アーウィン・ショーの小説「夏服を着た女たち」ほど、NYの女性をよく描写しているものはないでしょう。
「僕はニューヨーク市のことを考えると、女の子がみんな街をねり歩いている光景を想像する。ユダヤ人やイタリア人、アイルランド人、ポーランド人、中国人、ドイツ人、黒人、スペイン人、ロシア人の女の子さ。
僕だけが特別にそうなのか、それともこの街のどの男も同じ感慨を胸に秘めて歩いているのか、それはわからないけれど、僕はこの街でピクニックでもしているような気分なんだ。
劇場で女たちの近くに座るのが、僕は好きだ。
支度をしてそれらしく思えるまでに6時間もかける有名な美女たちさ。
それから、フットボールの試合を見に来る、ほっぺたを赤くした若い女たち。
そして、陽気がよくなると、夏服を着た女たち」
(講談社文庫 アーウィン・ショー「夏服を着た女たち」より抜粋)
夏のNYの女性は、同性から見ても思わず見惚れてしまうほど魅力的。
夏には女性にばかり、視線が向かってしまうほど。
自尊心が強く、野心に溢れた彼女たちに、夏ほど似合うシーズンはありません。
夏を丸ごと身体全体で受け止めるのが、NYの女性の潔いところ。
思い切り良く肌を露出して、自信を持って、美しさをアピールしています。
しなやかに伸びた脚、
陽に焼けた肩、
眩しいような胸元を惜しげもなく晒して、夏を楽しむのです。
[All Photo by Hideyuki Tatebayashi]