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【インタビュー】あえてガイドブックからはずれる旅を/半年仕事・半年旅人 村上アシシ

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あえてガイドブックからはずれる旅を

【インタビュー】あえてガイドブックからはずれる旅を/半年仕事・半年旅人 村上アシシ
トゥーロンのレストランにて

—そうはいっても、やはり日本人は自分で計画を立てる個人旅行より、ガイドブックをなぞる旅やパッケージツアーを好むように感じます。

「成功例とかマニュアルとか、そういったものが好きなんですよね、きっと日本人は。人気のあるものを求めるのは、日本人の心理かもしれません。でも、あえてガイドブックからはずれる旅というのも、意外と面白い。自分でノウハウ本を出版しといて、あれですけど(笑)。」

—ロジ旅の場合は、計画の仕方や防犯対策の具体例が書かれているのに対して、市販されている旅行ガイドブックはおすすめの観光地が羅列されているイメージがあります。

「フォローありがとうございます(笑)。そういうガイドブックに書いてある鉄板の観光地ばかり行くのも味気ないと僕は思うんです。具体例をあげると、フランスの地中海沿いにトゥーロンという町があるんです。そこでサッカーの小さな大会があって行ったことがあるんですが、有名な観光地という感じではないし、英語をしゃべれる現地人も少ない。地球の歩き方にも載ってなかった。

なんだけれど、そこがすごくよかったんですよ。ヨットハーバーにヨットがダーッと並んでて、海もすごくきれいだし、レストランもかなりリーズナブル。スーパーでワインのボトルを買うにしても安いもので2〜3ユーロで買える。なんだこの町は! と思いましたね。

トゥーロンは現地人御用達のリゾートなんですが、そういうガイドブックに載ってない町でも、いいところはあるんです。」

—そうやってガイドブックをなぞらない、個人旅行の醍醐味とは何ですか?

「僕は、ずっとレールに乗っかっていた人間なんですが、28歳のとき会社を辞めて独立して、ブレイクスルーしました(笑)。プロジェクトに入っているときはある程度制限がありますが、そうでないときは、明日何してもいいんですよ。突然海外に行ってもいいし、ずっと寝ててもいい。明日の可能性が無限大なんですよ。

それって旅でも一緒で、個人旅行だと何をしてもいいじゃないですか。観光が全てではなくて、疲れてたら部屋にこもって本を読んでてもいいし、夜は気晴らしに地元のバーに繰り出してもいい。“明日は何しよっかな?”という自由って、それだけでワクワクしますよね。そういう非日常における本当の意味での自由ってのが、個人旅行の醍醐味だと思います。

半年旅人ならではの旅の裏技あれこれ

—『入国審査には白いYシャツ』と書かれていましたね。

「これは、僕以外にもいろいろな人が言っていて、旅の上級者にとってはもはや常識ではあるんですが・・・。身なりを整えておくと、入国審査で不必要に怪しまれないというテクです。もちろん糊のきいたパリパリのやつじゃなくて、色も白じゃなくても大丈夫。襟付きのシャツを着ているというだけで、違うと思いますよ。」

—書籍の中では特に航空機移動について詳細に書かれていますが、ストップオーバー(途中で乗継地に24時間以上滞在すること)におすすめの地はありますか?

香港やシンガポールですかね。香港なら夜景を見て飲茶を楽しむ。シンガポールならマーライオン見て海南鶏飯(チキンライス)食べて。利便性も高い街だし、さくっと観光するのに向いてるんじゃないかと思います。あとは、ドバイ、アブダビ、ドーハあたり。短い時間でも、降り立っただけで異国情緒を感じられるのが、中東の国の魅力です。」

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シンガポールにて

—防犯対策も厚めに解説していますが、旅先で話しかけてくる、怪しい人と親切な人との見分け方ってありますか?

「基本的に、相手から話しかけられた場合は関わらない方がいいですね。特に観光地とか空港とかで話しかけてくる現地人は、警戒した方がいいです。明らかにこちらが観光客だとわかってますから。現地の人と交流したいなら、自分から話しかけるのが一番。オープンなバーのカウンターとかは話が弾みやすいですよ。

でも、いくら自分からとはいっても、空港で見知らぬ人に荷物を見ててほしいと頼んだりしないでください。実際そうして全部持って行かれちゃった友人がいるんで(笑)。」

—TABIZINE読者に、お土産探しのアドバイスを!

