イギリス北部のスコットランドでは、初夏と初秋の年二回、ヘザー(Heather)という花が草原一杯に咲き誇る光景がよく見られます。
花の色は主にライラック色から紫ですが、珍しい白いものもあるそう。ヘザーはウィスキーやビール(エール)の香りづけに使われたり、かつては燃料や建材、染料としても利用されたのだとか。更に古代からヘザーにまつわる様々な伝説が存在することから、魔除けとして身に着ける人も少なくないそうです。特に白いヘザーは「幸福な未来」の象徴とする言い伝えがあるため、結婚式の装飾などによく使われています。
スコットランドの国花にはアザミ(Scottish thistle)が採用されていますが、生活に深く根差したヘザーは人々に心から愛されています。そんなヘザーを使用したアクセサリーが存在するので、ぜひご紹介したいと思います。
エキゾチックなデザインの「Heathergems」
(C) facebook/Heathergems
「ヘザージェムス」(Heathergems)と名付けられたこのアクセサリーは、スコットランド中部の街Perth郊外で作られています。中央に幻惑的な彩りの石が配置され、台座はスコットランドのルーツのひとつにもなっているケルト風のデザイン。とても素敵なアクセサリーだと思いますが、いったいどのあたりにヘザーが使われているのでしょうか?
実は、中央の石(のように見えるもの)がヘザーからできているのです。
(C) facebook/Heathergems
ただ一口にヘザーといっても、使われているのは花ではなく茎や幹の部分です。見かけは木の枝ですね。こんな野性味あふれる植物が、どのようにしてあんなに美しい宝石のようになるのでしょうか。
ヘザーの茎が、美しいアクセサリーになるまで
(C) facebook/Heathergems
ヘザーの花の季節が終わり秋になると、ヘザージェムスの人々は伐採を開始します。この時に集められた茎や幹を洗浄し、天然素材から採取された染料を使ってカラフルに染め上げるのです。
(C) facebook/Heathergems
形状は原形のままですが、彩りは美しいですね。そしてこれらをバラバラにして混ぜ合わせ、圧縮して固めてしまうのです!
(C) facebook/Heathergems
その圧縮されたかたまりを板状にスライスしたものがこちら。だいぶ雰囲気がでてきましたね。
(C) facebook/Heathergems
それを宝石のように丸くカットし、表面にコーティングを施します。
(C) facebook/Heathergems
このように丁寧な手仕事をいくつも経て、こんなにエキゾチックなアクセサリーに仕上がるのです。ちなみにこのペンダントのデザインは、スコットランドの国花アザミがモチーフになっているのだとか。
(C) facebook/Heathergems
丸形以外に、可愛いスコティッシュ・テリアを象ったブローチも。スコティッシュ・テリアもスコットランド原産と言われているので、納得のデザインチョイスですね!
男性向けには、マネークリップやカフスボタンなどもあります。
(C) facebook/Heathergems
眺めているだけでも時間を忘れてしまう美しさなので、置物としてこのようなブロックを飾っても素敵ですね!
世界にたったひとつのジェム
(C) facebook/Heathergems
染色した茎や幹をランダムに混ぜて作るヘザージェムスには、2つとして同じ表情のジェムは存在しません。世界にたったひとつの、自分だけのジェムという特別感がありますね。そして身に着ければ、ヘザーの魔除けの力に守られているような気持ちになれるのでは。
ヘザージェムスのオンラインショップでオーダーすれば、日本まで配送も可能だそうです(送料別途)。ラインナップを見ているだけでも楽しいので、ご興味あれば覗いてみてください。
[Photos by Shutterstock.com]
[Scottish Heather – Versatile & Beautiful]
[Heathergems]
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