ネパールには多くの仏教寺院があり、ストゥーパと呼ばれる仏塔もたくさんあります。中でもボタナートにある仏塔はネパール最大。首都カトマンズの中心部から車で30分ほど、チベット仏教の聖地に建つ仏塔ですが、
「似たような仏塔は他でも見られるでしょ?」
というなかれ。実はこのボタナートの仏塔はネパール最大というだけでなく、満月の夜になると幻想的な光景を楽しめる場所です。
そこで今回は現地ガイドと一緒にボタナートを回った経験のある筆者が、各種の資料やガイドブック情報を追加で参考にしつつ、その魅力をまとめました。
ボタナートの周辺はスピリチュアルな何かを感じさせてくれる
そもそもボタナートのストゥーパ周辺は、聞くところによるとかつて、普通の農村だったとか。その土地に多くのチベット亡命者が移住し、町を作り、その規模をどんどん拡大させ、次第に現在の姿に近付いていったようです。
実際にボタナートに足を運んでみると分かりますが、巨大なドーム状の仏塔の周辺にはにぎやかな街が広がっており、自動車もバイクも人も盛んに行き交っています。かつて静かな農村だったとは、なかなか想像できません。
ただ、ストゥーパの周辺だけは独特の静けさがあり、スピリチャルな何かを感じさせてくれます。大通り沿いにあるチケット売り場で入場券を購入できますので、チケットを買い細い路地を抜け、ストゥーパの周りを作法通り時計回りに歩いてみてください。
勝手な思い込みかもしれませんが、なぜか太陽がいつもより温かく感じられたり、世界が普段よりも明るく見えたりします。
「自分は信仰心が薄い」と普段から考えている人も、何かを感じて帰ってこられるはず。まずは一度、明るい時間帯に訪れてみてください。
満月の夜には格別に美しい仏塔を見られる
その上で、もう一度訪れたい時間帯が夜。昼と違って夜も違った顔を見せてくれます。現地のガイドによれば、仕事帰りに参拝する人のために夜はライトアップをするそう。さらにそのライトアップは満月の夜になると段違いで美しくなるとか。
残念ながらまだ満月の夜の光景は見られていないのですが、仏塔のドームの下にある穴の中に並ぶ小さな仏像がロウソクで照らされ、仏塔の周辺にはバターライトの灯明が無数に捧げられるといいます。
満月の明かりと灯明で、息をのむほど美しい仏塔が目の前に現れる・・・。一度見てみたい光景ですよね。
ボタナートの料金所の近くに置かれていた鉄柵には「Visit again(またのお越しを)」の文字が書かれていました。「暦を見ながら、満月の夜にまた来よう」と思わせてくれる場所ですよ。
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Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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