富裕層に人気の米国の旅行雑誌「トラベル+レジャー」による世界の人気観光都市ランキングで、京都市が初めて1位となったそう。その京都で最も有名な寺院のひとつともいえる清水寺に、七不思議があるのをご存知でしょうか。
実は七つどころではない不思議たち
清水寺の不思議は探してみると、実は七つどころではないそう。数ある中から境内めぐりがより楽しくなりそうなものをご紹介します。
阿吽ならぬ阿阿の狛犬
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本堂が見えないことから、目隠し門の異名もある仁王門。門前の狛犬は、なぜか左右とも口を開けています。一般的な狛犬は、口を開けている「阿形(あぎょう)」と、口を閉じている「吽形(うんぎょう)」が並んでいるもの。お釈迦さまの教えを世に大声で知らしめるためともいわれていますが、はっきりした理由はわかっていません。また、門の木口に耳をつけ、反対側から誰かが叩くと、カンカンと音が響く「カンカン貫」も見どころのひとつ。
恋愛を叶える首ふり地蔵
善光寺堂の手前にあるこのお地蔵さまはなんと首を動かせるんです。想い人がいる方向に首を向けて願うと恋愛成就するといわれていて、女性に人気があるそう。
鬼瓦ならぬ龍瓦
三重塔には東南の角のみ鬼瓦ではなく水の神「龍」の瓦がついています。不思議ですね。でも実は、防火のおまじないなのだそう。
六本足の鐘楼
普通鐘楼の柱は四本であることが多いそう。しかしここは六本。それだけ鐘が重いということらしいのですが・・・。
巨大な仏足石
朝倉堂の東側にある、弁慶が残したとも、平景清(たいらのかげきよ)が残したとも伝えられる、約50cmもの大きな足跡が刻まれた石。足形をなでた手で足腰の痛いところをさすると治るといわれています。
隠れフクロウの手水鉢
龍の口から水が注がれる手水鉢。どこにフクロウが? と思いきや、手水鉢の下部に彫り込まれています。どうしてそんなわかりにくいところに隠れているのでしょうか・・・。
清水の舞台
釘を一切使わずに組まれた清水の舞台は、不思議を放つ匠の技。その昔、祈願のためここから実際に飛び降りた人々もいたそうです。生き残れば願いが叶い、命果てても極楽浄土へ行けると信じられていたとか。本堂には、弁慶の爪痕とも呼ばれる「お百度参り」の痕も。電灯のない時代、夜な夜な願かけに参拝した人々たちが壁をたどって行くときにつけられたものだそう。
この他にも、どこから見ても睨まれているように見える八方睨みの虎、ひとつだけ金具が逆向きの馬柱、歯痛のある人は渡ってはいけないとされる轟橋、平景清が爪で掘ったといわれる観音像、弁慶のものとされる鉄杖と下駄・・・などなど数々の不思議で満ちた清水寺。時間をかけてじっくりめぐってみたいですね。