
若者でにぎわう黒磯エリアと“カフェの聖地”
東京駅から東北新幹線に乗り込み約1時間、那須塩原駅に到着。降り立った瞬間から、さっきまでいた都会とは違う澄んだ空気を肌に感じる。久しく味わっていなかったワクワクを胸に、特別ツアーはスタート。
最初に訪れたのは、近年若者を中心に人気を集める黒磯エリア。その礎を築いたのが、1988年に創業した「SHOZO COFFEE/1988 CAFE SHOZO」。その思想や世界観に影響を受けた店が次々と誕生し、独自のカルチャーをもつ市内随一のオシャレスポットとして知られるように。
那須塩原市図書館 みるる:設計デザインは建築スタジオ「UAo」の伊藤麻理氏。森をイメージした館内は天井が高く光も多く差し込む。カフェやテラスを完備し、交流センターのような役割を果たしている。
2020年に開業した「那須塩原市図書館 みるる」を筆頭に、駅前には洗練されつつも街の空気に溶け込んだ建物があちらこちらに。
溢れんばかりの人がごった返す店内には、コーヒーや焼き菓子、グッズなどがズラリ。(右上)SHOZO COFFEEグループのセレクトショップ「SHOZO 04 STORE」。カフェを中心に周辺にはさまざまなモノ・コトを扱う店が点在
黒磯エリアの源流「1988 CAFE SHOZO 黒磯本店」にもぶらり。『旅の目的地になるカフェにしたい』という創業者・菊地省三さんの言葉通り、ここを目指して全国各地から多くの観光客が訪れているのだそう。
「ここの名物といえばやっぱりスコーン。全くボソボソとしてなくて、しっとりとしているんです。クロテッドクリームをつけて食べるのが最高ですね」と、ドライバーを務めていただいた甘いもの好きの市職員の方は、少し照れくさそうに教えてくれました。
千本松牧場で楽しむグルメ・アクティビティ

那須塩原は、全国で第2位、本州で第1位の生乳生産量を誇る国内でも有数の酪農大国。数ある牧場のなかでも「千本松牧場」は、那須塩原に訪れたらぜひ立ち寄りたい場所。
「どうぶつふれあい広場」では馬からモルモットまで多種多様な動物と触れ合える。(左下)2024年にリニューアルオープンしたレストラン。牧場牛を使った「千本松牧場牛100%ちぎりハンバーグ」が人気
東京ドーム176個分にもなる広大な土地には、酪農・畜産、加工品の製造施設のほか、アクティビティスポット、レストラン、温泉までも完備。動物の餌となる牧草を敷地内で栽培し、牛の排泄物は堆肥として土づくりに活用するというサイクルが行われているのも特徴です。
人気NO.1の「千本松ミルクソフト」450円(税込)
牧場名物のソフトクリームは外せない必食グルメ。濃厚なコクがありつつも、軽やかな口当たりで、ひと口食べればその魅力がわかるはず。GWや夏休みの書き入れどきには大行列になるので、複数の販売場所があるので、なるべく空いたところをチョイスするのがおすすめ。
歴史的建築で味わう一夜限りの特別なフルコース
牧場をあとにして、ツアーのメインイベントへ。凛とした空気が張り詰めた森を抜けると、見えてきたのが舞台の「萬歳閣(松方別邸)」。内閣総理大臣を2度歴任し、千本松牧場を開いた松方正義公の別邸で、大正天皇をはじめとした皇族が駐拍したこともあるこちらの建物。

普段は一般の内部見学は行っていないこの特別な空間にて、「那須塩原ブランド」という独自の基準で認定された素材を使い、八芳園のシェフが手がけたスペシャルディナーを体験。
那須塩原ブランドとは?
