ニューヨーク!ラテン料理を20ドル以下で食べ歩き
(c)Atsushi Ishiguro
昨年の夏に3週間、ニューヨークに滞在しました。その目的は、様々な国の料理に挑戦すること。20ドル以下でうまいものを出す店ばかり22か国料理にトライしました。出かけたのは主にランチ。知らない場所を夜歩くのは、ちょっと心配ですよね。今回は、その中から中南米料理3つをご紹介します。
上の写真は、ラテン系の人々が多く住む、マンハッタン島北部ワシントンハイツの八百屋さん。料理用のバナナや、ユカ(タロイモ)などが並び、ポスターはラテン系のものばかり。すでにラテンの国に来たかのような雰囲気です。
ニューヨークは人種のるつぼといいますが、実態は?
「様々な国からの移民がチャンスを求めて訪れるアメリカ。中でもニューヨークは人種のるつぼです」とは、昔から一般的に言われていますが、実際はどうなんでしょう? 調べてみると、ニューヨーク市の人口の37%が移民で、これに18歳以下の2世を足すとなんと48%になるんです。また、ニューヨークへの移民の数は順に、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、東アジア、西アフリカからが多いとのこと。
というわけで、ニューヨークにある各国料理の中でも移民が多い国のレストランは、ニューヨークにわたって来て生活を始めた移民のみなさんを相手にする、まさに本格派のお店が多いということになります。東京なら日本人のお客さんに合わせた味を提供しなければ集客は難しいかと思います。ですから、ちょっと状況が異なるんですね。
ベネズエラのバナナ料理パタコン
南米大陸の北端の真ん中に、カリブ海に面して位置するベネズエラ。野球が盛んで、日本のプロ野球に在籍する選手もいます。
この国の料理「パタコン」を食べられる店が、Cachapas y Mas (カチャパスイマス)。マンハッタン島の北の地域にある、ベネズエラをはじめ中南米からの移民が多い地区に出かけました。
(c)Atsushi Ishiguro
パタコンは、食用の青バナナをむっちりと固めた厚さ5mm、直径20㎝程にまとめた生地を揚げたものに、好みの具をはさんだもの。店員さんに聞くと、ローストポークが一押しとのことでした。しかし、この生地は、膨らませたものでなく、固めたものなので、ボリュームというか、重みがすごい。味つけはシンプル塩・コショウ、マヨネーズで、サラダも一緒にサンドされています。
おなかいっぱいになって、5ドル50セント。テイクアウトする人も多いのですが、着席して食べることもできます。
(c)Atsushi Ishiguro
↑ お店のカウンターはこんな感じで、いわゆるファーストフード店といった様子です。
ドミニカのスカートステーキとは?
ワシントンハイツは、週末の夜ともなればラテン系の皆さんが路上に繰り出し、夜遅くまで賑わう地域。そのメインストリートにあるMalecon Restaurant(マレコン レストラン)は、朝8時30分から深夜1時まで、朝ごはんから遅い晩御飯までが楽しめる、ドミニカ料理の店です。
一見、アメリカのどこにでもあるステーキハウスのようですが、かなりラテンなまりの強い英語のウェイトレスさんばかりだし、後ろの席にはラテン系の初老男性5人がスペイン語で何やら大笑いしていたりと、かなり異国情緒が醸し出されていました。
(c)Atsushi Ishiguro
店員さんにおすすめを聞いてオーダーしたのが、スカートステーキ。スカートとは、「ハラミ肉」のこと。長さ40センチはあるはらみが、折りたたまれて登場! ちょっとぎょっとする量でしたが、焼き具合がちょうどよく、難なく完食。
こんなにハラミを食べたのは初めて。というわけで、サイドディッシュ(バナナのフライ、フライドポテト、マッシュポテト、サラダなどから2つ)がついて17ドル25セントでした。
(c)Atsushi Ishiguro
↑ この近辺は路上の屋台も多く、南米料理に必要な野菜、果物なども売られています。また、日用品などもトイレットペーパーから時計まで。活気があります。
[Malecon Restaurant(マレコン レストラン)]
エルサルバドルのPupusaはまるでお焼き!
エルサルバドルは、中米に位置しているのですが、唯一カリブ海に面していない国です。そのかわり太平洋に面しています。この国の料理は、La Cabana Salvadorena(ラ カバナ サルバドレーナ)で。同じ地区にあります。
(c)Atsushi Ishiguro
ここではPupusaという、まるでお焼きそっくりのスナックを。エルサルバドルも中南米のトウモロコシ圏の国の一つ。トウモロコシの粉で作った生地に具を挟みいれて焼いたものです。その具は、豆、チキン、ポーク、チーズ、ブロッコリ、ズッキーニなど、バラエティ豊か。
(c)Atsushi Ishiguro
値段は具によって異なり、一つ2ドルか2ドル50セント。ポークとチーズを具にしたものをオーダーしてみました。それを、付け合わせの野菜とグレービーソースでいただきます。少し肉まんとか、お好み焼きをほうふつとさせる味。なんとなく、懐かしいのでした。
(c)Atsushi Ishiguro
↑ 店構えはこんな感じで、ちょっと入りにくいのですが、入れば普通の定食屋さんといった雰囲気でしたよ。
というわけで、どのお店もマンハッタンの北部の地域にあって、アクセスは便利。飛び交うスペイン語にちょっとドキドキしますが、ラテンの人たちの人懐っこさは、ここニューヨークでも健在!そして、どのお店も、その国々から来た人たちの舌を納得させる味でした。
今回は3つの国の料理をご紹介しました。また機会があれば、ほかの国のものもご紹介できればと思います。
[La Cabana Salvadorena(ラ カバナ サルバドレーナ)]
[All photos by Atsushi Ishiguro]