「タッカンマリ」という料理をご存知ですか? 韓国語で「鶏一羽」と、ストレートな名前を持つこの料理は、鶏一匹を大胆に使った鍋料理。日本でいえば「水炊き」です。韓国ではじっくり煮込んだ後に、すっぱ辛いタレにつけていただきます。
コラーゲンたっぷりで、ヘルシーな事で女性にも人気のタッカンマリ。そのタッカンマリがとっても美味しいお店が、東大門の近くにあります。韓国メディアはお断りというこのお店、毎日韓国人がひっきりなしに通うのだとか。早速訪れてみました。
メニューは「タッカンマリ」のみの潔さ!
そのめちゃくちゃ美味しい「タッカンマリ」のお店、「ソンガネタッカンマリ」は、東大門近くの新設洞(シンソルトン)の路地裏にあります。こんなところにあるの? とドキドキしながら歩いてると、ぷ〜んとニンニクのいい香りが。その香りの出元が「ソンガネタッカンマリ」でした。
店内は、韓国人のお客さんばかり。韓国メディアには紹介されていないのに、これだけお客さんがいるなんて、よほど美味しいのでしょう。期待が高まります!
メニューは、潔く「タッカンマリ」のみ! カルグクスはタッカンマリの最後の締め用のものです。他は焼酎や、ビールなどの飲み物になります。
鶏肉から出た出汁は最後まで飲み干したい!
わたわたと席に着くと、何も言わないでタッカンマリの鍋がセッティングされます。
丸ごとの鶏肉の上には、ネギや人参と、そして刻んだニンニクがてんこ盛り!スープの中には見えにくいですが、ジャガイモなども入っています。
このニンニクをみてください。た〜っぷりです。翌日の匂いなどの心配はありますが、これがスープの美味しさを引き出してくれるので、気にしてなどいられません。
しばらくすると・・・
お店の方がやってきて、丸ごとの鶏肉を、専用のハサミで切り分けてくれます。
すごい勢いで硬い骨も丸ごと切っていきます。これが早い! 写真がブレてしまうほど、手慣れた手つきです。
全部切り終えたところで、鍋に蓋をして強火で煮込んでいきます。このままお店の人がチェックしてくれるまで黙って待ちますよ。
酢醤油ベースのつけダレは自分好みの味に
待っている間に、お店のお母さん(というかおばあさん)が、日本人の私たちのためにつけダレを作ってくれました。
ベースは酢醤油になります。ここに自分の好みで調味料を加えていくのです。
いかにも辛そうな唐辛子、そしてマスタード。お母さん曰く、「とても辛いけど、入れたら美味しいわよ」とのお話。辛いのが苦手な人は、少しずつ入れていきましょう。
そして、ニラとキムチです。こちらは食べるときに鶏肉にトッピングしていただきます。
鶏の出汁が最高に美味しい!最後まで飲み干したいスープ
タレを作りながら待っている間に、お鍋が出来上がったようです。お店の方が、鍋の蓋を開けて確認してくれます。
強火で煮込んでるので、グツグツに煮立っています。鍋を開けた瞬間から、いい香りが!
出来上がった鶏肉は、そのまま浅漬けキムチを乗っけて、つけダレにつけていただきます。
鶏肉は様々な部位があり、骨もあったりしますが、どれも柔らかくて美味しい! これはどこかな? と思いながら食べるのも楽しいでしょう。
あとは、何よりもこのスープが絶品! 鶏肉を強火で煮込んで、たっぷり旨味が出ているので、このスープだけでもいくらでも食べれてしまう感じです。最後は、カルグクス(うどん)を追加注文して、最後の一滴まで食べ尽くしてしまいました。
金土日は混雑必至!早めの来店を
常連さんたちを多く抱える「ソンガネタッカンマリ」ですが、日本のメディアには紹介されたとのことで、日本人のお客さんも来られるようです。日本語を話せる店員さんはいませんが、とても優しくいろいろ教えてくれますよ。
外観からちょっと入りにくい雰囲気はありますが、本当に美味しいタッカンマリが食べれますので、勇気を出してみてくださいね。
ソウル特別市 鍾路区 崇仁洞 201-13
(서울특별시 종로구 숭인동 201-13)
[All Photos by Kaori Simon]