空海が二十一日間の護摩祈願を行ったのがはじまりとされる「西新井大師」(東京都足立区)
「西新井大師」は正式名称、五智山遍照院總持寺といい、東京都足立区にある真言宗豊山派の寺院です。創建は9世紀、弘法大師(空海)が関東巡錫中に悪疫に苦しむ村人を救うため、十一面観音像と自身の像を彫り、二十一日間の護摩祈願を行ったのがはじまりとされています。
これにより枯れた井戸から清らかな水が湧き出し、病が平癒したと伝えられています。その井戸がお堂の西側にあったことから、地名「西新井」の由来にもなったそうです。
江戸時代には女性の厄除け祈願所としても有名になり、現在は関東全域から多くの参拝者が訪れる厄除けの霊場に!
現在は、厄除けはもちろん、願望成就やお子様の初参り、七五三などの祈願も人気です。
西新井大師の見どころは、江戸時代後期に建立された山門。堂々たる姿が印象的で写真スポットにもなっています。両脇には金剛力士像も。
山門を入ってすぐ左にある塩で覆われた「塩地蔵」は、イボ取りなどの健康祈願のご利益があるとか。
参拝すると長寿のご利益があるとされる「水洗い地蔵尊」にも、ぜひ手を合わせたいですね。
さらに、圧倒的な存在感を放つ、中央に位置する「大本堂」 にも注目を! ここで厄除け祈願などを行っています。
加えて、四国八十八箇所お砂踏み霊場もあり、ここを一周すると弘法大師の功徳が得られるとされていますよ。
住所: 東京都足立区西新井1-15-1
電話番号: 03-3890-2345
開門時間: 通常9:00~16:30(最終祈願終了まで)
アクセス:東武大師線「大師前駅」から徒歩5分
公式サイト:https://www.nishiaraidaishi.or.jp/
徳川家斉公の厄除け祈願により広く知られるようになった「川崎大師」(神奈川県川崎市)
「川崎大師」の正式名称は平間寺で、真言宗智山派の寺院です。「厄除けのお大師さま」として広く知られています。
1128年、平間兼乗(ひらま かねのり)という漁師が42歳の厄年のときに、夢でお告げを受け、海中から弘法大師が自ら彫刻したとされる尊像を引き揚げ、その像を祀り、供養したことがはじまりとされています。その結果、兼乗の厄は取り除かれたとか。
1128年には、尊像を本尊とする寺院が創建され、平間兼乗の名にちなんで「平間寺」と名づけられました。
そして江戸幕府11代将軍である徳川家斉公の厄除け祈願参拝によって、江戸庶民の間で「厄除けのお大師さま」として知られるようになり、現在は全国から篤い信仰を集めるお寺に。
厄除けをはじめ家内安全、商売繫昌と行ったさまざまな願いの護摩祈祷を毎日行っています。
見どころは、厄除弘法大師のほか、不動明王や愛染明王などを祀る「大本堂」。荘厳な雰囲気に圧倒されますよ。
さらに、華麗で格調ある八角五重塔「中興塔」や、中国最後の木版大蔵経「乾隆版大蔵経」が7,240冊収蔵されている「経蔵」、欄干に悟りへと向かう段階を表す20文字(梵字)が刻まれている「やすらぎ橋」など見どころがいっぱいです。
また川崎大師の仲見世商店街では、昔からの名物「久寿餅」を味わうことができます。老舗の飴屋「松屋総本店」などの「せき止め飴」のほか、「開運だるま」を購入するのもおすすめ。
住所: 神奈川県川崎市川崎区大師町4-48
電話番号: 044-266-3420
開門時間: 4~9月 5:30~18:00/10~3月 6:00~17:30
交通アクセス:京急大師線「川崎大師駅」から徒歩8分
公式サイト:https://www.kawasakidaishi.com/
公式Instagram:https://www.instagram.com/kawasakidaishi_heikenji/
890年に尊海によって創建されたと伝わる長い歴史を持つ古刹「観福寺」(千葉県香取市)
観福寺は真言宗豊山派のお寺で、山号は妙光山、院号は蓮華院と称しています。このお寺は、890年に尊海(そんかい)僧正によって創建されたと伝えられており、長い歴史を持つ古刹です。
平将門の守護仏とされる本尊「聖観世音菩薩」を祀り、古くから武将や庶民の信仰を集めてきました。
近世に入ると、地方の僧侶の養成所、学問所として多数の僧侶を輩出。やがて地元伊能家の菩提寺に。現在も宗派の僧侶の修行、研修の場になっており、厄除け祈願で広く訪れる人々を迎えています。
このお寺には、重要文化財に指定されている釈迦如来坐像、十一面観音坐像、薬師如来坐像、地蔵菩薩坐像のほか、多くの仏像や曼荼羅、中世の古文書などが所蔵されているのがポイント。
日本地図で有名な伊能忠敬(いのう ただたか)や、国文学者であった楫取魚彦(かとり なひこ)の墓も見どころのひとつです。
大師堂、本堂、観音堂、不動堂など、江戸時代に再建された建物も必見! また春の桜、夏の緑、秋の紅葉と四季折々の自然を楽しめるのも魅力です。
さらに毎年2月の節分には、大般若経の転読や護摩祈祷が行われ、多くの参拝客が訪れます。
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