化粧品
国際線では、液体物の機内持ち込みに制限があることをご存知の方は多いでしょう。化粧水やクリーム、日焼け止めといった化粧品は液体物にあたり、機内に持ち込む場合は、それぞれ100ミリリットル(グラム)以下の容器に入れたうえで、すべての液体物を容量1リットル以下のジッパー付きの透明袋にまとめて入れる必要があります。
このとき、内容量が明らかに100ミリリットルに満たなくても、容器自体が100ミリリットルを超えていると没収されてしまうことがあるので注意しましょう。
また、化粧品に関しては、液体物としての制限のほかにも独立したルールが定められており、一容器あたり500ミリリットルまたは500グラム以下でかつ、一人あたり合計2リットルまたは2キロ以下と決められています。
長期の旅行や留学、あるいはお土産に大量の化粧品を持って帰る場合などはこの制限にひっかかりやすいので要注意です。
味噌などの液性の食品
機内持ち込みに制限がある液体物のなかには、一般的に「液体」とは呼ばれないようなものも含まれるので、注意が必要です。味噌などのペースト状の食品やジャム、ゼリー、果物の缶詰やシーチキンの缶詰などはすべて「液体物」とみなされ、機内持ち込み制限の対象となります。
100ミリリットルを超える液体物や、100ミリリットルを超える容器に入った液体物は、機内持ち込みではなく、必ず受託手荷物の中に入れるようにしましょう。
ただし、機内で使用する必要のある医薬品や乳幼児の離乳食(乳幼児同伴の場合)等は、検査員に申し出て例外として認められれば、100ミリリットルを超えていても機内持ち込みが可能です。
アルコール
アルコールは液体物の機内持ち込み制限の対象となるのはもちろんのこと、化粧品同様に独立したルールが設けられています。
アルコール度数が24度を超えて70度以下のものは、一人あたり5リットルまでと決められており、アルコール度数が70度を超えるものは、分量にかかわらず、受託手荷物に入れることも、機内に持ち込むこともできません。
なお、アルコール度数が24度以下の酒類には制限はありません。
ヘアアイロン
コンセント式のヘアアイロンについては特に制限はありませんが、それ以外の場合は要注意。リチウムイオン電池式ヘアアイロンは、原則受託手荷物としての預入れ、機内持ち込みともに不可となっています。ただし、本体から電池を取り外すことができる場合のみ、アイロン本体が預入れ、機内持ち込みともに可となり、本体から取り外した電池は機内持ち込みのみ可能となります。
リチウムイオン電池以外の電池式アイロンについても、本体から電池を取り外したうえでの預入れ、または機内持ち込みが認められています。
また、ガス式のヘアアイロンの場合は、炭化水素ガスが充てんされていて、熱源部に安全カバーが取り付けられているものでなければなりません。また、機内に持ち込む場合は液体物の持ち込み制限の対象となるため、1リットル以下のジッパー付き透明袋に入らなければ、受託手荷物として預ける必要があります。
ナイフ・ハサミ類
ナイフやハサミなど、鋭利な刃物類は危険物として機内への持ち込みが禁止されているため、受託手荷物として預けなければなりません。
それ以外にも、ピンセットや先のとがった金属製かんざしなど、凶器になりうると判断された場合は、機内持ち込みができず没収されてしまうことがあります。ナイフやハサミ、それに準じた鋭利なものは忘れずに受託手荷物の中に入れるようにしましょう。
モバイルバッテリー
外出先でのスマートフォンの充電などに利用する人が増えているモバイルバッテリーも、航空輸送に制限のある手荷物です。
リチウム金属電池はリチウム含有量2グラム以下のもの、リチウムイオン電池はワット時格量が160ワットアワー以下のものに限り、機内への持ち込みが可能です。いずれも受託手荷物への預け入れはできませんので気を付けましょう。
リチウム含有量2グラムを超えるリチウム金属電池や、ワット時格量が160ワットアワーを超えるリチウムイオン電池は、機内持ち込みも、受託手荷物としての預け入れもできません。
ライター
ライターやマッチ等の着火剤は、喫煙用のものに限り、航空輸送が認められています。
ただし、吸収剤のないオイルタンク式ライターは、受託手荷物としての預け入れも、機内持ち込みも不可。吸収剤入りのオイルライターや使い捨てのガスライター、安全マッチは、小型のものいずれか一個のみ機内持ち込みが可能で、受託手荷物としての預け入れは認められていません。
防水スプレー
スプレー類にもさまざまな制限があります。防水スプレーの場合、引火性ガスや毒性ガスを使用しているものは、受託手荷物としての預け入れも、機内持ち込みも不可。
引火性ガスも毒性ガスも使用していないものは、受託手荷物としての預け入れのみ可能で、機内持ち込みはできません。さらに、一容器当たり500ミリリットル以下または500グラム以下で、かつ化粧品類と合わせた総量が、一人あたり2リットルまたは2キロ以下でなければならないと決められています。
殺虫剤
殺虫剤や農薬は毒物とみなされ、受託手荷物として預けることも、機内に持ち込むこともできません。旅先で虫対策が必要な場合は、現地で調達したほうが賢明です。
花火
海外で花火を楽しみたいと考える人もいるかもしれませんね。しかし、花火は火薬に分類されるため、受託手荷物としての預け入れも、機内持ち込みも認められていません。パーティー用のクラッカーも同様です。
海外旅行先で花火やクラッカーを楽しみたい人は、日本から持って行くのではなく、現地で購入するようにしましょう。
国によっては独自の規定もあるので注意
すでに多くの人が知っているルールから、意外なルールまで、さまざまな制限が設けられている国際線での航空輸送。
国によっては独自の規定を定めている場合があるので、不明な点がある場合には、実際に利用する航空会社のホームぺージを確認したり、窓口に問い合わせたりすると確実です。
[国土交通省「機内持込み・お預け手荷物における危険物の代表例」]
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