ヨーロッパとアジアの境界線近くにある都市、エカテリンブルク(Yekaterinburg)には、私たちを不思議な世界に引き込む、岩塩鉱山が地下約200m(650ft)に存在します。現在は立ち入り禁止となっているこの岩塩鉱山。政府の特別許可によってのみ、立ち入る事ができるそうです。好奇心に掻き立てられたイギリスのフォトグラファー、Mikhail Mishainik氏がその様子を写真に収め、Daily mail にその様子が公開されました。
このマーブル柄のレイヤーは「カーナライト」と呼ばれる、カリウムとマグネシウムの塩化物を主成分とする鉱物です。そのカーナライトが渦をつくり、このような「インテリア」が出来上がります。カーナライトは通常黄色や白になることが多いようですが、例外として他の色になることもありえるそうです。
「アーティストがわざわざペイントしにきたのでは・・?」と思わせるような、素晴らしい、ゴージャスなグラデーションですよね。
この鉱山はなんと、数キロメートルにも渡って続いており、鉱山の中をつなぐトンネルは約6.5km(4miles)。実際に写真を撮ったMishainik氏はこの時の感情を、「すごく変な感じがした。あまりにも地上から離れた場所にいるためか、時間という感覚を忘れた」と話しています。
地下200mもの場所での作業は、もちろん大きなリスクがあります。少し不気味な気がしないでもないですが、カラフルな色に染まった鉱山はプレッシャーのなかで働いていた作業員の気持ちを和ませる、そんな存在だったかもしれませんね。
見れば見るほど、奥に吸い込まれていきそうな感覚を受けます。自然がつくりあげるアートの力を見せつけられる思いです。
ロシアの地下に眠る、幻の岩塩鉱山。この自然界のグラデーションが、写真のなかで私たちを異世界へと連れて行ってくれます。
[All photo by Mikhail Mishainik]