イタリア弾丸旅行で観るべきもの&食べるべきもの【妄想を実現する在住者からの手紙】

Posted by: 藤原亮子

掲載日: Dec 18th, 2016

イタリア在住、TABIZINEライターの藤原亮子です。「ああ、旅に出たい」ふとそう思うことはありませんか? 忙しい毎日、でもチャンスがあれば、弾丸でもいいから旅をしたい! そんな妄想に、ちょっと現実の色を添えてみましょう。在住者が友達にあてて書く手紙のような、とっておきの現地情報をリレー形式で連載します。妄想を実現するための一押しになることを願って。

もし弾丸でイタリアを旅するとしたら、ここを観よう!これを食べよう!

「もしイタリアを弾丸で旅するとしたら、どこに行く? 何を食べる?」

イタリア在住の筆者が、弾丸の旅のポイントとなる、観たい名所1つと食べたい名物料理1つを、イタリアの有名都市ごとにご紹介します。

【ミラノ】

首都ローマについで、商業、工業、金融の中心となる都市。観光でも見所のある街ですが、やはりファッションの街として注目を浴びることの多いミラノです。そんな街ですから、ぜひおしゃれにショッピング三昧といきたいところですが、弾丸で「ミラノに来た!」と味わいたい方は、ここを訪れてください。

ミラノで必ず観たい!:ミラノのドーモ

もし弾丸でイタリアを旅するとしたら、ここを観よう!これを食べよう!

ミラノの象徴でもある大聖堂「Duomo di Milano」は、19世紀、ミラノ公国を支配していたナポレオンの命によって完成した世界最大級のゴシック建築です。まるで、白いレースをあしらったドレスを着た貴婦人のような、気高く美しいその姿に、きっと息を飲むことでしょう。

ミラノでまずこれを食べよう!:ルイーニの「パンツェロッティ」

もし弾丸でイタリアを旅するとしたら、ここを観よう!これを食べよう!

美しいドゥオーモを眺めたら、そのすぐ側にある「Luini」へ走りましょう。1888年から続く老舗のパン屋さん。ここの名物「パンツェロッティ」を買って、すぐさまかぶりつきましょう。ふんわり揚げパンの中の濃厚トマトソースととろけるモッツァレラチーズのおいしさに、イタリアにいる喜びを感じることでしょう。

[LUINI MILANO]

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【ベネチア】

“アドリア海の真珠”とも呼ばれる、世界無二の美しき水の都ベネチア。中世、屈指の海軍力を有し、海運業で栄えたベネチアの、財を尽くした至高の美しさは、今なお私たちをときめかせてくれます。街の景観そのものも美しいのですが、歴史的建造物や美術館も多いベネチア、観るものはたくさんあります。でもひとつだけ、というのであればぜひゴンドラに乗ってください。ちょっぴり高いですが、ひるまないでください、乗る価値は十分にあります。

ベネチアでまず体験すべきもの:ゴンドラ

もし弾丸でイタリアを旅するとしたら、ここを観よう!これを食べよう!

世界屈指の観光地であるベネチアは、いつも観光客でいっぱい。でもゴンドラに乗って、迷路のように張り巡らされた水路を進めば、その喧噪から一気に離れます。水際から観る街の景色、櫂が切る水音が、きっとあなたを悠久の街の旅へと誘ってくれるでしょう。

ベネチアグルメを堪能したいならここへ:バーカロ

もし弾丸でイタリアを旅するとしたら、ここを観よう!これを食べよう!

バーカロとはお店の名前ではありません。“チケット”と呼ばれるフィンガーフード的なおつまみとともに、立ち飲みで軽く飲むベネチア特有のスタイルのこと。漁を終えた漁師さんが、海で冷えた体を温めるためワインを飲むのにバーへ立ち寄っていたところに、ちょっとしたおつまみを出していたというのが始まりだとも言われています。つまみの種類は実に豊富で、海辺の街ならではの海鮮を使ったものも多く、なかなかイケるのです。ワイワイと賑わうお客さんに混じって、立ち飲みでいっぱいひっかけてみれば、ちょっとベネチア人になった気分にひたれるでしょう。

【フィレンツェ】

ルネッサンス芸術が生まれた、芸術の都フィレンツェ。まだ絵が、文字のように何かを伝える手段でしかなかったところから、一気に芸術へと昇華した奇跡の時代の中心であったこの街は、今もたくさんの芸術作品を保有し、見きれないほどの美術館や教会、文化施設がひしめいています。それを見て回るには一週間あっても足りないので、お急ぎの時はまずここへいきましょう。

フィレンツェを堪能するなら絶対ここ!:ミケランジェロ広場

もし弾丸でイタリアを旅するとしたら、ここを観よう!これを食べよう!

