英語には、Once in a Blue Moon(ワンス・イン・ア・ブルームーン)という表現があります。「青い月の時に一度だけ」とは、「ごく稀に」「滅多に起こらないこと」を意味します。
「ブルームーン」は、文字通り「青く見える月」。もう一つは「一定期間に追加の満月が巡ってくること」。
月の満ち欠けは平均約29.5日を周期で繰り返されるので、満月は月に1回です。ところが、満月の周期(平均29.5日)と1ヶ月の周期(30日強)がずれて、追加の満月が現れることがあります。「青く見える月」も「一定期間に追加の満月が巡ってくること」も、起こるチャンスが滅多にない、ごく稀なことです。
世界中が憧れる青い月
「青い色」を好む日本人に限らず、世界で一番好まれる色は青と言われます。「青い月」の神秘的なイメージから、名前を冠している場所や商品も多いですね。
理想郷のモデルから名付けられた、ブルームーンという場所
中国 雲南省 藍月谷(Blue Moon Valley)
イギリスの作家のジェームズ·ヒルトンの傑作「失われた地平線」で描写した、「青い月の谷」にある理想郷シャングリ・ラのイメージから「藍月谷」と名づけられました。英名ではBlue Moon Valleyの中国雲南省にある「藍月谷」は、青く澄み切った水が印象的な人造湖。棚田はコンクリートで作られています。
ブルームーンという薔薇
ドイツ産
青く輝く月の光を受けて、そっと花開くようなミステリアスな薔薇。花びらが薄く、透明感のある青みがかったラヴェンダーの花色。ブルー系特有のフルーティで爽やかな香り。バラなのにトゲが少なく、育てやすい、青色系のバラの中で評価が高い銘花といわれています。
和名 | ブルームーン |
---|---|
英名 | Blue Moon (Sissi,Blue Monday) |
系統 | 【HT】 ハイブリッドティーローズ |
作出者 | Tantau,M. (タンタウ) |
作出年度 | 1964 |
作出国 | Germany (ドイツ) |
花言葉 | 「神の祝福」「夢叶う」「奇跡」 |
ブルームーンというビール
アメリカ産
オレンジの香りのするベルギースタイルのホワイト・エールは、美しい名前に惹かれて飲む機会を持った方も多いでしょう。筆者も初めて飲んだきっかけは、名前の美しさ、青いラベルのボトルに惹かれたためでした。オレンジのスライスを添えて飲む、夏にぴったりのビールです。
月が青く輝く夜には
何かが起こりそうな気がします。
E.Tを自転車の前かごに入れたエリオットが、自転車で夜空を駆け抜けるのが見えるかもしれません。
青く輝く月に照らされて、狼男に変身。
Dracula’s medieval castle at night with full moon – Bran , Transylvania. Romania.
ドラキュラが身支度を整えて現れるのも、月が青く輝く夜。
ブルームーンの夜に、運命の相手と巡り合って、
恋に落ちるかもしれません。
Venice evening. Moon over Venice. Picture taken from the Academy bridge.
旅先で、一生涯忘れることの出来ない夜景を目にするかもしれませんね。
「人生に稀にしか起こらないこと」だとしても、私たちは望み続けるでしょう。青く輝くブルームーンが、私たちに夢や希望、ロマンやスリルを与えてくれる限り。
[All Photos by shutterstock.com]