ホーチミン市から北西約100kmに位置するホアタイン県。ここには、世界の宗教が融合した新興宗教カオダイ教の総本山があります。「なんだか怪しい・・・」と思った人にこそ見てほしい!エキセントリックとも言えるその寺院の内部へご案内しましょう。
ようこそ異世界へ
カオダイ教は、1919年ゴ・ミン・チュウにより創設された新興宗教です。その最大の特徴は、世界中の宗教をミックスした点にあり、仏教、儒教、道教、イスラム教そしてキリスト教の教えを取り入れました。
一見すると教会のようですが、よく見るとアジア的要素が入っているのが分かります。
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壁にある「天眼」と呼ばれるカオダイ教のシンボルがお出迎え。強烈な視線を感じずにはいられません。
中に入るとすぐ目に飛び込んでくる祭壇の天眼。天井にはきれいな青空が広がり、柱の極彩色に彩られた竜たちが幻想的な雰囲気を醸し出します。
二階の見学用バルコニーからは全体が見渡せます。
礼拝の時間
カオダイ教寺院では、1日に4回の礼拝が行われます。その様子は観光客にも公開されており、連日多くの人々が訪れます。
一説には200万~300万人もの信仰者を持つと言われるカオダイ教の礼拝は、頭を上げ下げする様子がイスラム教を思い出させます。
信者は白のアオザイ、赤が儒教、青が道教、黄色が仏教の僧侶と色分けされています。
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カオダイ教寺院への行き方
ホーチミン発のツアーに参加するのが一般的で、その場合はクチトンネルの見学と一緒に組まれます。自力で行くことも可能ですが、途中バスの乗り換えがあり、接続も悪いことが多いため3時間以上は見積もる必要があるでしょう。また、ツアーバスの快適さに比べ、ローカルバスは乗りごごち悪し。帰りは、ホーチミン行のバスに乗り遅れないよう注意が必要です。
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床掃除をする信者の女性。ひとりで訪れてもあたたく歓迎してくれます。
異宗教間の争いが絶えないこの世界で、異色を放つカオダイ教。その圧巻のコンセプトは、今も世界中の旅行者を惹きつけています。
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