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「那須塩原らしさ」「独自性」「信頼性」「魅力度」などを重視し、市農観商工連携推進協議会が審査し、基準を満たした地元産の逸品が「那須塩原ブランド」として認定される。現在では農林水産品・加工製造品などを含む30品目以上。
詳細:https://www.city.nasushiobara.tochigi.jp/soshikikarasagasu/nomuchikusanka/nogyo/9/5792.html
那須塩原ブランドの魅力満載のフルコースに舌鼓
前菜:ブリー・ド・那須とホタテのサラダ仕立て 黒トリュフのヴィネグレット/スープ:塩原かぶの濃厚ポタージュ
コースのはじまりは、季節の野菜と白カビタイプのチーズを主役にした前菜。くっきりとした甘みの野菜と、コクのあるチーズの相性が◎ 続いては塩原かぶのスープ。ただの野菜のスープと侮ることなかれ、かぶの甘さと香りが口に広がり、地物野菜のポテンシャルを感じる一皿。こんなにかぶがおいしいって初めて知ったかも。
那須塩原ブランド品
- 認定番号0027 ナチュラルチーズ(株式会社のもり)
- 認定番号0024 塩原かぶ(塩原そ菜生産出荷組合)
魚料理:金目鯛のポワレ 高原ほうれんそうのエチュベ ソースヴェルモット 甲殻類のジュ/肉料理:那須野ヶ原牛サーロインのロティ 那須のむらさき香るソースジャポネ
魚料理にも付け合わせとしてほうれん草やかぶといった地物野菜。甲殻類のソースにも決して劣らない存在感がすごい。
メインの肉料理は、那須野ヶ原牛のサーロインに地元のブランド醤油「那須のむらさき」を使ったソースを合わせたもの。肉はスッと切れる柔らかさなのに赤身肉のような濃い旨みで、思わず唸ってしまうほどに感動的でした。
那須塩原ブランド品
- 認定番号0008 高原ほうれんそう(塩原高原野菜生産出荷組合)
- 認定番号0029 那須野ヶ原牛(鈴木レジャー産業株式会社)
- 認定番号0026 那須のむらさき(有限会社那須醤油)
- 認定番号0039 那須塩原のれんこん
スイーツ:クレームダンジュ ソースフレーズ/ペアリングのワインなど
食後のスイーツは、千本松牧場の乳製品をふんだんに使ったクレームダンジュ。ふんわり雪のようで、中にはこれまた地産のイチゴのソースがちらり。
各料理には、那須塩原のワイナリー・渡邊葡萄園醸造をはじめとしたワインやシードルをペアリング。同じ土地で作られたものどうし相性は最高で、次に訪れたときにも迷わず一緒にいただきたいおいしさでした。
那須塩原ブランド品
- 認定番号0004 千本松牧場牛乳(ホウライ株式会社)
- 認定番号0009 NASU WINE(渡邊葡萄園醸造)
- 認定番号0017 しおばら千二百年焼酎・芋/麦(塩原ブレス)
東京からたった1時間で行ける夢の世界
木漏れ日が差す那須塩原の森はとても印象的だった
那須塩原が誇る食材と八芳園シェフによる特別ディナーを終え、余韻に浸りながら外へ出ると、あたりはもう真っ暗。都会ではまず出会えない、澄んだ静けさが広がっていました。東京からわずか約1時間とは思えない別世界。そしてこの地で育まれた誇りあるおいしさの数々。近くにあるからこそ深く知らなかった魅力に触れられたことが、ツアーを通じて得られた何よりの収穫かもしれない。
帰りの新幹線でそんなことを考えていると、あっという間に煌々とした首都の明かりが目の前に。素敵なものは遠くではなく、案外すぐそばにもある。そんな当たり前を、那須塩原での夢のような一日が思い出させてくれました。いつか日常に疲れたらまた夢を見に那須塩原へ行こうと思います。
栃木県那須塩原市本町1-1
営業時間:火~金 10:00~21:00/日 10:00~18:00
定休日:月・土
電話:0287-63-9031
HP:https://www.nasushiobara-library.jp/
[photo tsuchida]


