秘湯ファン、あるいは温泉ファンであれば、富山県の黒薙(くろなぎ)温泉を知っているかもしれません。
日本経済新聞が選ぶ日本の百名湯にも選ばれた名湯で、交通の便が悪い北アルプスの山中にありながら、コアなファンに愛される秘湯でもあります。

(C) 黒薙温泉旅館
今回は、富山県の黒部峡谷にある黒薙温泉の魅力を紹介したいと思います。
トロッコ電車でしか行けない秘湯

(C) 黒薙温泉旅館
黒薙温泉は、黒部峡谷トロッコ電車でしか行けない山間の秘湯になります。
黒部峡谷トロッコ電車とは、黒部市の宇奈月駅から欅平(けやきだいら)を結ぶ全長20.1kmのトロッコ電車。もともとは黒部川流域の電源開発を目的に作られた鉄道で、昔は資材と労働者だけを運搬していました。
近年になって一般公開され、旅行者も乗れるようになったのですが、その黒部峡谷トロッコ電車が停車する駅の1つ、黒薙駅から山間を分け入ってアプローチする秘湯が黒薙温泉になります。
1645年に発見された立ち入り厳禁の湯

(C) 黒薙温泉旅館
黒薙温泉の発見は、日本の鎖国が完成して間もないころの1645年になります。発見当時は温泉付近が隣国の越後や信濃へ抜けるルートになるとして、防犯上の目的から開湯や立ち入りが固く禁じられていました。
それでも近隣に住む人たちは湯治目的でひそかに足を運んでいたとか。その後、江戸幕府が滅びる1868年に加賀藩から開湯の許可が下りて、正式に黒薙温泉が誕生します。
源泉からは98.3℃の弱アルカリ単純泉が毎分2,000リットルと豊富にわき出しています。そのお湯は主に引湯管で7.5km下流まで運ばれ、富山県随一の温泉地、宇奈月温泉の源泉として宿や旅館で利用されています。
広さ28畳の河原にある源泉掛け流しの大露天風呂も魅力

(C) 黒薙温泉旅館
黒薙温泉では、河原に作られた28畳の大露天風呂(混浴、女性専用時間もあり)や、同地にある一軒宿から30mほど離れた絶壁の上にある天女の湯(女湯、男性専用の時間もあり)などで入浴が楽しめます。
宿泊はもちろん、日帰り入浴も大人650円、子ども300円で可。
以上、日本の百名湯にも選ばれる黒薙温泉についてまとめました。
最寄り駅からの遊歩道は、運動不足の人からするとそれなりに厳しい行程になりますが、苦労の末にたどり着いた山間の秘湯には他では味わえない面白さと魅力があります。
同地の温泉宿、黒薙温泉旅館は黒部峡谷トロッコ電車が運行する4月から11月の間だけ営業をしています。今シーズンのチャンスはあとわずか。一度は足を運んでみたいですね。
[黒部峡谷温泉郡(黒部市) – とやま観光ナビ]

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
1979年東京生まれ、埼玉育ち、富山県在住。成城大学文芸学部芸術学科卒。国内外の媒体に日本語と英語で執筆を行う。北陸3県を舞台にしたウェブメディア『HOKUROKU』の創刊編集長も務める。
https://hokuroku.media/
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