からオホーツク海の迫力ある流氷群を眺めることもできます。

また、流氷のシーズン以外にも、初夏には、草原に咲き乱れる花々や湖に飛来する白鳥の姿湖など、車窓からの眺めは絶景が続きます。

政府広報オンラインWEBサイト
https://www.gov-online.go.jp/eng/publicity/book/hlj/html/202202/202202_02_jp.html

JR北海道釧網(せんもう)本線 北浜駅
北海道網走市北浜

【第5位】信越線  青海川(おうみがわ)駅

ロケ地にも人気、ホームのすぐ前に迫り来る日本海


信越線とえちごトキめき鉄道が交わる直江津駅から日本海沿いを走り、海を眺める列車の旅。海に最も近い駅の一つ、白壁が美しい小さな駅舎、青海川(おうみがわ)駅があります。降りてみると、ホームのすぐ前には迫り来る日本海。

えちごトキめき鉄道 青海川(おうみがわ)駅 ©︎公益社団法人 新潟県観光協会
©︎公益社団法人 新潟県観光協会

駅近くある福浦海岸を一望できる「鴎が鼻(かもめがはな) 展望台」、通称「恋人岬」からも絶景が楽しめます。恋愛成就スポットとして有名で、展望台にはハート型のプレートがびっしり。青海川駅を俯瞰できる高台に行って、日本海に沈む夕日を眺めるのもおすすめです。

また、夕日の時間帯に走り、その時間にだけ停車して、日本海に沈む夕日を堪能できる有馬川駅もおすすめです。木造駅舎越しの額縁に切り取られた海と空も趣ある景観は、テレビや映画などのロケ地としてよく使われています。

にいがた観光ナビWEBサイト
https://niigata-kankou.or.jp/spot/6079#

信越線えちごトキめき鉄道  青海川(おうみがわ)駅
新潟県柏崎市青海川

【第6位】JR大村線 千綿駅(ちわたえき)

湖のような静かな内海、大村湾を一望できる


諫早(いさはや)方面から佐世保行きの列車に乗り、市街地を抜けると車窓は一面の海の景色に。波が穏やかな内海で、線路が海面のすぐ近くにあり、まるで海の上を走っているかのような乗り心地です。

その先の大村湾に接し、国道沿いのなだらかなカーブに面した駅舎が千綿駅です。

駅舎が建ったのは、昭和3年。平成5年、昔の面影を残して改築されました。ホームから一望できるのは湖のような静かな大村湾です。駅はカーブに面しておりホームが傾斜しているため、列車は海側に傾いて停車。海がより近く感じられます。

ながさき旅ネットWEBサイト
https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/62800

大村線 千綿駅
長崎県東彼杵郡東彼杵町駄地郷

【第7位】JR鶴見線 海芝浦駅

東京から最も近い海の見える駅

東京から最も近い海の見える駅ですが、海を見る目的のためにしか降りられない駅です。ホームからは隣接する東京湾の絶景が眼前に迫ります。ホームを挟んで電車が停まる路線の反対側に海が見えるのですが、東芝の京浜事業所が出口と併設されているため、東芝の社員以外は外に出ることができません。つまり、一般の人は駅から一歩も出られないのです。

代わりにホームの先に海に面した小さな海芝公園があります。そこにあるベンチに座って、お弁当を食べながら東京湾を眺めピクニック気分に浸るのがおすすめです。

「鶴見つばさ駅」と遠くに見える「横浜ベイブリッジ」の景観も美しく、関東の駅百選に選ばれています。開園時間は午前9時から午後8時30分まで。夜にはライトアップされた鶴見つばさ橋の全体が浮かび上がり、カップルにも人気のスポットです。
 

ゆきさきNAVI
https://www.homemate-research-station.com/useful/14717_facil_078/

JR鶴見線 海芝浦駅
横浜市鶴見区末広町2丁目

櫻井さんの鉄道写真展 品川・銀座・大阪で開催

品川会場では、62カ国で撮影された作品、銀座会場では、「ななつ星in九州」をはじめ日本が誇る4大豪華列車、大阪会場では、国内のローカル鉄道をテーマにした写真など櫻井さんの撮影した鉄道写真の集大成を楽しむことができます。3大阪の写真展会場には、海が見えるローカル鉄道の写真が多数展示されていますので、ぜひ、今回、紹介した写真以外の絶景列車の写真も会場でお楽しみください。

 

キヤノンギャラリー50周年企画展 櫻井寛写真展「列車で行こう!The Railway World」

●会場・開催期間
キヤノンギャラリー S (品川) 2024年3月9日(土)~2024年4月23日(火)
キヤノンギャラリー銀座・大阪 2024年3月19日(火)~2024年3月30日(土)

