スペイン北部を横断する、世界遺産の道
日本でいう四国のお遍路のように、世界各地にも巡礼の路があります。なかでもスペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」は、およそ1200年の歴史を持ち、毎年数万人の巡礼者が訪れることで有名。世界遺産にも登録されています。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路は、フランスを起点にスペイン北部をほぼ横断する800kmの道のり。巡礼者は、おおよそ1カ月かけて旅をします。
巡礼といっても、観光やスポーツ感覚で参加する人も少なくありません。移動手段は徒歩が基本ですが、自転車などの乗り物を使う人もいます。
そして、その旅路の美しいこと。豊かな自然や歴史的建造物が巡礼者たちを迎えます。また、道中には専用の宿泊施設が点在し、旅をサポートしてくれます。
ホタテ貝が巡礼の目印。一期一会の貴重な時間
サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路のシンボルは「ホタテ貝」。巡礼者たちは、その印としてホタテ貝をザックにつけて歩きます。
巡礼の最終地点は、サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂。中世以来、十二使徒聖ヤコブのお墓を納めた巡礼聖堂として知られています。
旅を終えた巡礼者たちは、ここで「コンポステーラ」という巡礼完了の証明書をもらいます。
サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路には、世界中から様々な目的や願いを持った人々が参加します。そうした人たちとの出会いと別れも、旅の醍醐味といえるでしょう。
人生のなかで一度はこの道を歩き、神聖な気持ちで自分を見つめ直したいものです。
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