フィレンツェの街が一望できる高台の広場です。ルネッサンス建築の至宝、大聖堂を筆頭に、ルネッサンス芸術が花開いた当時の面影をそのままに残すここは、街自体がひとつの芸術作品のような美しさです。いつ観ても美しいのですが、特に夕暮れから街のあかりが灯る頃がおすすめです。広場にある階段に座って、悠久の街を過ぎていく夕暮れの景色は、きっとあなたの旅の忘れられない景色になるでしょう。

フィレンツェの名物料理と言えばフィレンツェ風Tボーンステーキ「Bistecca alla Fiorentina」。骨付きの肉厚ステーキを炭火で豪快に焼いたこの名物料理は、ぜひ味わいたい逸品ですが、通常1kg超で出されるので、食べるのにも覚悟がいります。もしお急ぎの旅でもフィレンツェを味わいたいなら、こちらがおすすめです。

フィレンツェのソールフード:ランプレドット

もし弾丸でイタリアを旅するとしたら、ここを観よう!これを食べよう!

ランプレドットとは牛モツを煮込んだ料理。レストランなどで、メイン料理として出されることもありますが、フィレンツェっ子は、これをパンに挟んでパニーノ(イタリアのサンドイッチ)にして食べます。街のあちこちに屋台で売られているフィレンツェのソールフードです。牛モツの旨味がぎゅっと濃縮したこの味わいは、もはやただのサンドイッチとばかにできない美味しさです。

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【ローマ】

古代から続くこの街こそ、どれだけ観ても観たりない魅力に溢れた街。その中でどれかひとつだけ観るものを挙げるとなると難しいのですが、やはり、古代ローマの息吹が聞こえてきそうなここを訪れるべきかと思います。

観るだけじゃない、ローマを感じるには外せない:コロッセオ

もし弾丸でイタリアを旅するとしたら、ここを観よう!これを食べよう!

“全ての道はローマに続く”といわれたほど、一時は世界の中心であったローマ。その頃のローマを観ずして、ローマを旅したとは言えません。建物としての美しさも必見ですが、闘技場として使われていたコロッセオに立てば、その当時の人々の興奮や、荒々しい戦いの熱が容易に想像できるでしょう。きっと熱い潮のようであったその当時の世界の中心を、ここでぜひ想像してみてください。それはただ観光資源を見て回るだけよりも、もっと楽しい旅の醍醐味をあなたに見せてくれるでしょう。

ローマの名物で、日本で一番有名なのはやっぱりカルボナーラでしょう。でもここはあえて、現地でしか味わえないおいしさとなるとやっぱりカルチョーフィでしょう。

ローマでぜひ味わいたい!:カルチョーフィ

もし弾丸でイタリアを旅するとしたら、ここを観よう!これを食べよう!

カルチョーフィはアーティチョークのこと。イタリアでよく食べられるポピュラーな野菜です。特にローマは“カルチョーフィ・ロマネスコ”とローマの名のついたカルチョーフィがあるくらいの産地。「カルチョーフィ・アッラ・ロマーナ」はローマ名物のカルチョーフィ料理です。日本ではあまりなじみのない野菜ですが、旨味がしっかりと味わいは病みつきになるおいしさです。

[Photo by Ryoko fujihara & shutterstock.com]

PROFILE

藤原亮子

Ryoko Fujihara フォトグラファー&ライター

イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、’09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、イタリアで撮影・執筆活動をしつつ、更なる美しい景色を求めてカメラ片手に旅を続けている。

イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、’09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、イタリアで撮影・執筆活動をしつつ、更なる美しい景色を求めてカメラ片手に旅を続けている。

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