「僕は、これぞと思うお土産があったら、その場で買う。後にしない。だいたい、他でも売ってるだろうと思ってたら売ってなかったり、また来ようと思ってたら時間がなくなったりするものなので。

やらぬ後悔よりやる後悔。やらなかった後悔って、後々絶対引きずるんですよ・・・。それから、本にも書きましたが、ステッカーなど各国で必ず買うお土産を決めて集めると楽しいですね。

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各国のお土産ステッカーを貼ったトランク

—最後に、個人旅行だからこその「人との出会い」エピソードを聞かせてください。

「ドイツにサッカーを見に行ったときに、ケルンで『ホテルがどこも満室で困った!』ってツイートをしたら、日本語を話せるドイツ人がいろいろアドバイスをくれたんです。彼のタイムラインを見てみると怪しくなかったんで(笑)、実際に会って、最終的には彼の家に泊まらせてもらいました。

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ドイツにて

彼とは今でもつながっていて、僕がドイツに行くときはもちろん必ず会います。彼の日本語ツイートを添削したり、彼が日本に来たときは一緒に食事をしたり。しかもそれがどんどん広がって、ブンデスリーガ(ドイツ連邦共和国のプロサッカーリーグ)を観に行くサッカー好きの知り合いは、ドイツに行くとたいてい彼と会う、というくらいに輪が広がってるんです(笑)。

『ロジ旅』ブレーンの黒岩さん(世界248の国と地域を全踏破した旅人)との出会いも旅先でした。2007年にアジアカップでマレーシアに行ったときに空港で出会ったんです。

実はそのとき、すっごいトラブルが起きて。僕らは3位決定戦を見るためにインドネシアに行く予定だったんですが、そこにいた日本人十何人が『その空港はアライバルビザがとれないので日本人は飛べません』て言われたんです。

いやいや、8時間後にキックオフなんですけど(笑)って、そこから始まったんですよ、リアルな『24(トゥエンティフォー)』の世界が。本当にドラマでしたよ。中には仕事で来ているライターの人もいたんです。みんなで運命共同体になって『どうする!?』って考えて、調べて、最終的にはチケットを破棄してジャカルタ乗り換えで行くことにしたんです。

それでも、乗り換え便はインドネシア国内のローカル線だからここ(マレーシア)では手配できない、ジャカルタに行ってから手配しろと言われて。でも行ってみたらタイムラグで席が埋まっていて全員は乗れないと言われ、パニックに(笑)。限られた乗り継ぎ時間、交渉に次ぐ交渉でがんばったら、どうにかビジネスクラスに入れてもらえたんです。

で、空港に着いて、走って、荷物を持ったままタクシーに飛び乗ってスタジアムに直行して、キックオフ5分前にギリギリ到着できました。席に着いたら国家斉唱(試合前のセレモニー)という劇的なタイミング。結局その試合は負けたんですけど、一生忘れられない経験をしたと思いますね。

そこで出会った人たちとは今でも連絡をとってます。その中でも大阪在住の知人はよく僕が関西に行く時に泊めてもらってます。もう家族ぐるみの付き合いですね。非日常で出会った人たちって、意外と一生の友だちになったりするもんですよ。

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「村上アシシ」プロフィール
【インタビュー】あえてガイドブックからはずれる旅を/半年仕事・半年旅人 村上アシシ
(C) Atsushi Murakami

村上アシシ/本名:村上敦伺(むらかみあつし)
1977年生まれ、北海道札幌市出身。職業は経営コンサルタント・著述家。2009年から2010年にかけて、南アフリカワールドカップ出場32か国を訪問し、『世界一蹴の旅』(双葉社)という書籍を上梓。「半年仕事・半年旅人」のライフスタイルを2006年から継続中。サッカー日本代表が出場する国際大会は毎年参戦するコアサポーター。

著書:『ロジ旅: ひとりでできる! 失敗しない海外旅行術 [Kindle版]』、『ブラジルワールドカップへの行き方 [Kindle版] 』、『日本代表サポーターを100倍楽しむ方法』(From One)、『世界一蹴の旅 サッカーワールドカップ出場32カ国周遊記』(双葉社)
ブログ:http://atsushi2010.com/
フェイスブック:http://www.facebook.com/atsushi.murakami
ツイッター:http://twitter.com/4jpn

[Photos by Atsushi Murakami&shutterstock.com]

山口彩

Aya Yamaguchi 編集/ライター
インターネットプロバイダ、旅行会社、編集プロダクションなどを経てフリーに。旅と自由をテーマとしたライフスタイルメディア「TABIZINE」編集長を経て、姉妹媒体「イエモネ」を立ち上げる。現在は「イエモネ」「TABIZINE(タビジン)」「novice(ノーヴィス)」統括編集長。可愛いものとおいしいものとへんなものが好き。いつか宇宙に行きたい。


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