【知る人ぞ知る穴場スポット】湖に浮かぶ鳥居が神秘的!高滝湖で出会う古社とアートの寄り道散歩|千葉県市原市

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掲載日: Jul 30th, 2025

都心から車で約1時間。千葉県市原市にある「高滝湖(たかたきこ)」は、ちょっと気分転換したいときにぴったりの穴場スポット。湖に浮かぶように立つ真っ赤な鳥居や、自然とアートが楽しめる美術館など、見どころがぎゅっと詰まっています。かつて村が沈んだこの地には今も記憶が息づき、歩くたびに心が整う感覚に。この記事では「高滝湖」周辺のおすすめスポットを現地ルポでご紹介します。

高滝神社 アイキャッチ 記事内

「高滝湖」はどんな場所?

高滝湖 全体写真 市原市

1990年、養老川の氾濫対策と市原市北部の水源開発を目的に造られた「高滝ダム」。その建設によって生まれたのが「高滝湖」です。完成までに20年の歳月がかかり、周囲の暮らしを守るためのインフラとして整備されたこの人工湖は、現在では千葉県内有数の広さを誇ります。

一方で、この湖の誕生と引き換えに、110戸の村々が湖底に沈みました。かつて人々が暮らし、営みを重ねていた土地が、今は静かな水面の奥に眠っています。

朱の鳥居が湖面に浮く「髙瀧神社」

高瀧神社 本殿 外観

千葉県市原市に鎮座する「髙瀧神社」は、安産、子育て、縁結びの神社として信仰されており、平安時代の史書『日本三代実録』にも記される由緒ある古社。

髙瀧神社 本殿接写

髙瀧神社 引き 階段

現在の本殿は享保12年(1727年)に再建されたもので、市原市の指定文化財にもなっています。静かな森の中にたたずむ鮮やかな朱色の社殿。300年近い歳月を経た今もなお、凛とした美しさを放っています。

厳かな社務所 高瀧神社

厳かな雰囲気の社務所

髙瀧神社 反対 下り

また、社域を包む「高滝神社の森」は、千葉県の天然記念物にも指定されている自然林。境内には樹齢350年以上の杉がそびえ、句碑や灯籠などの石造物が静かに佇みます。御神木は、夫婦円満の象徴とされる「梛(なぎ)」の木。推定樹齢は200年を超え、“夫婦和合の樹”として大切に守られています。

髙瀧神社 手水舎

春は桜、夏はひまわりなど……四季折々の花が並ぶ手水舎も

湖に浮かぶ赤い鳥居が印象的

高滝ダム対岸の鳥居 アイキャッチ リサイズ

髙瀧神社の湖面に浮かぶ朱色の鳥居は、実はダム湖に沈んだ昔の参道の名残です。この鳥居は、高滝湖の誕生後に新たに建てられ、その背後には神社の深い歴史が刻まれています。

髙瀧神社 神輿渡御 秋季例大祭

10月の中酉日に行われる秋季例大祭

毎年秋に行われる髙瀧神社の秋季例大祭では、神輿が渡御し、湖に浮かぶ朱色の鳥居をくぐるという壮大な儀式が行われます。

ここだけでしか手に入らない特別な御朱印

サンブスギ朱印 高瀧神社

山武杉御朱印 初穂料:500円

髙瀧神社の御朱印はちょっとユニーク。通常の御朱印帳だけではなく、サンブスギの木を薄く加工した板に書かれた「山武杉御朱印」を授かることができます。ほんのりと木の香りが漂う、ここでしか手に入らない特別な御朱印です。

小湊鉄道里山トロッコ列車 絵馬

小湊鐵道里山トロッコ列車の絵馬

御朱印受付時間
月〜金:9:00〜11:30/13:00〜16:00
土日祝:9:00〜16:00

今年から開催!新しい春の風物詩「ちょっとだけビッグなひな祭り」

ビッグひな祭り 髙瀧神社

2025年は2月22日(土)~24日(月・祝)、3月1日(土)の計4日間開催

2025年から新たに始まったイベントが、通称「ビッグひな祭り」。南市原地域で初となるひな祭りでは、髙瀧神社の参道にある長い石段に雛人形がずらりと並ぶ華やかな光景が広がります。

期間中は地元住民や観光客が多く訪れ、4日間で3,000~4,000人来訪者が来たのだとか。春の訪れを感じると同時に、地域の温もりを感じられる新しい風物詩になりつつあります。

髙瀧神社
住所:千葉県市原市高滝1
公式サイト:https://takataki-jinja.jp/
参拝時間:0:00~24:00 ※24時間可
定休日:休務日あり ※要事前確認
駐車場: 20台分あり(無料)
TEL:0436-98-0472
[X]:https://x.com/takataki_jinja
[Instagram]:https://www.instagram.com/takatakijinjya/

