【TABIZINE 現地特派員による寄稿】
ギョルクンデレの谷のキノコ岩
「そこらじゅうにキノコ岩があると思いました」
カッパドキアを観光で訪れたお客様の言葉です。
カッパドキアと聞いて想像するのは、一定の地域に密集して存在するキノコ岩だらけの風景のようですが、実はキノコ岩と呼ばれる奇岩は、カッパドキア地域のあちらこちらに点在しています。
UNESCOの世界遺産には、「ギョレメ国立公園およびカッパドキアの岩石遺跡群」として登録されています。そもそもカッパドキアとは、現在のトルコの正式名称ではなく、ネヴシェヒル県にある一定の地域をさした呼称です。
奇岩群は広範囲に点在していますから、車などでの長距離移動が必要にはなります。それでも、カッパドキアに来られたならば、たくさんのキノコ岩のポイントを見てほしいところ。なぜなら、キノコ岩といっても場所によって形も大きさもまったく異なるからです。
3姉妹の岩
まずは、一番有名なキノコ岩、「スリー シスターズ 三姉妹の岩」。
ツアーでも、必ず訪れるポイントです。
キノコ岩が3つ・・・ならぬ5つ並ぶ場所。このキノコ岩は、頭が小さく「シメジ」タイプですね。
ラブバレー上空から
胴の部分が長い、鉛筆型のキノコ岩があるのは、「ラブバレー」。
正式名称は、「バールデレの谷」ですが、ラブバレーと呼ぶほうが一般的です。
なぜ、谷の名前が「ラブ」なのかはご想像にお任せするとして、たくさんのキノコ岩が乱立する必見のポイントであるこのラブバレー、残念ながら、ラブバレーの見学が含まれたツアーは少なく、各旅行代理店のプライベートツアーに参加するか、個人で行かねばならない場所です。
パシャバー
こちらもキノコ岩が集まる有名な観光スポット。めずらしい、頭が3つのキノコ岩があります(写真右手)。
パシャバーの見学は、通常のツアーにも含まれていますし、路線バスでも比較的に訪れやすい場所です。同じエリア内には、洞窟住居跡など見学ポイントもあり、さらにうれしい無料で見学できる場所です。
ギョルクンデレの谷
キノコ・・・ならぬ「タケノコの里」型のキノコ岩が集まる「ギョルクンデレの谷」ギョレメ村のすぐ裏手にあるポイント。
ギョレメ村から徒歩でも訪れることができる場所ですし、ギョレメの高台「サンセット ポイント」から見下ろせば、眼下に広がるギョルクンデレのキノコ岩群をみることができます。
ギョレメ村の中心にあるローマンキャッスル
ギョレメ村は、もともとキノコ岩のたくさんあつまる場所であったのだとか。現在でも、キノコ岩を洞窟住居として活用している場所もあり、さらにキノコ岩の内部に宿泊できるホテルもあります。現在ほど条例が厳しくなかった昔には、キノコ岩は生活に密着し、住居として活用され、そのために削られてしまったものも多いそう。それでも、いくつかのキノコ岩は、今も残っています。
こちらは、ギョレメ村の中心にある村のシンボル「ローマン キャッスル」と呼ばれるキノコ岩。古代ローマ時代の柱の名残が見て取れる美しいキノコ岩。村の中心に他の建物にまぎれて、他に同化するように存在するので、ギョレメを訪れる観光客にも気づかれずに終わることもあります。
今回ご紹介したのは、キノコ岩のほんの一部です。さらにキノコ型以外のユニークな形の奇岩もある世界に類をみないカッパドキア。観光で訪れるならば、たっぷりの時間をとって、大自然が作り出すユニークな情景を堪能してください。