ネパールの首都カトマンズの郊外に、スワヤンブナートと呼ばれる仏教寺院があります。カトマンズ周辺は見るべき場所がたくさんあるのですが、同地に滞在したとき真っ先に現地ガイドの大学教授が連れていってくれた場所。どうしてこの寺院だったのでしょうか?
そこで今回は現地ガイドの解説をもとに、各種資料の情報をプラスして、モンキーテンプルと呼ばれる同寺院の魅力をまとめます。
スワヤンブナートにはカトマンズ盆地を一望できる絶景の展望台がある
スワヤンブナート寺院は、カトマンズの中心部(タメル地区)から徒歩30分ほどの高台にある寺院。
熱心な信者の参拝する場所ですから、観光地という表現はある意味で失礼にあたるのかもしれませんが、あえて言えば日本人観光客がネパール旅行で最初に行っておきたい場所の1つ。その理由は、旅の拠点であるカトマンズ盆地を一望できる絶景の展望台があるからですね。
長い階段の上にある高台の頂上に着くと、寺院、博物館、宿泊所などの中心にネパール最古と言われる仏塔(ストゥーパ)が建っています。その仏塔を時計回りに進むと、かつて湖だったというカトマンズ盆地の広大な景観を一望できる展望台に着きます。
丘の上に吹く風を感じながら、茶色いレンガ造りの町並みを眺めてください。自分が滞在する町がどういった場所や広さなのか、全体像や距離感を把握できますよ。
景色を満喫したら、仏塔の方をあらためて振り返り、風に揺れる五色の祈祷(きとう)旗や地面にひれ伏す信者を眺めてみてください。日本とは全く異なる時間の流れ方に気が付くはず。
モンキーテンプルと呼ばれるだけあって、そこかしこに居るサルもかわいいですが、けがをさせられる恐れもありますので、うかつに手は出したくないですね。
仏塔の巡礼は時計回りが作法
ちなみに現地ガイドが教えてくれたのですが、仏塔の参拝は時計回りが作法だとか。ガイドブックにも掲載されているように、ブッタに対しては右肩を常に見せて尊敬の念を示さなければいけないからだといいます。一人で旅行するときなどは覚えておきたいです。
また、仏塔をぐるりと取り囲むように筒状の車輪(マニ車)も並んでいます。正式なお参りでは、その車輪に触りながら時計回りに歩み、祈祷(きとう)の文句を唱えるべきなのだとか。
「触ってもいいか?」と聞くと、現地ガイド(ヒンドゥー教徒)は「もちろん」と教えてくれました。
冷やかし半分で回しても大丈夫なのかと少し不安になりましたが、軽く触れると想像以上に重かった印象が残っています。現地に訪れたら、同じように心静かに触れさせてもらってみてください。数多くの信者の歩みがじんわりと伝わってきますよ。
以上、カトマンズ郊外にある仏教寺院スワヤンブナートを紹介しました。カトマンズの中心部からタクシーでも200円ほど。地震の被害も一部にあったそうですが、今は観光客の受け入れも再開しているそう。ぜひとも足を運んでみてくださいね。
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Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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