シアトルは読書の街。2015年、アマゾンが発表した全米の都市別「書籍・雑誌・新聞の販売ランキング」で1位を獲得したほどです。アマゾンだけでなく、実店舗で本を買う人も多いのでしょう。味わいある独立系書店(インディーズ書店)や古本屋さんが山ほどあります。中でも歴史ある名店を3店ご紹介します。
1.シークレット・ガーデン・ブックス(Secret Garden Books)
- 絵本が充実している
- 近隣の散策が楽しい
バーネットによる児童小説『秘密の花園』、最近でいえば大人のぬりえブームを巻き起こした『ひみつの花園』を思い起こさせる独立系書店。1977年創業で約40年の歴史を持ちます。
お店の売りは絵本。入口のすぐ左手に、色とりどりの絵本が勢ぞろいしています。運が良ければ著者のサイン本に出合えることも。上写真のように書店員による推薦文がついていることも多いので、本選びに迷ったら参考にしてみましょう。
お店はバラードという地区の大通りに面し、周囲にはカフェ、パイ店、ドーナッツ店などが並んでいます。買った本を近くのカフェで開いてゆっくり読書、なんて最高の過ごし方ではないでしょうか。
2. マガス・ブックス(Magus Books)
- 専門書が充実している
- 文化財のようにアンティークな店内
1978年創業、独立系の古書店としては最も歴史あるお店のひとつです。ワシントン大学周辺のユニバーシティ・ディストリクトという大学街にあるため、古典文学やマニアックな専門書など、他では見つけられそうにない希少本が揃っています。
ジャンル分けを見ているだけでも楽しいです。「数学」「天文学」に始まり、「チェス」「分類不可」なんてジャンルも。また『ラジオの組み立て方』や『はじめてのコーラン』など、「世の中にこんな本が存在するのか!」と驚かされる逸品がぎっしり。
天井までそびえたつ本棚は、迷路のように入り組んでいます。隅々に面白いマンガや新聞記事が本棚に貼られていて、それを探すのも楽しみの一つだったり。
タイプライターで打たれたような文字で、本棚のジャンルが表示されています。正直とっても見づらいのですが、味わいがあって許せてしまう。文化の薫りに満ちた、楽しい古本屋さんです。
3. エリオット・ベイ・ブック・カンパニー(Elliott Bay Book Company)
- カルチャーの発信地に位置する
- 書店員によるおすすめ本がたっぷり
「シアトルの本屋さん」といえば忘れてはならない定番の独立系書店。1973年、シアトル発祥の地ともいえるパイオニア・スクエアにオープン。2010年に、現在のキャピトル・ヒルに移転しました。ヒップなカフェや雑貨店が次々オープンする活気あるエリアです。
この店の魅力は、何といっても「スタッフおすすめ」の棚。おすすめコーナーは大抵の本屋さんにありますが、これだけ大きい本棚はなかなか見かけません。一冊一冊に寄せられた手書きの推薦コメントも、熱がこもっています。広い店内で「一体どの本がいいだろう?」と途方にくれたら、この本棚へ行けば何かお気に入りが見つかります。
おすすめ本をピックアップした冊子も特徴です。入口のすぐ正面に置かれているので、まずこれでお目当てを見つけてから、冊子片手に店内を回るのもいいでしょう。
[Elliott Bay Book Company]
[All photos by Misako Treutel]