イタリアと温泉、あまりイメージにないかもしれませんが、イタリアも日本と同じように火山帯を有しているので、数多く温泉が湧いています。古くから温泉施設の整備が行われ、古代ローマ時代の人々も温泉を楽しんでいたそうです。
さて、そんな温泉大国イタリアから、ローマ時代から使われていた温泉「バーニョ・ヴィニョーニ」をご紹介します。
オルチャ渓谷の美しい自然に抱かれた温泉
バーニョ・ヴィニョーニはイタリアの中央部トスカーナ州、美しい丘陵地帯のオルチャ渓谷にあります。
古代ローマ時代から温泉として利用されており、イタリアの国の聖人サンタ・カテリーナやローマ教皇ピオ2世、メディチ家の当主ロレンツォ・ディ・メディチなどが湯治に訪れた記録が残る、由緒正しき温泉です。
アミアータ火山を熱源とする温泉で、カルシウム、マグネシウム炭酸水素塩を含みます。温度は約50度前後と日本の温泉に比べてやや低めです。
町の中心には温泉をひいた大きな浴槽があります。49m×29mもありますから、浴槽というよりはプールですね。これを中心に小さな町ができています。
日本で言う温泉街ですが、中世の頃の建物をそのまま残した町はとてもかわいらしい佇まいです。
さらに温泉を有効利用しようと引かれた水路も残っており、そこではこのように大自然の中、足湯を楽しむことも出来ます。また、今ではこのお湯を利用した近代的なスパ施設も建ち、訪れた人々を今も温かく迎え癒してくれています。
イタリアと言えば、おいしい料理、ワイン、ファッション、芸術と思っていた方、次はぜひイタリアの温泉に注目してみませんか? 日本の温泉と言えば、隠れ家的にゆっくり楽しむ温泉街がイメージしやすいですが、イタリアの温泉は雄大な自然の中で楽しむものがたくさんあって、とても楽しいですよ。
[All photos by Ryoko Fujihara]