オランダでは毎年、『Wadlopen(ワドローペン)』、日本語で『泥歩き』というアクティビティが開催されています。オランダ北部には5つの島があり、本島と島の間の海が引き潮になったときを見計らって、皆で歩いて渡ります。さて、ワドローペンというアクティビティが始まってきっかけは何だったのでしょうか?
オランダ北部、北海沿岸に連なる、西フリージア諸島とヨーロッパ大陸の内海は、「ワデン海」と呼ばれています。遠浅のために海水と真水が頻繁に入れ替わるという、特殊な環境に適応した生物が織りなす希少な生態系で知られており、世界遺産にも登録されています。
「自然の宝庫、ワデン海の美しさを全身で味わおう!」そんなアイデから生まれたのが、ワドローペンです。
さまざまなツアーが開催されており、ワデン海を良く知るエキスパートのインストラクターが同行してくれます。何かあった時も安心ですよね。
相手は自然。その日の天候に合わせて、臨機応変に対応する事が必要になってきます。腰まで水に使ってしまう事も。
だけど、皆と一緒に渡れば楽しいこと間違いなし!励まし合いながら前に進んでいきます。
途中でこんな出会いもありますよ。
体全身で自然の恵みを感じられる瞬間。ストレスゼロの世界を味わってほしい、主催者はそんな願いも込めているそうです。
所要時間は3~6時間のツアーが多いようです。ルートも様々で、ツアーによっては年齢制限を設けていたり、家族で参加をすすめるという条件つきのものもあります。
贅沢をせず、シンプルな生活スタイルを好む人が多いオランダ。ワドローペン(泥歩き)という、素朴で少し変わったアクティビティは、そんなオランダ人の性格を反映しているようにも思えます。
ものすごい速さで成長を続ける我々の社会。時には、自然を全身で満喫できる時間を過ごしたいですよね。ワドローペンは、そんな貴重な時間を与えてくれる、ユニークなアクティビティではないでしょうか。思いっきり泥まみれになれば、頭も心もスッキリする事間違いなさそうです。
【Youtube動画/ワドローペンの様子】
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