噛み終わったガムでうめつくされる壁
アメリカのシアトルには、「ガムの壁」という観光スポットがあります。
ここ、歴史的な建造物でも現代アート作品でもありません。たくさんの人が、噛んだ後のチューインガムを壁にはりつけ、建物の壁がガムだらけになっているという、ちょっとグロテスクなスポットです。
シアトル髄一の観光名所であるパイクプレイスマーケット内にあることも手伝って、世界中の観光客がこの壁を一目見ようと集まってきます。
また、誰でも自由に噛んだガムを追加することができます。アメリカのチューインガムはカラフルなので、壁もやっぱりカラフルに。
噛んだあとのガムなのに、こうやって無数に集まると、きれいに見えるから不思議です。実際、結婚記念写真の撮影場所として人気で、映画の撮影にも使われたことがあるそう。
ガムの壁の清掃がスタート
このガムの壁がある建物には、「The Market Theater」という劇場が入っています。ある日、劇場のお客さんが噛んでいたガムを壁に貼りつけました。その様子を真似して、次から次へほかのお客さんもガムをつけ始めたそうです。
劇場のスタッフはガムで汚れた壁を何度か清掃したものの、最終的には諦めてどんどんガムがたまっていきました。そして、1999年頃からこの壁が観光名所として人々の目を引くようになったのだとか。
実際にガムの壁を見に行くと、周囲に充満するガムの匂いがかなり強烈・・・。ガムに含まれる甘味料の独特の匂いなのでしょう。さっと写真だけ撮って早々に退散したくなります。また、一つひとつのガムも、至近距離で見るとけっこう汚いです。
建物にもよい影響を与えていません。どうやら、ガムがレンガを腐食し始めているらしいのです。ガムをこのままにしておくわけにはいかないということで、2015年11月10日、壁の清掃作業がスタートしました。
ついに100万個と見られるガムがはがされることに!
きれいになったガムの壁
清掃は数日間続き、シアトルで最も不潔なスポットとして人気だった壁が、ついにきれいになってしまいました。
ガムが折り重なって見えなくなっていたレンガも、姿を現しました。
でも・・・
この写真は清掃数日後の写真ですが、既に新しいガムがこんなについています。
劇場の入り口もスッキリしましたが、やっぱり既にガムがついてます。
清掃後数日でこのペースですから、また元のガムの壁に戻る日も近いかもしれません。ということは、きれいなガムの壁を見ることができるのは、今がチャンスです!