●各ギャラリーの開催概要
開館時間:
品川 10時00分〜17時30分
銀座 10時30分〜18時30分
大阪 10時00分〜18時00分

休館日:
品川 日曜日・祝日
銀座・大阪 日曜日・月曜日・祝日

住所・アクセス:
品川 東京都港区港南2-16-6 キヤノン S タワー 1F JR品川駅港南口より徒歩約8分、京浜急行品川駅より徒歩約10分
銀座 東京都中央区銀座3-9-7 都営地下鉄東銀座駅より徒歩2分、東京メトロ銀座駅より徒歩3分
大阪 大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト1 地下鉄肥後橋駅・渡辺橋駅直結、淀屋橋駅より徒歩5分、JR北新地駅より 徒歩8分、JR大阪駅より徒歩11分

入場料:無料

●関連イベント
スペシャルトークイベント
日時:2024年4月6日(土)13時30分〜15時
会 場:キヤノンホール S(住所:東京都港区港南2-16-6 キヤノン S タワー 3F)
ゲスト:デザイナー 水戸岡鋭治氏
テーマ:水戸岡鋭治デザイン・ワンダーランド・トレインに乗ろう!
申 込:2024年3月1日(金)10:00〜ウェブサイト(canon.jp/gallery)よりお申込みください。
定 員:150名(先着申込順、参加無料9

ギャラリートーク1
日時:2024年3月9日(土)13時30分〜14時30分
会場:キヤノンギャラリーS
ゲスト:ヴァイオリニスト 大迫淳英氏
テーマ:鉄道と音楽。ななつ星に始まるサウンド・クルーズ・ジャーニー。
申込:不要※1

ギャラリートーク2
日時:2024年3月9日(土)15時30分〜16時30分
会場:キヤノンギャラリーS
ゲスト:ヴァイオリニスト 大迫淳英氏
テーマ:鉄道と音楽。ザ・ロイヤルエクスプレスは伊豆、北海道、四国へ。
申込:不要※1

ギャラリートーク3
日時:2024年3月22日(金)19時00分〜20時
会場:キヤノンギャラリー銀座
ゲスト:デザイナー 水戸岡鋭治氏、ヴァイオリニスト 大迫淳英氏
テーマ:鉄道と音楽。ななつ星&ザ・ロイヤルエクスプレスの世界。
申込:2024年3月1日(金)10:00〜ウェブサイト(canon.jp/gallery)よりお申込みください。
定員:40名(先着申込順、参加無料)

ギャラリートーク4
日時:2024年3月23日(土)13時30分〜15時
会場:キヤノンギャラリー大阪
テーマ:世界の鉄道ナンバーワン、ベスト15に乗った、撮った!
申込:不要※1

ギャラリートーク5
日時:2024年4月20日(土)13時30分〜14時30分
会場:キヤノンギャラリー S
テーマ:世界の鉄道ナンバーワン、ベスト15に乗った、撮った!
申込:不要※1
※1.入場を制限させていただく場合あり

櫻井 寛(さくらい かん)
1954(昭和29)年、長野県生まれ。鉄道員に憧れて昭和鉄道高校に入学。在学中から写真家を目指して日本大学芸術学部写真学科に進む。世界文化社写真部勤務を経て、1990年にフォトジャーナリストとして独立。 1994年『鉄道世界夢紀行』(トラベルジャーナル)で交通図書賞を受賞。これまでに取材した国は95か国、渡航回数は250回を超える。
著書は『オリエント急行究極の豪華寝台列車のすべて』『櫻井寛さんの全国私鉄路線と車両大図鑑』(世界文化社)『ななつ星 in 九州の旅』(日経BP社)『鉄道切手夢紀行』(日本郵 趣出版)『にっぽん全国100駅弁』(双葉社)『日本の鉄道路線と車両の大図鑑』(講談社)など 109冊を数える。「毎日小学生新聞」「NIKKEIプラス1」「はれ予報」などに連載中。駅弁愛好家としても知られTBS「マツコの知らない世界」など各局テレビに出演。

 


 

PROFILE

Miki D'Angelo Yamashita

Miki D'Angelo Yamashita ジャーナリスト

コロンビア大学、パリ政治学院修士。新聞社勤務、記者、週刊誌、書籍編集者歴任。外交、国際政治、舞台芸術、食、旅、映画、アートなどを担当。旅ガイド本多数編集。親の転勤が多く、国内外の各地で育つ。世界の島巡り好き。

コロンビア大学、パリ政治学院修士。新聞社勤務、記者、週刊誌、書籍編集者歴任。外交、国際政治、舞台芸術、食、旅、映画、アートなどを担当。旅ガイド本多数編集。親の転勤が多く、国内外の各地で育つ。世界の島巡り好き。

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