豚骨や鶏ガラなどのダシに醤油を加えた濃厚な豚骨醤油スープと、太めのストレート麺が特徴の「家系ラーメン」。全国的に増えつつあるこの「家系ラーメン」ですが、すべてのはじまりは横浜にある「吉村家」。今回は、「家系ラーメン」の総本山として頂点に立つ「吉村家」をご紹介しましょう。
横浜駅から徒歩約10分にある「吉村家」。1974年に横浜市磯子区で創業し、1999年に現在の場所に移転した老舗です。開店前から行列ができることで知られますが、午後4時ごろの訪問では待たずに入れました。
入り口近くにある券売機。スープは1種類のみで、量やトッピングが選べます。
家系の特徴でもある真っ赤なカウンター。券売機で購入した食券をカウンター上に置き、麺の茹で加減の好みを伝えます。吉村家の店員さんは忙しそうなのにも係らず接客が丁寧。声がけから案内までとても好感が持てます。
ラーメン胡椒、刻み生姜、北海道行者ニンニク、青唐辛子などのトッピング類も用意。
「チャーシューメン/800円」。チャーシュー、ほうれん草、海苔がトッピングされた、まさに正しいビジュアルの「家系ラーメン」! スモークされたチャーシューは香ばしい香りが漂い、食欲をそそります。
豚骨醤油スープは濃厚ながらも、くどさがありません。豚骨よりも醤油感がやや強くすっきりまろやかな味わい。鶏油(チーユ)の香ばしさもあり、スープをより一層奥深くしています。
巷で激増している「家系」はこってり感が前面に出ていて、胃もたれするほどの大味なお店が多いと筆者は感じているのですが、吉村家は濃厚ながらも計算し尽くされた繊細さもあるおいしさ。丁寧な手仕事が体感できる、感動の一杯でした。
麺は太めのストレート。独特のモッチリ感があり、濃厚なスープと絶妙に絡み合います。
ちなみに全国的に「家系ラーメン」を謳うラーメン店が激増していますが、お店の方のお話によると「吉村家」の直系と言えるお店は実は5店舗のみなのだそうです。
こってり濃厚ながらも奥深い繊細さが織りなす、総本山の「家系ラーメン」。ラーメン好きなら一度は味わってみてはいかがでしょうか?
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