白い街が点在するスペイン南部アンダルシア地方に、目の覚めるようなブルーに彩られた村があります。その村の名前はフスカル(Juzcar)。
全てが青い、小さな村
マラガ県の山間に位置するフスカルは人口約240人の小さな村。実は、元々は他の村と同じようにアンダルシアの伝統的な白い家々が建ち並んでいたのですが、転機が訪れたのは2011年のことでした。
きっかけは映画のプロモーション
その転機とはなんと「映画」。ソニー・ピクチャーズの3Dアニメ映画「スマーフ」の公開に先立って、プロモーションを行う場として選ばれたのがフスカルだったのです。
ソニー・ピクチャーズは、スマーフ(青い妖精)に合わせて村全体を青く塗ることを要請し、この要求を受け入れた村は、一般の民家から教会、病院までフスカルの175もの建物に青の塗装を施しました。こうして青い村が誕生したのです。
それまで年間300人ほどしか訪れることがなかったフスカルは、話題作のプロモーションの地になったことで、半年で約8万人が訪れる大人気スポットになったのです。これが村の大きな収入源ともなり観光客が村にもたらす経済効果は大きく、過疎の村を救う結果になりました。
当初は映画のプロモーションが終われば元の白い村に戻すという条件で了承したもの、住民投票を行った結果「反対33票、賛成141票」と、フスカルを青色のまま残すことに決定し「スマーフ村」として生まれ変わったのです。
現在でも村のいたるところで、スマーフのかわいいキャラクターの姿が見られます。
高い失業率など経済状況の厳しさが度々伝えられるスペインで、映画のプロモーショをきっかけに活気に満ちてきたフスカル。スペインを旅する機会があれば、目の覚めるようなブルーに彩られた小さな村を訪れてみてはいかがでしょうか?
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