美しい自然の景観で知られるカナディアン・ロッキー。そこに静かにたたずむ、宝石のような湖「ルイーズ湖」をご存知でしょうか。湖畔に広がる針葉樹の森、深いエメラルドグリーンをたたえる湖水。絵本の1ページのような風景です。
不思議な色彩を生む氷河
まだ氷が残る春のルイーズ湖。冬はホッケーができるくらい分厚い氷に覆われます。
表面を覆う氷が溶けると、宝石のような色合いが顔を出します。氷河が溶けた水に含まれる泥により、このようなエメラルドグリーンが生まれるのだそう。世界で最も美しい氷河湖とも言われるこの湖は、英国のビクトリア女王の娘、ルイーズ・キャロライン・アルバータの名にちなんでつけられたといいます。
湖畔には、お城のような4つ星ホテル「シャトーレイクルイーズ」がひっそりと建っています。
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ホテルのエントランスからの眺めは、合成写真かと思うほど。三方をロッキー山脈に囲まれ、別世界のように見えます。
朝はとびきりの水鏡に
その湖面が巨大な鏡になる、朝焼けの時間。朝霧の中、黄金色に染まる山の頂が湖の差し色となり、昼とはまた違った表情を見せてくれます。
朝日が登るにつれ、色合いも変化していきます。奥に立ちふさがる巨大な氷河の白。森の緑。空の青・・・。もうしばらくすると、あたりがさらに明るくなり、エメラルドグリーンの湖に戻るのです。
ルイーズ湖は美しいだけでなく、厳かな気品に満ちています。だからこそ、王女の名が冠され、「カナディアン・ロッキーの宝石」の異名を持つのかもしれません。
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