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【インタビュー】あえてガイドブックからはずれる旅を/半年仕事・半年旅人 村上アシシ

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最初はもっとコンサル臭の漂う本だった

【インタビュー】あえてガイドブックからはずれる旅を/半年仕事・半年旅人 村上アシシ

—予算の具体例も絶妙ですよね。例えば飲食費の基準が『朝食はホテル代に含まれたブレックファースト、昼食は地元の屋台やファストフード、ショッピングモールのフードコートなどで済ませ、夜はリーズナブルなレストランを選んで、ビールやワインをたしなみつつ(2~3杯程度)、地元料理を食べる』とか。

今回の本は、旅の達人や編集のプロなど10人以上のブレーン陣に原稿を見てもらったんです。そこでその人の立ち位置から、ああでもない、こうでもないとフィードバックをもらいました。そういうみんなの知見を凝縮したからこそ、絶妙な具体例に落とせたのかなと。

予算の基準についても同様で、ターゲットはミドルクラス。2つ星〜3つ星クラスのホテルを基本にしつつ、貧乏旅行ならホステルワールドというサイトがあるよ、とか。4つ星ホテルに泊まりたいならチップや宿泊費でプラスこれだけかかるよ、とか。そういった枝葉の情報もケアしつつ、基本の値段をズバッと書く、というところはこだわりました。

—完成版は、最初に書かれたものとかなり違うんですか?

「大まかな構成やコンセプトは変わっていません。でも実は最初、前半部分はもっとコンサル臭が漂ってたんです(笑)。僕の周りだと『コンサルと旅を融合させる』なんて、どストライクなんですよ。」

—どストライクなんですか!?

「本当にそうなんですよ。コンサル業界の人間にとって『旅とはプロジェクトであるーたしかに! まさに! こんな本待ってたよ!』って人は周りに多かったです。でも、コンサル業界とは無縁なブレーン陣からは、『こんな本、論理的すぎて読めないよ!』という駄目出しをもらって(笑)。

世の中的には、『プロジェクトって何?』という人も多いわけです。『したがって〜』とか『なぜならば〜』とかコンサルタントが経営層に提案するような文章、すべての事象に理由がついてくるみたいな文章は好まれない、と。文章を読みやすくするためにも、一般受けする文章のテイストに修正する作業は結構頑張りましたね。」

予算から入る旅は、目的がしょぼくなる

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—「Where(どこ)」や「How much(いくら)」からではなく「Why(なぜ)」から旅を始めるという提案が印象的でした。

「もともとこの本では、旅の予算を立てる方法って2パターン用意してたんですよ。1案目は先に旅の目的を決めてからトップダウンで落とし込んで、最後に予算を積む方法。これが実際本で紹介されている内容です。

とはいっても多くの人にとって休める期間は決まっていて、予算もある程度限られるじゃないですか。予算ありきでボトムアップで計画する方法を2案目で用意していたんです。これはたしかに地に足のついたやり方なんですが、それをやると絶対に旅の目的がしょぼくなるんですよ。それって、パッケージツアーとほとんど変わらないじゃん! という話になって。それで2案目のくだりはバッサリ切ったんです。」

—たしかに、はっきりした目的があれば、予算や時間を打破しようという気持ちも生まれそうですよね。

「そう。予算がないなら貯めろ! 休みが足りないなら上司に交渉しろ! ということです。でも、目的のレベル感は人によって全然違っていいと思うんですよ。僕みたいにワールドカップまでに32か国踏破というぶっ飛んだ目標を立てる人もいれば、ただリゾート地に行って癒されたいという人もいる。あとがきにも書きましたが、100人いれば100通りの答えがあっていいんです。

僕は旅もかなり理詰めで考える方ですが、旅人って本来自由人が多いから(笑)。現地でトラブルがあってなんぼ、トラブルも楽しみますっていう人も多いですよね。そういう人は当然、そんなに準備に時間をかけたって絶対計画通り行かないんだから、と思うわけです。それはそれで、その人に合った旅のスタイルだと思います。

でも、社会人ならやっぱり出発日があって、帰国日がある。どの都市に何日間いて、何を見て、というのは事前にある程度決めたいですよね。そのとき役立つ「型」は絶対あって、その方法論を提供したかったんです。

それが旅程表だったり、5W2Hで旅の計画を立てる方法だったり。それをどこまでミリミリやるかはその人次第ですが、『Why(なぜ)』をびしっと決めることで、必要以上に状況に流されることは減ると思います。より達成感が味わえる旅になるでしょうね。

—ただ単に『旅行に行きたいんで有給とります』より、『◯◯したいので』という目的があった方が有給もとりやすくなりそうですね。

「まさにそう。“次のロシアワールドカップを現地で応援したいから”という理由で2018年の6月は休みをくださいって既に上司に言っている人が、実際僕の周りにはいっぱいいるんです。上司もワールドカップじゃ仕方ないか、となる。それは、ワールドカップのような4年に一度のイベントでなくたっていいんです。『リオのカーニバルをどうしても一度見てみたいから2月に休みをください!』でもいい。『Why(なぜ)』が明確だと、単なる休暇ではなくて夢やミッションのように感じられて、旅のチャンスを逃しにくくなるという側面は絶対にありますね。

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