【世界遺産】砦に住まう。一族数百人が生活を送る中国の円形住居「福建土楼」

Posted by: 山口彩

掲載日: Jun 24th, 2014

【世界遺産】今も人々が生活を続ける、中国の円形住居「福建土楼」

福建土楼(ふっけんどろう)。漢民族の末裔である客家(はっか)が、異民族の侵入を逃れて南下し、福建・広東省の山奥に建てた住居です。

砦でもある住居

【世界遺産】今も人々が生活を続ける、中国の円形住居「福建土楼」

客家は独自の文化や言語をもっていました。よそ者である彼らは、周りの住民との争いも多かったため、敵を防ぐ砦の役目もかねて、土楼を築いたそう。

【世界遺産】今も人々が生活を続ける、中国の円形住居「福建土楼」

上空から見ると、特殊な何かをつくっている工場のようにも見えます。中には、楕円形や方形のものも。

【世界遺産】今も人々が生活を続ける、中国の円形住居「福建土楼」

土楼の壁は厚さ2メートル近くあり、頑強でセメントよりも硬く、雨風から守るのはもちろん、耐震・防火の役割も果たします。井戸や食糧庫もあるので、1〜2年籠城することもできるのだとか。

一族の絆を強める空間

【世界遺産】今も人々が生活を続ける、中国の円形住居「福建土楼」

中はさながらスタジアムのよう。開放的で親密な空間です。

【世界遺産】今も人々が生活を続ける、中国の円形住居「福建土楼」

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広い中庭には、土楼により井戸や先祖をまつる堂があったり、家畜小屋があったり、木造家屋が何重にも連なっていたりします。入り口はたいてい、1つしかありません。

【世界遺産】今も人々が生活を続ける、中国の円形住居「福建土楼」

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木造の家屋は、どこか懐かしい雰囲気。夏は涼しく、冬は温かいそうです。共同生活という意味でマンションの原点ともいわれますが、1階は台所、2階は食堂、3階は倉庫、4階は寝室という構造が多いようです。基本的に隣とはつながっていないので、すごく縦長な居住空間といえます。

【世界遺産】今も人々が生活を続ける、中国の円形住居「福建土楼」

土楼は客家だけでなく地元の人々が住んでいたものもありますが、その数は4000以上。そのうち福建省にある46の土楼が、世界遺産に登録されています。

【世界遺産】今も人々が生活を続ける、中国の円形住居「福建土楼」

夜、ライトアップされた土楼の風景も素敵です。宿泊できる土楼もあるので、ホームステイ感覚で客家生活を体験してみるのもよいかもしれませんね。

[All Photos by shutterstock.com]

PROFILE

山口彩

Aya Yamaguchi 統括編集長

インターネットプロバイダ、旅行会社、編集プロダクションなどを経てフリーに。旅と自由をテーマとしたライフスタイルメディア「TABIZINE」編集長を経て、姉妹媒体「イエモネ」を立ち上げる。現在は「TABIZINE(タビジン)」「イエモネ」「novice(ノーヴィス)」「bizSPA!」統括編集長。可愛いものとおいしいものとへんなものが好き。いつか宇宙に行きたい。

インターネットプロバイダ、旅行会社、編集プロダクションなどを経てフリーに。旅と自由をテーマとしたライフスタイルメディア「TABIZINE」編集長を経て、姉妹媒体「イエモネ」を立ち上げる。現在は「TABIZINE(タビジン)」「イエモネ」「novice(ノーヴィス)」「bizSPA!」統括編集長。可愛いものとおいしいものとへんなものが好き。いつか宇宙に行きたい。

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