湖畔に佇むアート空間「市原湖畔美術館」

市原湖畔美術館 俯瞰

撮影:遠藤匡 提供:市原湖畔美術館

髙瀧神社から15分ほど歩くと、高滝湖のほとりに白い建物が見えてきます。ここが、潤沢な水と緑に囲まれた自然豊かな場所に佇む「市原湖畔美術館」。もとよりあった観光・文化施設「市原市水と彫刻の丘」を改装し、市原市市制施行50周年となる2013年にオープンしました。

市原湖畔美術館 外観

市原湖畔美術館 内観 入口

「里山の地に足でしっかり立ち、眼は広く世界を眺める」をテーマに、“地域性”と“国際性”を融合させた独自の芸術活動を展開。館内には700点以上の収蔵品があり、その多くは銅版画家・深沢幸雄(ふかざわゆきお)をはじめとする、市原市ゆかりの芸術家の作品です。

常設展 入口 市原湖畔美術館

館内は天井が高く、ガラス越しに見える湖の風景もアートの一部のよう。常設展示では、湖畔にまつわる彫刻やインスタレーションも楽しめ、空間そのものが作品になっています。

市原湖畔美術館 常設展

常設展 自動メタ機

【期間限定】小湊鉄道の記憶をたどる企画展も

小湊鉄道開業100周年記念展 古往今来・発車オーライ!展

企画展 1F 市原湖畔美術館

中﨑透《Riverside Train, Lakeside Museum》

2025年4月26日(土)~9月15日(月・祝)の期間にて、今年2025年に開業100周年を迎えた小湊鉄道にまつわる企画展「小湊鉄道開業100周年記念展 古往今来・発車オーライ!展」が開催されています。

高滝駅 青山悟作品

背中に「FOREVER KOMINATO RAILWAY」と刺繍された小湊鉄道駅員のジャケット/作:青山 悟

レトロな車両の記録写真や資料に加え、鉄道とアートを結びつけたインスタレーションも展示され、どこか懐かしく、それでいて斬新な世界が広がります。

市原湖畔美術館 作品①

市原湖畔美術館 作品②

青山悟《近い未来の自分に向けたハガキ(小湊鉄道100周年記念)》

市原湖畔美術館 作品③

市原湖畔美術館 作品⑤

なお、企画展は年に3〜4回開催されるため、訪れるたびに新たな発見と刺激が待っています。

湖を眺めながら絶品料理を味わえる「PIZZERIA BOSSO」

PIZZERIA BOSSO 外観

館内に併設されたレストラン「PIZZERIA BOSSO」は、地元食材を使った本格ナポリピッツァが楽しめる人気レストラン。

自家製ジェラート PIZZERIA BOSSO

山﨑農園(市原)の生乳を使ったイチゴジェラート 500円(税込)

美術館の方に聞くと、おすすめは自家製ジェラート。濃厚なのに後味がさっぱりとしていて、アート鑑賞の後の小休憩にぴったり。

テラス席 PIZZERIA BOSSO

ガラス張りのテラス席からは高滝湖を一望でき、晴れた日には湖畔の心地よい風とともに、贅沢な時間を楽しめます。

PIZZERIA BOSSO
所在地:市原湖畔美術館内
(千葉県市原市不入75-1)
営業時間:【平日】11:00~20:00(L.O19:00・最終入店18:45)/【土日祝】11:00~21:00(L.O20:00・最終入店19:45)
TEL: 0436-67-0967
市原湖畔美術館
所在地:千葉県市原市不入75-1
公式サイト:https://lsm-ichihara.jp
営業時間:【平日】10:00~17:00/【土曜・祝前日】9:30~19:00/【日曜・祝日】9:30~18:00
※いずれも入館は閉館30分前まで
休館日:月曜(祝休日の場合は翌平日)、年末年始
料金:展覧会により異なる
TEL:0436-98-1525
アクセス:小湊鉄道「高滝駅」から徒歩約20分

[Photos by Ray]

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PROFILE

Ray ライター

何事にもハマりやすく、好きなことにとことん全力。海鮮が大好きで日本酒と合わせる時間が至福のひととき。趣味は推しを推すこと、野球観戦。行く先で出会う人々との「縁」を大切に日々生きる。

何事にもハマりやすく、好きなことにとことん全力。海鮮が大好きで日本酒と合わせる時間が至福のひととき。趣味は推しを推すこと、野球観戦。行く先で出会う人々との「縁」を大切に日々生きる。

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