メキシコには、神秘に包まれた多くの絶景があります。その中でもマヤ語で「聖なる泉」の意味を持つ「セノーテ(Cenote)」は、神秘な青い水を湛えています。
「セノーテ」とは、雨水が時をかけて石灰岩を溶かすことにより、地下に大きな洞窟群が形成され、地下水が溜まった天然の泉のこと。大河のないユカタン半島で、セノーテを水源に古代マヤ文明が栄えました。「セノーテ」には雨の神チャクが宿ると信じていた古代マヤ人は、干ばつになると壺や瓶、器の供物を捧げ、雨乞いの祈りをしたと言われています。
天から下がるカーテンに囲まれた「セノーテ・イキル」
天から下りたカーテンのように、垂れ落ちる木の蔓に囲まれたエキゾチックなセノーテ。世界遺産チチェン・イツァの近くにあります。丸い井戸型のセノーテは、「聖なるブルーセノーテ」と呼ばれます。「セノーテ・イキル」は海底湖に鍾乳洞が水没しており、水深は40メートルと深く、水が冷たいです。5mという高さから飛び込みが出来ますが、海水と違い浮力がないので、泳ぎに自信がない人はライフジャケットを借りた方が良いでしょう。
[Cenote Ik-Kil| Cenotes Of Mexico]
最も美しいと言われる「グランセノーテ」
7000以上も「セノーテ」があるメキシコで、最も美しいと言われる「グランセノーテ(Gran Cenote)」。6500年以上も前に、自然が作り上げた芸術品です。
太陽光により水の色が、コバルトブルー、ターコイズブルー、ミントブルー、クリアブルーへ変化する美しさ。100m先まで見えるほどの透明度を誇りますが、訪れるなら朝一番にどうぞ。人が水に入ることにより、水が濁り透明度が下がるからです。水底に太陽の光が射しこむ「光のカーテン」に出会えたなら、あなたの人生観も変わるかもしれません。
「セノーテ」は、古代マヤ人に「異次元への入り口」と思われていたと言われています。自然が作り上げた絶景は、神様が私たちに与えた癒しの、そして神秘に満ちた奇跡のスポット。
にも関わらず、7000ある「セノーテ」の80%は人間によって汚染が進んだそうです。ダイバーを雇って、22の「セノーテ」のゴミの除去、汚水処理をする予算は150万ペソ(UDS73,000)。古代マヤ人が命の水源として崇め、残してくれた「セノーテ」。現代人の私たちはあるがままの美しさを守り、神秘にたいして尊敬の念を払うべきでしょう。かけがえのない美しいものを失ってからでは遅いのです。
[マヤの水の神殿を発見 “激動の時代”の爪跡か|National Geographic Magazine]
[Sacred Cenotes|National Geographic Magazine]
[カンクンで訪れるべき絶景のセノーテ3選|メキシカンクン]
[Cleaning up cenotes to continue in Yucatán|Mexico News Daily]
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