女性であれば、ヒスイという宝石をご存じですよね。古代のころからアクセサリーとして重宝され、装飾品を超えて呪術的・宗教的な意味すら持ったという貴重な石。なんとそのヒスイを無料で拾える海岸が富山県にあるとご存じでしたか?

(C) 坂本正敬
そこで今回はヒスイ海岸と呼ばれる宮崎・境海岸に出掛けてきました。「ちょっと一人でいろいろ考え事をしたい」という週末女子の一人旅にぴったりの場所ですので、その魅力を紹介したいと思います。
ヒスイが無料で拾える美しい海岸

(C) 坂本正敬
ヒスイの拾える海岸は通称でヒスイ海岸と呼ばれています。正式名称は宮崎・境海岸。渚100選にも選ばれる美しい海岸で、大粒の砂と小石が散らばる海岸線が、松原とともに4kmに渡って続いています。
冒頭でも触れた通り、その宮崎・境海岸ではヒスイが“無料”で拾い放題。ヒスイが拾える海岸は全国的に見てもこの宮崎・境海岸と、県境を共にする新潟県の親不知(おやしらず)の沿岸しかありません。
「そもそもどうしてヒスイが拾えるの?」
という方、確かにその通りですよね。新潟県側の県境近くには橋立ヒスイ峡という場所があり、ヒスイの国内唯一の産地となっています。
その橋立ヒスイ峡に面した青梅川からヒスイの原石が日本海に流れ出し、その原石が荒波などで混ぜ返され、親不知周辺や隣接する宮崎・境海岸に打ち上げられるのですね。

(C) 坂本正敬
「ヒスイは波が荒れた後が狙い目」
とは、毎日ヒスイを拾いに来ているという地元の方。海岸で出会ったその方は、木の棒の先におたまを縛り付け、腰をかがめなくてもめぼしい石をピックアップできるお手製の道具を使用していました。過去に嵐の翌朝、ピンポン玉くらいあるヒスイの原石を拾った実績もあるとか。
残念ながら筆者が訪れた時間は午後。仮にヒスイが打ち上がっていても、ほとんど拾われているとの話でした。しかも、ヒスイは意外に見分ける作業が大変です。
どういった石を狙うべきなのか、一度海岸を離れ、越中宮崎駅前でヒスイの販売・加工・鑑定を行っているショップに足を運んで、教えてもらうことにしました。
大きなヒスイになると1個2万円で取引される

(C) 坂本正敬
駅前にあるショップにお邪魔すると、展示棚にはヒスイの原石がごろごろ。お店を取り仕切る年配の女性に、「いいの取れましたか?」と聞かれたので、何がヒスイかさっぱり分かりませんでしたと答えました。その方いわく、
1.他の石より重い
2.まん丸ではなく、角ばったり、いびつな形をしている
3.白い中にきらりと光る緑が見える
などが見分けるポイントだとか。確かに展示品のヒスイを持たせてもらうと、ずしりと重みを感じます。なるほど海辺に落ちていた丸石とは明らかに違います。

(C) 坂本正敬
「この大きな石は1個、いくらくらいですか?」と、棚の上に展示されていた、赤ちゃんの握りこぶしくらいの原石の値段を聞くと、「2万円くらい」と、教えてくれました。ちなみに「今から冬になる時期は狙い目。海が荒れるので、大きな石が浜辺に打ちあがりやすい」とか。過去には一抱えもある巨大なヒスイが打ちあがった歴史もあるそうです。その値段は、数十万円をくだらないとの話でした。

(C) 坂本正敬
これから宮崎・境海岸でヒスイを拾う場合は、最初に駅前にあるショップに立ち寄って、どういった石がヒスイなのか、しっかり勉強してから訪れたいですね。
海辺は松原の美しい景観が広がっています。日本海の波音を聞きながら、心静かに石を拾っているうちに、悩みや迷いや苦しみや閉塞感も、吹き飛んでいるかもしれませんよ。
以上、富山県の朝日町にある宮崎・境海岸を紹介しました。
近隣には、冷えた体を温めてくれる漁師の食べ物、たら汁のお店がたくさんありますし、ちょっと車を走らせれば、開湯400年以上の歴史を誇る名湯、小川温泉元湯や、富山最大の温泉街である宇奈月(うなづき)温泉もあります。
拠点は北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅。駅前のロータリーでレンタカーを借りて、周辺を自由に移動してみてください。
[宮崎・境海岸(ヒスイ海岸) – とやま観光ナビ]

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
1979年東京生まれ、埼玉育ち、富山県在住。成城大学文芸学部芸術学科卒。国内外の媒体に日本語と英語で執筆を行う。北陸3県を舞台にしたウェブメディア『HOKUROKU』の創刊編集長も務める。
https://hokuroku.media/
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